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婚約破棄に向けて
お父様たちの帰宅。
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生徒会室で色々話を聞き自宅へ帰る馬車の中で、ディーダが他のメイドたちから聞いた内容を教えてもらった。
「簡単に言えばドロシーは夢女で、その夢女は私を悪役令嬢、あっ違ったわ!極悪令嬢だったわね。にして、悲劇のヒロインになりたい。ということね。」
話しを聞きながら色々考える。私も貴族院に来る前までは領地に引きこもっていてパーティーやお茶会に参加することがほとんどなかった。行くとしたら絶対参加しなくてはならないものだけだ。それにトーマスが誘ってくれたら言ったかもしれないが全く誘いがなかった。だからドロシーのことをあまり知らなかったのかもしれない。
「もしかしたらお母様の方が知ってるかもしれないわね!社交界シーズンにお母様はお茶会やパーティーに参加されることが多かったから。」
お父様たちが帰ってきたら聞いてみようと心に決めた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
家に着くといつもと雰囲気が違うことに気づく。いつもは私しかいないこともありメイド達の人数を減らしていた。しかし、今日はメイド、従者の人数がいつもより多く感じた。
もしかしたらお父様たちが帰ってきたのかもしれないと思い、急いでエントランホールに入る。
「シア、おかえり。」
「シアちゃん、おかえりなさい。」
お父様とお母様が出迎えてくれた。
「お父様、お母様ただいま帰りました。そしておかえりなさいませ。」
思っていたよりも早く帰ってきてくれたお父様とお母様に少し嬉しく感じた。せっかく帰ってきたのですぐにお話をと思っていたもののお父様が取り敢えず夕食を食べてから話そうというのでみんなで夕食を食べることになった。
夕食中は他愛のない話をする。学院の授業の話とか最近読んだ本のお話とかだ。お父様は夕食は家族で過ごす時間と考えているので仕事の話も一切しない。きちんと切り分けられるかっこいいお父様だ。
「さて、食事も済んだし、執務室でシアの話を聞こうか。」
「そうね。シアちゃんのこれからに関わることだもの。きちんとお話を聞きましょう。」
2人が席を立ったので私も後をついていく。
執務室につくとさっそく本題に入った。
「手紙の件だけどね。実は気づいていたよ。ただ、シアがいつ気づくか、いつ言ってくれるか待っていたんだ。」
お父様たちは前からトーマスのことは気づいていたそうだ。元々、ハマー侯爵家は侯爵とは名ばかりの貴族で、いつ没落してもおかしくないくらいの資金しかもうないらしい。そこで目をつけたのが私だったそうだ。
「恐らくシアと結婚すればお金の援助も期待できると思ったんだろうね。私たちも始めは2人の婚約について考えたんだ。ただ、私の親友がね。一度婚約して尻尾を掴んでほしいと言うし、シアの良い経験にもなると思ったんだよ。シアはあまりに周りに無頓着過ぎるからね。」
確かに私は周りに興味がない。そもそも学院に通い始めて1年と数ヶ月、自分が噂のネタだったなんで気づかなかったし。
「婚約破棄することはもちろん構わない。ハマー家には今の時点で結構な金額を援助しているし、これ以上損害賠償金だなんだと騒がれるのも癪に触るからね。そこでシアにお願いだ。まずは学院で味方を作りなさい。そしてきちんと証言してもらえる人を探す事。そうだね、5人以上は必要だ。あとは、ハマー家とワーグナー家の関係と金回りについて調べておきたい。結構悪どいことをしていると思うよ。因みに仲がいいからってミーナにお願いするのはダメだよ。」
考えていることが見透かされてる。話を聞いた感じお父様とお母様は答えを知っているんだろう。2人とも甘いだけじゃなく厳しい時は厳しくする2人だ。
「わかりました。お父様。期限などはありますか?」
「そうだね。期限は1ヶ月だ。1ヶ月後にはいい夜会がある。そこで全て終わらせよう。親友にもそのように伝えておくよ。決して無理はしないようにね。何か頼みたいことがあれば遠慮なく言いなさい。」
窓の方を見ながら話すお父様。
1ヶ月あれば、ある程度は集められるだろうと思い、明日からまた頑張ろうと心に決めた。
「簡単に言えばドロシーは夢女で、その夢女は私を悪役令嬢、あっ違ったわ!極悪令嬢だったわね。にして、悲劇のヒロインになりたい。ということね。」
話しを聞きながら色々考える。私も貴族院に来る前までは領地に引きこもっていてパーティーやお茶会に参加することがほとんどなかった。行くとしたら絶対参加しなくてはならないものだけだ。それにトーマスが誘ってくれたら言ったかもしれないが全く誘いがなかった。だからドロシーのことをあまり知らなかったのかもしれない。
「もしかしたらお母様の方が知ってるかもしれないわね!社交界シーズンにお母様はお茶会やパーティーに参加されることが多かったから。」
お父様たちが帰ってきたら聞いてみようと心に決めた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
家に着くといつもと雰囲気が違うことに気づく。いつもは私しかいないこともありメイド達の人数を減らしていた。しかし、今日はメイド、従者の人数がいつもより多く感じた。
もしかしたらお父様たちが帰ってきたのかもしれないと思い、急いでエントランホールに入る。
「シア、おかえり。」
「シアちゃん、おかえりなさい。」
お父様とお母様が出迎えてくれた。
「お父様、お母様ただいま帰りました。そしておかえりなさいませ。」
思っていたよりも早く帰ってきてくれたお父様とお母様に少し嬉しく感じた。せっかく帰ってきたのですぐにお話をと思っていたもののお父様が取り敢えず夕食を食べてから話そうというのでみんなで夕食を食べることになった。
夕食中は他愛のない話をする。学院の授業の話とか最近読んだ本のお話とかだ。お父様は夕食は家族で過ごす時間と考えているので仕事の話も一切しない。きちんと切り分けられるかっこいいお父様だ。
「さて、食事も済んだし、執務室でシアの話を聞こうか。」
「そうね。シアちゃんのこれからに関わることだもの。きちんとお話を聞きましょう。」
2人が席を立ったので私も後をついていく。
執務室につくとさっそく本題に入った。
「手紙の件だけどね。実は気づいていたよ。ただ、シアがいつ気づくか、いつ言ってくれるか待っていたんだ。」
お父様たちは前からトーマスのことは気づいていたそうだ。元々、ハマー侯爵家は侯爵とは名ばかりの貴族で、いつ没落してもおかしくないくらいの資金しかもうないらしい。そこで目をつけたのが私だったそうだ。
「恐らくシアと結婚すればお金の援助も期待できると思ったんだろうね。私たちも始めは2人の婚約について考えたんだ。ただ、私の親友がね。一度婚約して尻尾を掴んでほしいと言うし、シアの良い経験にもなると思ったんだよ。シアはあまりに周りに無頓着過ぎるからね。」
確かに私は周りに興味がない。そもそも学院に通い始めて1年と数ヶ月、自分が噂のネタだったなんで気づかなかったし。
「婚約破棄することはもちろん構わない。ハマー家には今の時点で結構な金額を援助しているし、これ以上損害賠償金だなんだと騒がれるのも癪に触るからね。そこでシアにお願いだ。まずは学院で味方を作りなさい。そしてきちんと証言してもらえる人を探す事。そうだね、5人以上は必要だ。あとは、ハマー家とワーグナー家の関係と金回りについて調べておきたい。結構悪どいことをしていると思うよ。因みに仲がいいからってミーナにお願いするのはダメだよ。」
考えていることが見透かされてる。話を聞いた感じお父様とお母様は答えを知っているんだろう。2人とも甘いだけじゃなく厳しい時は厳しくする2人だ。
「わかりました。お父様。期限などはありますか?」
「そうだね。期限は1ヶ月だ。1ヶ月後にはいい夜会がある。そこで全て終わらせよう。親友にもそのように伝えておくよ。決して無理はしないようにね。何か頼みたいことがあれば遠慮なく言いなさい。」
窓の方を見ながら話すお父様。
1ヶ月あれば、ある程度は集められるだろうと思い、明日からまた頑張ろうと心に決めた。
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