14 / 77
あの方
あの方と直接会った結果。
しおりを挟む
レンフォード視点
昨日は本を読むのに熱中しすぎて生徒会室に寄ることなく帰ってしまったので朝から生徒会室に向かった。
生徒会は基本テストの点数さえ取っていれば授業は出なくても何も言われない。ただ、剣術や馬術などの授業は別だ。今日は座学だけだったので生徒会室で生徒会の仕事をしながらゆっくりしていた。
「あれー。レンだ。珍しいねー。朝からいるの。」いつもは大体午前中は授業に出て午後から生徒会室に来ることが多いから確かに珍しいかもしれない。
「昨日図書室で本を読んでしまったからな。」マーティンの言葉に返しながら決算書類を見ていく。
「で、どうだった?あの方と話してみてさ。」
「それが一言しか会話していない。」マーティンの方をみるとこちらをみて吃驚していた。最近吃驚すると動きが止まる遊びが流行ってるのだろうかと思うほど動きがぴたりと止まるのがまた面白い。
「え?長い時間帰ってこなかったからてっきり色々話してたんだと思ってたけど。」
小さい声で何かぶつぶつ言ってる。
きっと頭の中で何か考えているんだろうな。
「お互い本に没頭してしまってな。気づいたら閉館時間だったよ。」
⟡.·*.··············································⟡.·*.
マーティン視点
昨日はついにレンが重い腰を上げたかと思って今後の展開を少し楽しみにしていたが、全く進展していないことに驚いた。
図書館に行ってからと言うもの全く帰ってこないし、色々話しているのかと思っていたが、ただ本を読んでいただけと聞いて呆れる。
「本当に本読んだだけなのか?」
「ああ、パトリシア嬢の前の席が空いてたからな。そこに座って本を読んだ。読んだことのない本だったからついつい没頭してしまったよ。まだ読み終わってないからまた時間がある時に図書館に行ってみようと思ってる。」
前の席に座って置いて全然話さなかったのか。恐らくパトリシア嬢のことだ。レンのことも知らない可能性が高いな。名乗りあってもいないだろうし。
それにしてもレンはいつもとちがう動きをしていることに気づいているのだろうか。レンから女性に近づいていくこともなければ、めんどくさい話に突っ込むことはほとんどない。話に入るとしたら自分が巻き込まれそうになる時だけだ。今回だって特に首を突っ込まなければ被害を受けることはないし…。そう思いながらレンを見ていると何も気にしていないのか書類に目を通していた。
「レン、そろそろ色々話が動き出すと思うけど、傍観する方向でいいのか?」
「そうだね。今のところは口を挟む気はないよ。でも僕から見たところパトリシア嬢は僕と同じ匂いを感じるんだ。面倒ごととかは特に巻き込まれたくなさそうに感じたし。興味ないことは本当に興味ない。僕のことも知らないみたいだったしね。だから何かあった時に助けられるように動いてあげてよ。」
くすりと笑いながら面白いものを見つけたと言う目をする。そして、それはもう傍観する気は無いって言ってるも同義にも聞こえた。まぁ、そこまで考えて話してないんだろうけど…レンは今までのことで人間不信気味だ。あの方にあって少しでも変わってくれればと思っていたがここまで動くとは思わなかった。
ただ俺が仕えるのはレンフォード・スウェード殿下ただ1人だ。殿下の一言に俺は返事をする。
「承知いたしました。レンフォード殿下。」
昨日は本を読むのに熱中しすぎて生徒会室に寄ることなく帰ってしまったので朝から生徒会室に向かった。
生徒会は基本テストの点数さえ取っていれば授業は出なくても何も言われない。ただ、剣術や馬術などの授業は別だ。今日は座学だけだったので生徒会室で生徒会の仕事をしながらゆっくりしていた。
「あれー。レンだ。珍しいねー。朝からいるの。」いつもは大体午前中は授業に出て午後から生徒会室に来ることが多いから確かに珍しいかもしれない。
「昨日図書室で本を読んでしまったからな。」マーティンの言葉に返しながら決算書類を見ていく。
「で、どうだった?あの方と話してみてさ。」
「それが一言しか会話していない。」マーティンの方をみるとこちらをみて吃驚していた。最近吃驚すると動きが止まる遊びが流行ってるのだろうかと思うほど動きがぴたりと止まるのがまた面白い。
「え?長い時間帰ってこなかったからてっきり色々話してたんだと思ってたけど。」
小さい声で何かぶつぶつ言ってる。
きっと頭の中で何か考えているんだろうな。
「お互い本に没頭してしまってな。気づいたら閉館時間だったよ。」
⟡.·*.··············································⟡.·*.
マーティン視点
昨日はついにレンが重い腰を上げたかと思って今後の展開を少し楽しみにしていたが、全く進展していないことに驚いた。
図書館に行ってからと言うもの全く帰ってこないし、色々話しているのかと思っていたが、ただ本を読んでいただけと聞いて呆れる。
「本当に本読んだだけなのか?」
「ああ、パトリシア嬢の前の席が空いてたからな。そこに座って本を読んだ。読んだことのない本だったからついつい没頭してしまったよ。まだ読み終わってないからまた時間がある時に図書館に行ってみようと思ってる。」
前の席に座って置いて全然話さなかったのか。恐らくパトリシア嬢のことだ。レンのことも知らない可能性が高いな。名乗りあってもいないだろうし。
それにしてもレンはいつもとちがう動きをしていることに気づいているのだろうか。レンから女性に近づいていくこともなければ、めんどくさい話に突っ込むことはほとんどない。話に入るとしたら自分が巻き込まれそうになる時だけだ。今回だって特に首を突っ込まなければ被害を受けることはないし…。そう思いながらレンを見ていると何も気にしていないのか書類に目を通していた。
「レン、そろそろ色々話が動き出すと思うけど、傍観する方向でいいのか?」
「そうだね。今のところは口を挟む気はないよ。でも僕から見たところパトリシア嬢は僕と同じ匂いを感じるんだ。面倒ごととかは特に巻き込まれたくなさそうに感じたし。興味ないことは本当に興味ない。僕のことも知らないみたいだったしね。だから何かあった時に助けられるように動いてあげてよ。」
くすりと笑いながら面白いものを見つけたと言う目をする。そして、それはもう傍観する気は無いって言ってるも同義にも聞こえた。まぁ、そこまで考えて話してないんだろうけど…レンは今までのことで人間不信気味だ。あの方にあって少しでも変わってくれればと思っていたがここまで動くとは思わなかった。
ただ俺が仕えるのはレンフォード・スウェード殿下ただ1人だ。殿下の一言に俺は返事をする。
「承知いたしました。レンフォード殿下。」
2,356
お気に入りに追加
4,468
あなたにおすすめの小説
ご存知ないようですが、父ではなく私が当主です。
藍川みいな
恋愛
旧題:ご存知ないようですが、父ではなく私が侯爵です。
タイトル変更しました。
「モニカ、すまない。俺は、本物の愛を知ってしまったんだ! だから、君とは結婚出来ない!」
十七歳の誕生日、七年間婚約をしていたルーファス様に婚約を破棄されてしまった。本物の愛の相手とは、義姉のサンドラ。サンドラは、私の全てを奪っていった。
父は私を見ようともせず、義母には理不尽に殴られる。
食事は日が経って固くなったパン一つ。そんな生活が、三年間続いていた。
父はただの侯爵代理だということを、義母もサンドラも気付いていない。あと一年で、私は正式な侯爵となる。
その時、あなた達は後悔することになる。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
妹に全てを奪われるなら、私は全てを捨てて家出します
ねこいかいち
恋愛
子爵令嬢のティファニアは、婚約者のアーデルとの結婚を間近に控えていた。全ては順調にいく。そう思っていたティファニアの前に、ティファニアのものは何でも欲しがる妹のフィーリアがまたしても欲しがり癖を出す。「アーデル様を、私にくださいな」そうにこやかに告げるフィーリア。フィーリアに甘い両親も、それを了承してしまう。唯一信頼していたアーデルも、婚約破棄に同意してしまった。私の人生を何だと思っているの? そう思ったティファニアは、家出を決意する。従者も連れず、祖父母の元に行くことを決意するティファニア。もう、奪われるならば私は全てを捨てます。帰ってこいと言われても、妹がいる家になんて帰りません。
転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。
幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します
天宮有
恋愛
バハムス王子の婚約者になった私ルーミエは、様々な問題を魔法で解決していた。
結婚式で起きた問題を解決した際に、私は全ての魔力を失ってしまう。
中断していた結婚式が再開すると「魔力のない者とは関わりたくない」とバハムスが言い出す。
そしてバハムスは、幼馴染のメリタを妻にしていた。
これはメリタの計画で、私からバハムスを奪うことに成功する。
私は城から追い出されると、今まで力になってくれた魔法使いのジトアがやって来る。
ずっと好きだったと告白されて、私のために時間を戻す魔法を編み出したようだ。
ジトアの魔法により時間を戻すことに成功して、私がバハムスの妻になってない時だった。
幼馴染と婚約者の本心を知ったから、私は婚約を破棄します。
希望通り婚約破棄したのになぜか元婚約者が言い寄って来ます
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢ルーナは、婚約者で公爵令息エヴァンから、一方的に婚約破棄を告げられる。この1年、エヴァンに無視され続けていたルーナは、そんなエヴァンの申し出を素直に受け入れた。
傷つき疲れ果てたルーナだが、家族の支えで何とか気持ちを立て直し、エヴァンへの想いを断ち切り、親友エマの支えを受けながら、少しずつ前へと進もうとしていた。
そんな中、あれほどまでに冷たく一方的に婚約破棄を言い渡したはずのエヴァンが、復縁を迫って来たのだ。聞けばルーナを嫌っている公爵令嬢で王太子の婚約者、ナタリーに騙されたとの事。
自分を嫌い、暴言を吐くナタリーのいう事を鵜呑みにした事、さらに1年ものあいだ冷遇されていた事が、どうしても許せないルーナは、エヴァンを拒み続ける。
絶対にエヴァンとやり直すなんて無理だと思っていたルーナだったが、異常なまでにルーナに憎しみを抱くナタリーの毒牙が彼女を襲う。
次々にルーナに攻撃を仕掛けるナタリーに、エヴァンは…
誤解なんですが。~とある婚約破棄の場で~
舘野寧依
恋愛
「王太子デニス・ハイランダーは、罪人メリッサ・モスカートとの婚約を破棄し、新たにキャロルと婚約する!」
わたくしはメリッサ、ここマーベリン王国の未来の王妃と目されている者です。
ところが、この国の貴族どころか、各国のお偉方が招待された立太式にて、馬鹿四人と見たこともない少女がとんでもないことをやらかしてくれました。
驚きすぎて声も出ないか? はい、本当にびっくりしました。あなた達が馬鹿すぎて。
※話自体は三人称で進みます。
【完結】お父様。私、悪役令嬢なんですって。何ですかそれって。
紅月
恋愛
小説家になろうで書いていたものを加筆、訂正したリメイク版です。
「何故、私の娘が処刑されなければならないんだ」
最愛の娘が冤罪で処刑された。
時を巻き戻し、復讐を誓う家族。
娘は前と違う人生を歩み、家族は元凶へ復讐の手を伸ばすが、巻き戻す前と違う展開のため様々な事が見えてきた。
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる