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婚約破棄に向けて
強い味方
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「いい加減にしないか。ここは人目もある。男が女性手を上げるのは良くないと思うんだが…」
トーマスの肩を叩きながら諭す。トーマスは相手の顔を見て真っ青な顔をした。
「で、、で、、」
で?トーマスはその後の言葉をなかなか言わない。
「ここは見せ物じゃないから皆帰ろー。」そう言ってその場を収めてくれたのはマーティン様だ。皆少しずつ散っていく。
「先程は助けていただきありがとうございました。マーティン様に助けていただこうとチラチラ見てはいたんですが、なかなか動いてくれず。」マーティン様を横目で見つめる。
「動こうとしたんだけどさ、なかなか動けなかったんだよ。」おどけた顔で軽くごめんごめんと謝る。まぁ、巻き込むほうが良くないなと思い、こちらこそごめんなさいと伝えた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
マーティン視点
生徒会室に向かって歩いてると大きな声が聞こえる。男の怒鳴り声だ。
公共の場でうるさいなと思いながら何が起きているのかも気になったので俺はその場に向かった。
どんどん近づくに連れて、「この極悪令嬢め!」など声が聞こえてくる。極悪令嬢か。もう悪役令嬢も卒業したんだなと思いながら近寄っていくと、クラスでよく隣に座るパトリシア嬢が居た。パトリシア嬢はいつもの如く興味なさそうな顔をしている。トーマスが「俺の事好きだからって」という言葉を言った時のパトリシア嬢の顔は般若のような顔をしていた。
絡まれてイライラしていのが伝わってくる。好きな読書を邪魔されているというのもあるんだろう。
パトリシア嬢はどうやってこの場を切り抜けようか考えているのか辺りを見渡す。そして、俺と目があった瞬間、目で話し始めてきた。なんとかしてくれそう言った気がした。
仕方ないなーと思いながら人の間を縫うように進んでいくと急に腕を掴まれる。
後ろを振り向くとそこにいたのは、レンだった。
ここにレンがいるのは珍しい。2年の教室からは図書館前を通らないといけないが3年の教室からは図書館を通らなくても直接生徒会室に行ける。恐らくクレイが、「面白い事が起きていますよ。」とか言ったんだろう。
レンはツカツカと前に進みながらトーマスの肩を掴んだ。
トーマスは顔を真っ青になりながら「で、で、」と言っていた。
パトリシア嬢は「で?」って何って顔をしていたので慌てて俺はこの場をおさめる。
みんながいなくなった後、パトリシア嬢が「助けてくださりありがとうございました」と綺麗にカーテシーをした。
何があったのかパトリシア嬢に聞いているレンを見ながら、以前と少しレンの雰囲気が変わっていることに気づいた。
「えっと、で?様ですか?で?様のかおを見てトーマスが真っ青になっていたんでなんだかスッキリしました!」
おいおい「で?様」ってなんだ。たしかに、トーマスは「で?」しか言ってなかったもんな。声に出さず笑っているとレンはこちらを睨む。
「で?じゃないよ。僕はレン。マーティンの幼馴染だよ。」あくまでも殿下ということは隠したいらしい。まぁ今はこのくらいでよしとしようか。
「取り敢えず話したいから生徒会室に行こうか。」
パトリシア嬢を連れて生徒会室に向かった。
トーマスの肩を叩きながら諭す。トーマスは相手の顔を見て真っ青な顔をした。
「で、、で、、」
で?トーマスはその後の言葉をなかなか言わない。
「ここは見せ物じゃないから皆帰ろー。」そう言ってその場を収めてくれたのはマーティン様だ。皆少しずつ散っていく。
「先程は助けていただきありがとうございました。マーティン様に助けていただこうとチラチラ見てはいたんですが、なかなか動いてくれず。」マーティン様を横目で見つめる。
「動こうとしたんだけどさ、なかなか動けなかったんだよ。」おどけた顔で軽くごめんごめんと謝る。まぁ、巻き込むほうが良くないなと思い、こちらこそごめんなさいと伝えた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
マーティン視点
生徒会室に向かって歩いてると大きな声が聞こえる。男の怒鳴り声だ。
公共の場でうるさいなと思いながら何が起きているのかも気になったので俺はその場に向かった。
どんどん近づくに連れて、「この極悪令嬢め!」など声が聞こえてくる。極悪令嬢か。もう悪役令嬢も卒業したんだなと思いながら近寄っていくと、クラスでよく隣に座るパトリシア嬢が居た。パトリシア嬢はいつもの如く興味なさそうな顔をしている。トーマスが「俺の事好きだからって」という言葉を言った時のパトリシア嬢の顔は般若のような顔をしていた。
絡まれてイライラしていのが伝わってくる。好きな読書を邪魔されているというのもあるんだろう。
パトリシア嬢はどうやってこの場を切り抜けようか考えているのか辺りを見渡す。そして、俺と目があった瞬間、目で話し始めてきた。なんとかしてくれそう言った気がした。
仕方ないなーと思いながら人の間を縫うように進んでいくと急に腕を掴まれる。
後ろを振り向くとそこにいたのは、レンだった。
ここにレンがいるのは珍しい。2年の教室からは図書館前を通らないといけないが3年の教室からは図書館を通らなくても直接生徒会室に行ける。恐らくクレイが、「面白い事が起きていますよ。」とか言ったんだろう。
レンはツカツカと前に進みながらトーマスの肩を掴んだ。
トーマスは顔を真っ青になりながら「で、で、」と言っていた。
パトリシア嬢は「で?」って何って顔をしていたので慌てて俺はこの場をおさめる。
みんながいなくなった後、パトリシア嬢が「助けてくださりありがとうございました」と綺麗にカーテシーをした。
何があったのかパトリシア嬢に聞いているレンを見ながら、以前と少しレンの雰囲気が変わっていることに気づいた。
「えっと、で?様ですか?で?様のかおを見てトーマスが真っ青になっていたんでなんだかスッキリしました!」
おいおい「で?様」ってなんだ。たしかに、トーマスは「で?」しか言ってなかったもんな。声に出さず笑っているとレンはこちらを睨む。
「で?じゃないよ。僕はレン。マーティンの幼馴染だよ。」あくまでも殿下ということは隠したいらしい。まぁ今はこのくらいでよしとしようか。
「取り敢えず話したいから生徒会室に行こうか。」
パトリシア嬢を連れて生徒会室に向かった。
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