7 / 77
あの方
私悪役令嬢だったんですか?初耳です。
しおりを挟む
あれから数日経ち、私に対する噂話が減るどころかどんどん内容が酷くなっていった。
初めはドロシー様に可愛らしいイジメをしているという感じの内容だったが、今では何故か私がドロシー様からトーマス様を奪ったという話になっていた。
私がトーマス様を無理やり婿にしたとかそういう内容だ。
おかげで「顔だけの令嬢」とか色々いわれるようになった。そもそも無理やり婿にと推薦してきたのはハマー家だったし、私はそこまでトーマス様に興味がない。学院に来てからはいつも幼馴染という人と一緒にいたから余計に興味がなくなったのだ。
確かに初めの頃は注意していたけど、もう注意するのすら面倒くさい。
「いつの間にかまた噂が広がったようだね。」隣に座りながらマーティン様が話しかけてくる。
「えぇ。あなたが教えてくれなければそもそも私の話だとは気づかなかったんですけど、私の話だと聞いてからは色々辻褄があってスッキリしました。まぁ、数日は現実逃避していましたが…」遠い目をしながらマーティン様と話す。
それにしてもいつになったら噂話がなくなるのか、噂の出所を探すところから始めているもののなかなかわからない。まぁ、1番は本人が言っている可能性が高いけど。相手はもしかしたら悲劇のヒロインにでもなったつもりなのかもしれない。
「そういえば、最近また妙な話を聞いたんだよ。なんでも君の婚約者が悲劇のヒロインになりきっていてね。君のことを悪役令嬢と呼んでいるそうだよ。もしかして本とかに出てくるのかな?」
授業中小さい声で話しかけてくるマーティン様。
「え?いつの間にか悪役令嬢にされている!?」
柄にもなく授業中に大声を出してしまい、先生含めたクラス全員がこちらを見る。
そんな姿を見てマーティン様は笑っていた。
「すみません。なんでもないです。」椅子に座りながら授業を止めてしまったことを謝罪した。
ミーナがこちらを見ながら「大丈夫?」と聞いてきたので「大丈夫。ごめんね。」と返しておく。マーティン様をみるとまだお腹を抱えて笑っていた。何がそんなに面白いのか。私は全く面白くない。取り敢えず今は授業に集中してまた放課後考えることにした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
放課後になると私はいつも通りミーナ達と別れて1人図書室に向かおうとあるいていると、前から見たことある人が現れた、トーマス様だ。トーマス様が1人でいるのは珍しい。一応婚約者なので挨拶だけする。
「トーマス様。お久しぶりです。こんなところで会うなんて珍しいですね。何かございましたか?」
「いや、お前に言っておきたいことがあってきたんだ。」
「はい、なんでしょうか?」
言いたいことがあるとのことだったので話を聞くために一度動きをとめた。
「お前がドロシーをいじめていると聞いた。そんなに俺のことが好きなのか!?好きだから一緒にいるドロシーのことをいじめるんだろう?さらに俺とドロシーの仲を引き裂こうとしているんだって?お前がそんな最低なやつだなんて思ってなかったよ。俺とドロシーはただの幼馴染だ。こんなに干渉されるなんてもう限界だ!この場をもって婚約は破棄させてもらいたい。」
一瞬頭の中が真っ白になった。
ま、待って欲しい。婚約破棄はいいがこんな公衆の面前でしかも人がたくさんいる中でこいつ何を言っているんだ?ドロシーとの仲を引き裂く?いやいやいや、そもそもお前への気持ちはとっくの昔に冷めてめますが?私が好きだなんてどの口が言っているのか。開いた口が塞がらない。
取り敢えず言い返すと火に油を注ぎそうだったので、
「わかりました。このお話はお父様にお伝えさせていただきお父様から返事させていただきます。」と伝えた。今はこの嫌な雰囲気となっているところを切り抜ける方が先だ。
お父様とお母様に伝えるのが一番辛いのにと思いながら取り敢えず今日も図書室には寄らずまっすぐ家に帰りお父様宛に手紙を書いた。
あぁ、本が読みたかったな。
初めはドロシー様に可愛らしいイジメをしているという感じの内容だったが、今では何故か私がドロシー様からトーマス様を奪ったという話になっていた。
私がトーマス様を無理やり婿にしたとかそういう内容だ。
おかげで「顔だけの令嬢」とか色々いわれるようになった。そもそも無理やり婿にと推薦してきたのはハマー家だったし、私はそこまでトーマス様に興味がない。学院に来てからはいつも幼馴染という人と一緒にいたから余計に興味がなくなったのだ。
確かに初めの頃は注意していたけど、もう注意するのすら面倒くさい。
「いつの間にかまた噂が広がったようだね。」隣に座りながらマーティン様が話しかけてくる。
「えぇ。あなたが教えてくれなければそもそも私の話だとは気づかなかったんですけど、私の話だと聞いてからは色々辻褄があってスッキリしました。まぁ、数日は現実逃避していましたが…」遠い目をしながらマーティン様と話す。
それにしてもいつになったら噂話がなくなるのか、噂の出所を探すところから始めているもののなかなかわからない。まぁ、1番は本人が言っている可能性が高いけど。相手はもしかしたら悲劇のヒロインにでもなったつもりなのかもしれない。
「そういえば、最近また妙な話を聞いたんだよ。なんでも君の婚約者が悲劇のヒロインになりきっていてね。君のことを悪役令嬢と呼んでいるそうだよ。もしかして本とかに出てくるのかな?」
授業中小さい声で話しかけてくるマーティン様。
「え?いつの間にか悪役令嬢にされている!?」
柄にもなく授業中に大声を出してしまい、先生含めたクラス全員がこちらを見る。
そんな姿を見てマーティン様は笑っていた。
「すみません。なんでもないです。」椅子に座りながら授業を止めてしまったことを謝罪した。
ミーナがこちらを見ながら「大丈夫?」と聞いてきたので「大丈夫。ごめんね。」と返しておく。マーティン様をみるとまだお腹を抱えて笑っていた。何がそんなに面白いのか。私は全く面白くない。取り敢えず今は授業に集中してまた放課後考えることにした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
放課後になると私はいつも通りミーナ達と別れて1人図書室に向かおうとあるいていると、前から見たことある人が現れた、トーマス様だ。トーマス様が1人でいるのは珍しい。一応婚約者なので挨拶だけする。
「トーマス様。お久しぶりです。こんなところで会うなんて珍しいですね。何かございましたか?」
「いや、お前に言っておきたいことがあってきたんだ。」
「はい、なんでしょうか?」
言いたいことがあるとのことだったので話を聞くために一度動きをとめた。
「お前がドロシーをいじめていると聞いた。そんなに俺のことが好きなのか!?好きだから一緒にいるドロシーのことをいじめるんだろう?さらに俺とドロシーの仲を引き裂こうとしているんだって?お前がそんな最低なやつだなんて思ってなかったよ。俺とドロシーはただの幼馴染だ。こんなに干渉されるなんてもう限界だ!この場をもって婚約は破棄させてもらいたい。」
一瞬頭の中が真っ白になった。
ま、待って欲しい。婚約破棄はいいがこんな公衆の面前でしかも人がたくさんいる中でこいつ何を言っているんだ?ドロシーとの仲を引き裂く?いやいやいや、そもそもお前への気持ちはとっくの昔に冷めてめますが?私が好きだなんてどの口が言っているのか。開いた口が塞がらない。
取り敢えず言い返すと火に油を注ぎそうだったので、
「わかりました。このお話はお父様にお伝えさせていただきお父様から返事させていただきます。」と伝えた。今はこの嫌な雰囲気となっているところを切り抜ける方が先だ。
お父様とお母様に伝えるのが一番辛いのにと思いながら取り敢えず今日も図書室には寄らずまっすぐ家に帰りお父様宛に手紙を書いた。
あぁ、本が読みたかったな。
2,273
お気に入りに追加
4,445
あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたので、隠していた力を解放します
ミィタソ
恋愛
「――よって、私は君との婚約を破棄する」
豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アレクシスが高らかに宣言した。
周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。
私は、この状況をただ静かに見つめていた。
「……そうですか」
あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。
婚約破棄、大いに結構。
慰謝料でも請求してやりますか。
私には隠された力がある。
これからは自由に生きるとしよう。

【完結】ブスと呼ばれるひっつめ髪の眼鏡令嬢は婚約破棄を望みます。
はゆりか
恋愛
幼き頃から決まった婚約者に言われた事を素直に従い、ひっつめ髪に顔が半分隠れた瓶底丸眼鏡を常に着けたアリーネ。
周りからは「ブス」と言われ、外見を笑われ、美しい婚約者とは並んで歩くのも忌わしいと言われていた。
婚約者のバロックはそれはもう見目の美しい青年。
ただ、美しいのはその見た目だけ。
心の汚い婚約者様にこの世の厳しさを教えてあげましょう。
本来の私の姿で……
前編、中編、後編の短編です。

婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました
神村 月子
恋愛
貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。
彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。
「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。
登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。
※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています

見知らぬ子息に婚約破棄してくれと言われ、腹の立つ言葉を投げつけられましたが、どうやら必要ない我慢をしてしまうようです
珠宮さくら
恋愛
両親のいいとこ取りをした出来の良い兄を持ったジェンシーナ・ペデルセン。そんな兄に似ずとも、母親の家系に似ていれば、それだけでもだいぶ恵まれたことになったのだが、残念ながらジェンシーナは似ることができなかった。
だからといって家族は、それでジェンシーナを蔑ろにすることはなかったが、比べたがる人はどこにでもいるようだ。
それだけでなく、ジェンシーナは何気に厄介な人間に巻き込まれてしまうが、我慢する必要もないことに気づくのが、いつも遅いようで……。

【完結】お父様。私、悪役令嬢なんですって。何ですかそれって。
紅月
恋愛
小説家になろうで書いていたものを加筆、訂正したリメイク版です。
「何故、私の娘が処刑されなければならないんだ」
最愛の娘が冤罪で処刑された。
時を巻き戻し、復讐を誓う家族。
娘は前と違う人生を歩み、家族は元凶へ復讐の手を伸ばすが、巻き戻す前と違う展開のため様々な事が見えてきた。

婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
公爵令嬢エイプリルは嘘がお嫌い〜断罪を告げてきた王太子様の嘘を暴いて差し上げましょう〜
星里有乃
恋愛
「公爵令嬢エイプリル・カコクセナイト、今日をもって婚約は破棄、魔女裁判の刑に処す!」
「ふっ……わたくし、嘘は嫌いですの。虚言症の馬鹿な異母妹と、婚約者のクズに振り回される毎日で気が狂いそうだったのは事実ですが。それも今日でおしまい、エイプリル・フールの嘘は午前中まで……」
公爵令嬢エイプリル・カコセクナイトは、新年度の初日に行われたパーティーで婚約者のフェナス王太子から断罪を言い渡される。迫り来る魔女裁判に恐怖で震えているのかと思われていたエイプリルだったが、フェナス王太子こそが嘘をついているとパーティー会場で告発し始めた。
* エイプリルフールを題材にした作品です。更新期間は2023年04月01日・02日の二日間を予定しております。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。

妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる