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今。
領地に帰る前にお兄様と話しました。
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ティオ様と庭園で話してから1週間後、私は領地に帰ることにした。
これ以上こちらにいても何もすることがないからだ。
婚約破棄の後ニコラウス様がどうなったのか、気にはなっているものの、お兄様になかなか聞くことができないでいた。
「お、お兄様。一つだけ教えていただきたいのですが…」
明日帰ると言うこともあり今夜は2人でゆっくりと夕飯を楽しんでいる。
「なんだ?」
「あのあと、ニコラウス様はどうなったんですか?」
「あぁ。ニコラウスか。アイツに様なんかつかなくていいぞ。ニコラウスは今…」
そう言ってお兄様が話し始めた内容は思っていたよりもそこまで酷く無かった。
ニコラウスは今、あるところで働いているらしい。
始めはいうことを聞かなかったらしいが、お話し合いをしたあとからは逃げることなくいうことを聞いているそうだ。
あるところで働いているという詳しい内容については聞いちゃいけない気がしたので聞いていない…
「でも良かったです。慰謝料ももらえそうですし、これで万事解決ですね。」
「いや…慰謝料の額が額だからな。果たして払い切れるかどうか…その前にこの世からさようならなんてことにでもなるんじゃないか。」
そう言って笑うお兄様は悪魔の使いにしか見えない…
「まっ、終わったことは気にするな。リアはこれからのことを考えなさい。ティオとはその後どうなんだ?」
お兄様のいう通り終わったことを考えているのは損でしかない。
これからのことを考えることにしよう。
「ティオ様とですか?今までと変わらず商会の話をしたり事業の話をしたりはしますが…」
お兄様の目が少し座っていく。
なぜ怒っているのか…少し考えてから私は思いついたことを伝えた。
「あぁ!そういうことですね!お兄様ったらヤキモチ妬いているんですか?この間、庭園でティオ様にお会いした時もすごい顔で見てましたもんね!」
確かあの時も今みたいにすごい目が座っていたのを覚えている…きっと好きな人を取られてやきもちを焼いていたのね。
「ちがう!!どうしてお前は違う方向に考えているんだ!!!」
お兄様が急に大きな声を出したので、私は思わず「え、違うんですか?」と返してしまった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
エドベルト視点。
リアに最近ティオとうまく言っているのか聞いてみると、思っていたものと全く違う返答が返ってきた。
なぜ、おれがリアにヤキモチを妬かなければならないのか、リアの言っている意味が全くわからない。
まぁ、たしかに同性しか愛せないという人もいるだろうが…
俺はそういうのではない。ただリアが少しでも幸せになってくれればと思っているだけなんだ。
父上と母上が事故で亡くなってから寂しい思いをさせてきたし、リアの事だけを思って添い遂げられる人ができればと思っていた。
5年くらい前からだろうか。汽車や電話の事業のを手がけるようになってから、ティオはリアのことを女性として見るようになっていたと思う。
イキイキと働いているリアを見て、一緒にいたいと思うようになったのだろう。
俺だってリアの姿を見ていると元気がもらえるんだ。
まぁ、可愛い妹だからかもしれないが…。
「リアはティオのことをどう思っているんだ?」
回りくどく聞いても先に進まなさそうなので直接聞いてみる。
「そうですね。お兄様の好きな人でしょうか…。あ、私のお兄様になってくれればいいなと思っていますよ!そしたら楽しそうですし、幸せな余生が送れそうですもの。」
お兄様になってくれれば…
そこは、そこは…違うだろう!!
しかも余生が送れそうということはもう結婚しないつもりなのか…?
「リア、お前はもう結婚しないつもりなのか?」
「そうですね…今のところは私のことを好きになってくれる人がいれば考えますが…。私から誰かを好きになることはないかと思います。」
はっきり言うだけ潔いな。
リアの話を聞いて、近くにお前のことを好きな奴がいるじゃないか…
出かかったが、言ってしまうとまためんどくさいことになりそうだったので、ここは黙っておくことにした。
そして心の中でティオに詫びる。
「ティオ…どこかでリアの育て方を間違えたらしい。すまん…頑張ってくれ…」と…
リアはそんな俺の気持ちを知らずに美味しそうにケーキを頬張っていた。
これ以上こちらにいても何もすることがないからだ。
婚約破棄の後ニコラウス様がどうなったのか、気にはなっているものの、お兄様になかなか聞くことができないでいた。
「お、お兄様。一つだけ教えていただきたいのですが…」
明日帰ると言うこともあり今夜は2人でゆっくりと夕飯を楽しんでいる。
「なんだ?」
「あのあと、ニコラウス様はどうなったんですか?」
「あぁ。ニコラウスか。アイツに様なんかつかなくていいぞ。ニコラウスは今…」
そう言ってお兄様が話し始めた内容は思っていたよりもそこまで酷く無かった。
ニコラウスは今、あるところで働いているらしい。
始めはいうことを聞かなかったらしいが、お話し合いをしたあとからは逃げることなくいうことを聞いているそうだ。
あるところで働いているという詳しい内容については聞いちゃいけない気がしたので聞いていない…
「でも良かったです。慰謝料ももらえそうですし、これで万事解決ですね。」
「いや…慰謝料の額が額だからな。果たして払い切れるかどうか…その前にこの世からさようならなんてことにでもなるんじゃないか。」
そう言って笑うお兄様は悪魔の使いにしか見えない…
「まっ、終わったことは気にするな。リアはこれからのことを考えなさい。ティオとはその後どうなんだ?」
お兄様のいう通り終わったことを考えているのは損でしかない。
これからのことを考えることにしよう。
「ティオ様とですか?今までと変わらず商会の話をしたり事業の話をしたりはしますが…」
お兄様の目が少し座っていく。
なぜ怒っているのか…少し考えてから私は思いついたことを伝えた。
「あぁ!そういうことですね!お兄様ったらヤキモチ妬いているんですか?この間、庭園でティオ様にお会いした時もすごい顔で見てましたもんね!」
確かあの時も今みたいにすごい目が座っていたのを覚えている…きっと好きな人を取られてやきもちを焼いていたのね。
「ちがう!!どうしてお前は違う方向に考えているんだ!!!」
お兄様が急に大きな声を出したので、私は思わず「え、違うんですか?」と返してしまった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
エドベルト視点。
リアに最近ティオとうまく言っているのか聞いてみると、思っていたものと全く違う返答が返ってきた。
なぜ、おれがリアにヤキモチを妬かなければならないのか、リアの言っている意味が全くわからない。
まぁ、たしかに同性しか愛せないという人もいるだろうが…
俺はそういうのではない。ただリアが少しでも幸せになってくれればと思っているだけなんだ。
父上と母上が事故で亡くなってから寂しい思いをさせてきたし、リアの事だけを思って添い遂げられる人ができればと思っていた。
5年くらい前からだろうか。汽車や電話の事業のを手がけるようになってから、ティオはリアのことを女性として見るようになっていたと思う。
イキイキと働いているリアを見て、一緒にいたいと思うようになったのだろう。
俺だってリアの姿を見ていると元気がもらえるんだ。
まぁ、可愛い妹だからかもしれないが…。
「リアはティオのことをどう思っているんだ?」
回りくどく聞いても先に進まなさそうなので直接聞いてみる。
「そうですね。お兄様の好きな人でしょうか…。あ、私のお兄様になってくれればいいなと思っていますよ!そしたら楽しそうですし、幸せな余生が送れそうですもの。」
お兄様になってくれれば…
そこは、そこは…違うだろう!!
しかも余生が送れそうということはもう結婚しないつもりなのか…?
「リア、お前はもう結婚しないつもりなのか?」
「そうですね…今のところは私のことを好きになってくれる人がいれば考えますが…。私から誰かを好きになることはないかと思います。」
はっきり言うだけ潔いな。
リアの話を聞いて、近くにお前のことを好きな奴がいるじゃないか…
出かかったが、言ってしまうとまためんどくさいことになりそうだったので、ここは黙っておくことにした。
そして心の中でティオに詫びる。
「ティオ…どこかでリアの育て方を間違えたらしい。すまん…頑張ってくれ…」と…
リアはそんな俺の気持ちを知らずに美味しそうにケーキを頬張っていた。
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