25 / 29
今。
ティオの一大告白は…
しおりを挟む
⟡.·*.··············································⟡.·*.
ティオドール視点
兄上の従者に呼び出されて私は急いで東の庭園に向かった。
庭園にはリアと楽しそうに話している兄上がいる。
「まさか、いつの間にかあの2人はそういう関係…いや、それはないな。」
「なに、1人でぶつぶつ言っているんだ?さっさと行きなよ!」
なるが仕切りに私の背中を押すがなかなか前に進めなかった…
リアのことを女性として見るようになってから、リアが、今何をしているのか、誰といるのかとリアのことばかりが気になるようになっている。
私は少し遠くの物陰から2人の様子を見守った。私と話す時よりも楽しそうな感じがまたやけてくる…
そしてリアに向けて手を伸ばした兄上を見て私は一目散に2人のところに走り出した。
「あにうぇぇええ!!」
「「「「え?」」」」
私が2人の前に顔を出すと、そこには義姉上に兄上、そしてエドが集まって話していた。
「へ…?」
隣で声を出さないように笑いを堪えているナルと兄上を見て私は全てを悟る。
「お前がいつまでたっても動きそうにないからな。私が動いたまでよ。私たちはこのままここで話しているからアメリアと少し話してきなさい。」
そう言って背中を押す兄上に少しばかり勇気をもらった気がした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
アメリア視点。
国王様、王妃様、お兄様と話しているとすごく大きな声でティオ様が入ってきた。
そんなティオ様をみて、国王様達はくすくすと笑っている。
どうやら私と国王様しかいないと思って慌ててきたらしい。お兄様も王妃様が丁度死角となっていて見えていなかったそうだ。
「お兄様、何が面白いんですか?」
「ティオの慌てようを見てみろ。俺はあんな慌てている姿を初めて見た。」
必死に声を押し殺しているようだが全然押し殺せていない…そんなお兄様を片目に、私はティオ様の方を向く。
そういえば婚約破棄をしてからなかなか手紙のやり取りができていなかったかもしれない。
電話はつながりはしたものの、貴重なためずっと話せるわけでもなく基本は手紙のやり取りが一般的だ。
ティオ様も私の方を見ていたようで目があった。
「ティオ様、お久しぶりですね?」
「ああ、久しぶりだな。ちょっと2人で話さないかい?」
お兄様を見ると頷いているので行ってきていいということだろう。
私はティオ様の手を取って一緒に庭園の中を見ることにした。
「東の庭園はオリエンス領でよく見る花々が多いですね。あとは東の国からも取り寄せているのでしょうか…」
今は冬から少し暖かい季節に変わってきたからだろうか色とりどりのチューリップや薔薇などが咲いていている。
「リアの言う通り、ここは東の国に咲いている花や、東の地域にある花を植えているんだ。西、北、南の庭園もそれぞれの地域のものを植えているんだよ。今度来た時に見てみるといい。」
たしかにそれぞれの季節に合わせて楽しめるのはいいかもしれない。今まであまりみる機会もなかったからまた王都にきたときは見に来てみよう。
「では、王都に来た時はぜひティオ様が案内してくださいませ。」
ティオ様となら花も楽しく見れるだろうと話していると、
「ほ、本当に私でいいのかい?」と返ってきた。
そもそも友人を花見に誘ってはいけないのだろうか…それとも異性だから…?
今まで婚約者がいた手前、あまり考えて行動していなかった…
「え、えぇ。何かダメな理由でもあるんですか?」
「い、いや、そのリアが良かったらこの先も一緒に花を見に行かないか。」
ティオ様の言葉に特に断る理由もないと感じた私は…
「私は構いませんよ。一緒に見れる相手がいるとお花もさらに綺麗に見えそうですね。」と返した。
「エド…アレは…」
「陛下…やはりリアにはまだ早かったようですよ。」
「ティオも男なんだから、こう言う時ははっきり言わないとダメじゃない…」
そんな3人を見てため息をついているナルシスだった。
ティオドール視点
兄上の従者に呼び出されて私は急いで東の庭園に向かった。
庭園にはリアと楽しそうに話している兄上がいる。
「まさか、いつの間にかあの2人はそういう関係…いや、それはないな。」
「なに、1人でぶつぶつ言っているんだ?さっさと行きなよ!」
なるが仕切りに私の背中を押すがなかなか前に進めなかった…
リアのことを女性として見るようになってから、リアが、今何をしているのか、誰といるのかとリアのことばかりが気になるようになっている。
私は少し遠くの物陰から2人の様子を見守った。私と話す時よりも楽しそうな感じがまたやけてくる…
そしてリアに向けて手を伸ばした兄上を見て私は一目散に2人のところに走り出した。
「あにうぇぇええ!!」
「「「「え?」」」」
私が2人の前に顔を出すと、そこには義姉上に兄上、そしてエドが集まって話していた。
「へ…?」
隣で声を出さないように笑いを堪えているナルと兄上を見て私は全てを悟る。
「お前がいつまでたっても動きそうにないからな。私が動いたまでよ。私たちはこのままここで話しているからアメリアと少し話してきなさい。」
そう言って背中を押す兄上に少しばかり勇気をもらった気がした。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
アメリア視点。
国王様、王妃様、お兄様と話しているとすごく大きな声でティオ様が入ってきた。
そんなティオ様をみて、国王様達はくすくすと笑っている。
どうやら私と国王様しかいないと思って慌ててきたらしい。お兄様も王妃様が丁度死角となっていて見えていなかったそうだ。
「お兄様、何が面白いんですか?」
「ティオの慌てようを見てみろ。俺はあんな慌てている姿を初めて見た。」
必死に声を押し殺しているようだが全然押し殺せていない…そんなお兄様を片目に、私はティオ様の方を向く。
そういえば婚約破棄をしてからなかなか手紙のやり取りができていなかったかもしれない。
電話はつながりはしたものの、貴重なためずっと話せるわけでもなく基本は手紙のやり取りが一般的だ。
ティオ様も私の方を見ていたようで目があった。
「ティオ様、お久しぶりですね?」
「ああ、久しぶりだな。ちょっと2人で話さないかい?」
お兄様を見ると頷いているので行ってきていいということだろう。
私はティオ様の手を取って一緒に庭園の中を見ることにした。
「東の庭園はオリエンス領でよく見る花々が多いですね。あとは東の国からも取り寄せているのでしょうか…」
今は冬から少し暖かい季節に変わってきたからだろうか色とりどりのチューリップや薔薇などが咲いていている。
「リアの言う通り、ここは東の国に咲いている花や、東の地域にある花を植えているんだ。西、北、南の庭園もそれぞれの地域のものを植えているんだよ。今度来た時に見てみるといい。」
たしかにそれぞれの季節に合わせて楽しめるのはいいかもしれない。今まであまりみる機会もなかったからまた王都にきたときは見に来てみよう。
「では、王都に来た時はぜひティオ様が案内してくださいませ。」
ティオ様となら花も楽しく見れるだろうと話していると、
「ほ、本当に私でいいのかい?」と返ってきた。
そもそも友人を花見に誘ってはいけないのだろうか…それとも異性だから…?
今まで婚約者がいた手前、あまり考えて行動していなかった…
「え、えぇ。何かダメな理由でもあるんですか?」
「い、いや、そのリアが良かったらこの先も一緒に花を見に行かないか。」
ティオ様の言葉に特に断る理由もないと感じた私は…
「私は構いませんよ。一緒に見れる相手がいるとお花もさらに綺麗に見えそうですね。」と返した。
「エド…アレは…」
「陛下…やはりリアにはまだ早かったようですよ。」
「ティオも男なんだから、こう言う時ははっきり言わないとダメじゃない…」
そんな3人を見てため息をついているナルシスだった。
1,362
お気に入りに追加
2,129
あなたにおすすめの小説
政略結婚相手に本命がいるようなので婚約解消しようと思います。
ゆいまる
恋愛
公爵令嬢ミュランは王太子ハスライトの政略結婚の相手として選ばれた。
義務的なお茶会でしか会うこともない。
そして最近王太子に幼少期から好いている令嬢がいるという話を偶然聞いた。
それならその令嬢と婚約したらいいと思い、身を引くため婚約解消を申し出る。
二人の間に愛はないはずだったのに…。
本編は完結してますが、ハスライトSideのお話も完結まで予約投稿してます。
良ければそちらもご覧ください。
6/28 HOTランキング4位ありがとうございます
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
【完結】義妹と婚約者どちらを取るのですか?
里音
恋愛
私はどこにでもいる中堅の伯爵令嬢アリシア・モンマルタン。どこにでもあるような隣の領地の同じく伯爵家、といってもうちよりも少し格が上のトリスタン・ドクトールと幼い頃に婚約していた。
ドクトール伯爵は2年前に奥様を亡くし、連れ子と共に後妻がいる。
その連れ子はトリスタンの1つ下になるアマンダ。
トリスタンはなかなかの美貌でアマンダはトリスタンに執着している。そしてそれを隠そうともしない。
学園に入り1年は何も問題がなかったが、今年アマンダが学園に入学してきて事態は一変した。
(完)婚約解消からの愛は永遠に
青空一夏
恋愛
エリザベスは、火事で頬に火傷をおった。その為に、王太子から婚約解消をされる。
両親からも疎まれ妹からも蔑まれたエリザベスだが・・・・・・
5話プラスおまけで完結予定。
【完結】身分に見合う振る舞いをしていただけですが…ではもう止めますからどうか平穏に暮らさせて下さい。
まりぃべる
恋愛
私は公爵令嬢。
この国の高位貴族であるのだから身分に相応しい振る舞いをしないとね。
ちゃんと立場を理解できていない人には、私が教えて差し上げませんと。
え?口うるさい?婚約破棄!?
そうですか…では私は修道院に行って皆様から離れますからどうぞお幸せに。
☆★
全21話です。
出来上がってますので随時更新していきます。
途中、区切れず長い話もあってすみません。
読んで下さるとうれしいです。
【完結】円満婚約解消
里音
恋愛
「気になる人ができた。このまま婚約を続けるのは君にも彼女にも失礼だ。だから婚約を解消したい。
まず、君に話をしてから両家の親達に話そうと思う」
「はい。きちんとお話ししてくださってありがとうございます。
両家へは貴方からお話しくださいませ。私は決定に従います」
第二王子のロベルトとその婚約者ソフィーリアの婚約解消と解消後の話。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
主人公の女性目線はほぼなく周囲の話だけです。番外編も本当に必要だったのか今でも悩んでます。
コメントなど返事は出来ないかもしれませんが、全て読ませていただきます。
【完結】『お姉様に似合うから譲るわ。』そう言う妹は、私に婚約者まで譲ってくれました。
まりぃべる
恋愛
妹は、私にいつもいろいろな物を譲ってくれる。
私に絶対似合うから、と言って。
…て、え?婚約者まで!?
いいのかしら。このままいくと私があの美丈夫と言われている方と結婚となってしまいますよ。
私がその方と結婚するとしたら、妹は無事に誰かと結婚出来るのかしら?
☆★
ごくごく普通の、お話です☆
まりぃべるの世界観ですので、理解して読んで頂けると幸いです。
☆★☆★
全21話です。
出来上がっておりますので、随時更新していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる