あと半年で婚約者を探せと言われましたので、婚約者を募集することにしました。

「ジル。お前に大事な話がある。」

深刻な顔で父上に呼び出されたジルベール。

「なんでしょうか?父上…。」


「その…なんだ…とてもいいにくいのだが…このままだとお前を跡取りとから外すことになりそうなんだ…」

ジャンヴィエ辺境伯の跡取りとして育てられたジルベール。


小さい頃から

---「お前はこの家の希望だ!」

---「お前ならいい領主になれる!」

---「領主になるなら剣術も弓術も魔法も他のやつに負けてはならん。」


来る日も来る日も勉強と、稽古の毎日。ドレスを着た記憶なんてほとんど無い。

「ドレスを着る暇があるなら鎧を身に着けて魔物討伐に行ってこい!」とよく言われたものだ。


ジャンヴィエ辺境伯の跡取りとしてルナフルール国の臣下として必死に耐えてきたのだが…


「どういうことでしょうか…父上…。」


「女性が爵位を継ぐ場合、18までに婚約者が居なくてはならないのだが逃げられてしまったんだ…だからあと半年で婚約者を見つけなくてはならなくなった…」


そんな話初耳です…父上…


あと半年で18になるジルベールは一体どうするのか…

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