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町に行ったらまさかの2人が来ていました…
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デューク様と町につくと、たくさんの屋台などで賑わっていた。
「思っていたよりかなり規模が大きいな。」
「それはそうですよ!この国の3大祭の一つですもの。」
それにノヴァ辺境伯領は他の国とを繋ぐルミエールの玄関とも言われているのだ。玄関で行うお祭りを盛大に行わないわけにはいかない。私は少し得意げにデューク様に伝えると、デューク様は私の顔を見て笑っていた。
「そんな変な顔していましたか?」
「いや、誇らしげに話すものだから可愛いなと思ってしまって。」
「か、か、か可愛いなんて!そういうのは好きな方に言ってください。」私は恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまった。
「すまない。行こうか!どこから回る?」デューク様がさりげなく私の手を握る。私ばかりなんだか意識しているみたいで嫌だったのでデューク様の手を引っ張り屋台の方へ向かった。
屋台には様々なものが並んでいる。旬な魚料理から、可愛いらしいクレープなどたくさんだ。
「デューク様。できれば色々なものが食べたいので、半分こしながら歩きませんか?」半分ずつだったらお腹もいっぱいにならないように気をつけられるし我ながらいい提案をしたと思う。
「半分こ?別に構わないけど、いいの?」半分こするのってそんなに気にすることだろうか…いつもお兄様達とは半分にして食べているし。確かに少しはしたないかもしれないけど、屋台だから外で歩きながら食べたりするし、こういう時は無礼講な気がする。私は少し考えてから自分が恥ずかしいことを言っていることに気づいた。
「あ、あ、あのやっぱり半分こは無しでお願いします。」
デューク様はさらりと懐に入ってくるからか家族のような感覚でいたけど家族ではなかったのを忘れていた。私が真っ赤になりながら訂正していると、デューク様がお腹を抱えて笑い出す。
「ハハハ、アナが気づかなかったら全然そのまでよかったのに。気づいちゃうなんて残念だな。」
また揶揄われた気分だ。これが大人の余裕というやつだろうか…3歳しか違わないのに…。涙を拭きながら「あーおかしい。まぁ、半分にできるやつは半分にしようか。ほら何個か入ってるタイプのものとかさ。」
デューク様の言葉にわたしは頷きながら食べ物屋さんを2人で見て回った。
2人で回っていると、遠くから何か声が聞こえてくる。
「わたしの王子様。今日も一段と素敵ですね。」
「愛しのプリンセス。君こそ素敵だよ。まるでこの国の妖精のようだ。」
わたしとデュークさまは人を避けながら少しずつ声のする方に寄った。するとまさかの2人が現れたのだった。
「デューク様…すぐにここから離れましょう。」デューク様の背中を押しながらわたしは急いで人ごみに紛れる。
「え?なんで?」
デューク様は少し不思議そうにこちらを見ていたため、声のする方を指した。
「とにかく、今ここにいてはニーナに見つかります。」
まだ2人の世界に入っているみたいなので大丈夫な気はするけど…
「王子様。明後日はここでダンスパーティーが行われるんです。私たちのことを皆が祝福してくれるはずですわ!」
ダンスパーティーといってもお城とかで行われるダンスパーティーではない。ただ2人1組で踊る簡易なダンスだ。形式もないので皆自由に踊る。
「あぁ…わたしの妖精。この中にいると君が1番美しいね。君はどこの国から来たんだい?」
負けず劣らずムーラン君も似たようなものらしい。そもそも妖精なんていないし、ニーナはこの国出身です。なんならビアンカの方がよっぽど妖精みたいで可愛いわ。
思わず2人の会話にツッコミを入れてしまう。
デューク様はデューク様で2人を見て放心状態だ。それはそうだろう…だってあまりにも周りから浮いているからだ。ピンクにたくさんの宝石を散りばめたドレスを着て、大きな羽のついた帽子をかぶっているニーナと、白タイツにカボチャパンツで赤と金のマントをつけ、頭にはマントとお揃いの帽子をかぶっている2人だ。一体いつの時代の人たちのかさえ疑ってしまう…
「デューク様。取り敢えずあの2人に関わってはいいことがありませんので離れましょう。」デューク様の腕を引いて私たちは人ごみを抜けた。
そして、私たちが人ごみを抜けた姿をまさかあの2人に見られているとは思いもよらなかった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
デューク視点。
皆それぞれ収穫祭を一緒に回る相手がいるということで、これはチャンスと思い、アナを誘った。
恐らくアナは俺が少し気になっているということに気がついていないだろう。
そのためか「お互い相手がいないですし、しかたないですね。」と言っていた。
もし俺が早めに声をかけていなかったらアナは誰か誘って行っていたんじゃないだろうか…早めに誘っておいてよかったと思う。
アナにはあまり男性として見られている感じがしない。すこしはそう思ってくれていればいいが、どちらかというと兄とか家族とかの括りな感じがする。
だからか収穫祭の時にアナの色々な顔が見れて嬉しかった。
「半分こしましょう」と言われた時は俺もびっくりしてしまったが…すこしでも俺のことが気になってくれればいいなとついつい揶揄ってしまう。好きな女の子はいじめたくなる法則だ…。案の定自分の言っていることに気がついたのか顔を真っ赤にして不貞腐れるアナはすごく可愛かった。
そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。2人で歩いていると、過激な二人組が姿を現した。思わず呆然としてしまった俺をアナがつれ出してくれて助かったが、このあとまさかあんな事態が起こるとは思っても見なかった。
「思っていたよりかなり規模が大きいな。」
「それはそうですよ!この国の3大祭の一つですもの。」
それにノヴァ辺境伯領は他の国とを繋ぐルミエールの玄関とも言われているのだ。玄関で行うお祭りを盛大に行わないわけにはいかない。私は少し得意げにデューク様に伝えると、デューク様は私の顔を見て笑っていた。
「そんな変な顔していましたか?」
「いや、誇らしげに話すものだから可愛いなと思ってしまって。」
「か、か、か可愛いなんて!そういうのは好きな方に言ってください。」私は恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまった。
「すまない。行こうか!どこから回る?」デューク様がさりげなく私の手を握る。私ばかりなんだか意識しているみたいで嫌だったのでデューク様の手を引っ張り屋台の方へ向かった。
屋台には様々なものが並んでいる。旬な魚料理から、可愛いらしいクレープなどたくさんだ。
「デューク様。できれば色々なものが食べたいので、半分こしながら歩きませんか?」半分ずつだったらお腹もいっぱいにならないように気をつけられるし我ながらいい提案をしたと思う。
「半分こ?別に構わないけど、いいの?」半分こするのってそんなに気にすることだろうか…いつもお兄様達とは半分にして食べているし。確かに少しはしたないかもしれないけど、屋台だから外で歩きながら食べたりするし、こういう時は無礼講な気がする。私は少し考えてから自分が恥ずかしいことを言っていることに気づいた。
「あ、あ、あのやっぱり半分こは無しでお願いします。」
デューク様はさらりと懐に入ってくるからか家族のような感覚でいたけど家族ではなかったのを忘れていた。私が真っ赤になりながら訂正していると、デューク様がお腹を抱えて笑い出す。
「ハハハ、アナが気づかなかったら全然そのまでよかったのに。気づいちゃうなんて残念だな。」
また揶揄われた気分だ。これが大人の余裕というやつだろうか…3歳しか違わないのに…。涙を拭きながら「あーおかしい。まぁ、半分にできるやつは半分にしようか。ほら何個か入ってるタイプのものとかさ。」
デューク様の言葉にわたしは頷きながら食べ物屋さんを2人で見て回った。
2人で回っていると、遠くから何か声が聞こえてくる。
「わたしの王子様。今日も一段と素敵ですね。」
「愛しのプリンセス。君こそ素敵だよ。まるでこの国の妖精のようだ。」
わたしとデュークさまは人を避けながら少しずつ声のする方に寄った。するとまさかの2人が現れたのだった。
「デューク様…すぐにここから離れましょう。」デューク様の背中を押しながらわたしは急いで人ごみに紛れる。
「え?なんで?」
デューク様は少し不思議そうにこちらを見ていたため、声のする方を指した。
「とにかく、今ここにいてはニーナに見つかります。」
まだ2人の世界に入っているみたいなので大丈夫な気はするけど…
「王子様。明後日はここでダンスパーティーが行われるんです。私たちのことを皆が祝福してくれるはずですわ!」
ダンスパーティーといってもお城とかで行われるダンスパーティーではない。ただ2人1組で踊る簡易なダンスだ。形式もないので皆自由に踊る。
「あぁ…わたしの妖精。この中にいると君が1番美しいね。君はどこの国から来たんだい?」
負けず劣らずムーラン君も似たようなものらしい。そもそも妖精なんていないし、ニーナはこの国出身です。なんならビアンカの方がよっぽど妖精みたいで可愛いわ。
思わず2人の会話にツッコミを入れてしまう。
デューク様はデューク様で2人を見て放心状態だ。それはそうだろう…だってあまりにも周りから浮いているからだ。ピンクにたくさんの宝石を散りばめたドレスを着て、大きな羽のついた帽子をかぶっているニーナと、白タイツにカボチャパンツで赤と金のマントをつけ、頭にはマントとお揃いの帽子をかぶっている2人だ。一体いつの時代の人たちのかさえ疑ってしまう…
「デューク様。取り敢えずあの2人に関わってはいいことがありませんので離れましょう。」デューク様の腕を引いて私たちは人ごみを抜けた。
そして、私たちが人ごみを抜けた姿をまさかあの2人に見られているとは思いもよらなかった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
デューク視点。
皆それぞれ収穫祭を一緒に回る相手がいるということで、これはチャンスと思い、アナを誘った。
恐らくアナは俺が少し気になっているということに気がついていないだろう。
そのためか「お互い相手がいないですし、しかたないですね。」と言っていた。
もし俺が早めに声をかけていなかったらアナは誰か誘って行っていたんじゃないだろうか…早めに誘っておいてよかったと思う。
アナにはあまり男性として見られている感じがしない。すこしはそう思ってくれていればいいが、どちらかというと兄とか家族とかの括りな感じがする。
だからか収穫祭の時にアナの色々な顔が見れて嬉しかった。
「半分こしましょう」と言われた時は俺もびっくりしてしまったが…すこしでも俺のことが気になってくれればいいなとついつい揶揄ってしまう。好きな女の子はいじめたくなる法則だ…。案の定自分の言っていることに気がついたのか顔を真っ赤にして不貞腐れるアナはすごく可愛かった。
そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。2人で歩いていると、過激な二人組が姿を現した。思わず呆然としてしまった俺をアナがつれ出してくれて助かったが、このあとまさかあんな事態が起こるとは思っても見なかった。
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