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自称ヒロインはどうやら住む世界線が少しずれているようです。
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お昼寝をして気持ちも少しスッキリした。
やっぱりこの教室は静かで本当に最高だ。
予鈴がなり私は急いで教室に戻る。教室に戻るとチラチラと誰かを探しているニーナがいた。
この格好でまだ近くは通っていないけれど今の所気づいてすらいなさそうだ。
ニーナの近くにいるとわからなかったけれど、第三者目線で見ると動き方が変で面白かった。「私のモブがいないわ!」って叫んでいるし…そもそも何。「私のモブって…」ニーナはそもそもモブの意味がわかって使っているのだろうか。私だけでなく家族さえ始めは意味がわからなかったのに。
そして他にもたくさん人がいるのに何で私に固執するのかがわからない。自分でヒロインと言うくらいなのだから、婚約者の1人でも作ればいいのに。
そう思っているとクラスの1人がニーナに話しかけた。
「きみさ、いつもここにいるよね?誰か探してるの?」
クラスでも明るい部類に入る爽やかな青年が声をかけると、目をキラキラさせながら、
「あなたが私の王子様だったのね!」と言い出した。
みんなが「え?」と一斉にニーナの方を見る。王子様と言われた本人も若干引き攣った顔をしていた。
「いや、ただ毎日のようにきてるからさ誰か探しているのかと思っただけだよ。」
「そうだったのね。もっと早く声をかけてくだされば良かったのに…毎日私をみていてくれたなんてさすが王子様だわ!」
みんなの心の声が聞こえてくる。
「「「いやいやいや、誰もそんなこと言ってないよ?」」」って…
本当に昔から変わらない。人が聞いたことには一切答えず自分の世界にいる感じが。以前はどんな世界に住んでいるのか気になったものだ。気になっただけで同じ世界の住人になろうと思ったことはないのだけれど…少し昔のことを思いながら気づかれないようにそっと教室に入って席についた。
「私の王子様。夢の時間はもう終わりなの。魔法が解けてしまうわ!だからごめんなさい。」そう言ってクラスをさっていく1人の少女。皆はそれを見てただただ呆気に取られていた。
今の言葉は一体どう意味だったのか。おそらく「王子様と一緒にいたいけどこの時間はもう終わり。お昼休みが終わってしまうわ!ごめんなさい。」と言ったところだろうか。普通に言えばいいのにやたらと魔法とか夢という言葉が好きなようだ。つくづく頭がメルヘンだなと思う。それとも自称ヒロインは皆あんな感じなのだろうか…
嵐が過ぎ去った教室に本鈴が鳴り響き、自称ヒロインが作った空気はそのままで授業が始まった。チョークで黒板に字を書く音と、先生の声、ノートを取る音だけが教室の中で響き渡る。
先ほど王子様と言われた人含め、誰もが先ほどあった出来事は最初から起きていませんでした。とでもいうようにひたすら授業を聞いていた光景がまた面白かった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
モブ視点。
いつもクラスに来てキョロキョロ見渡す赤毛の女の子。
誰かをいつも探しているようだったので、俺は彼女に声をかけた。ただの親切心だ。正直何の感情もあるわけではない。毎日来てるのに探し人に会えないのが可哀想だなと思った。
「誰か探してるの?」
そう聞くと、赤毛の女の子は目をキラキラさせ顔をうっとりさせながら
「私の王子様。」と言い出したのだ!正直今の話のどこら辺に「王子様」の話があったのか…みんな同じように思ったのか一斉にこっちをみた時の顔は忘れられない。危なく噴き出るところだったが堪えられて良かった。
俺が話しかけたあともはキョロキョロと誰をかを探している。こんなに探すってことは相当大切な人なんだろうか…でも人のこと王子様と言っているくらいだし…よくわからないなと思っていると1人で自己完結したのか「魔法が解けてしまうわ!」と言いながら走り去っていく。そんな後ろ姿を見て特に後ろ髪を引かれるなんてことはなく、もう来なくていいのにななんて思ったのは言うまでもない。とりあえず誰を探しているのかだけすごい気になったのは確かだ。
赤毛の女の子に興味があるわけではない。ただあんなこの相手ができるなんてすごいなと思うと…ちょっと相手側を探してみるのもいいかもしれないなと思った。
やっぱりこの教室は静かで本当に最高だ。
予鈴がなり私は急いで教室に戻る。教室に戻るとチラチラと誰かを探しているニーナがいた。
この格好でまだ近くは通っていないけれど今の所気づいてすらいなさそうだ。
ニーナの近くにいるとわからなかったけれど、第三者目線で見ると動き方が変で面白かった。「私のモブがいないわ!」って叫んでいるし…そもそも何。「私のモブって…」ニーナはそもそもモブの意味がわかって使っているのだろうか。私だけでなく家族さえ始めは意味がわからなかったのに。
そして他にもたくさん人がいるのに何で私に固執するのかがわからない。自分でヒロインと言うくらいなのだから、婚約者の1人でも作ればいいのに。
そう思っているとクラスの1人がニーナに話しかけた。
「きみさ、いつもここにいるよね?誰か探してるの?」
クラスでも明るい部類に入る爽やかな青年が声をかけると、目をキラキラさせながら、
「あなたが私の王子様だったのね!」と言い出した。
みんなが「え?」と一斉にニーナの方を見る。王子様と言われた本人も若干引き攣った顔をしていた。
「いや、ただ毎日のようにきてるからさ誰か探しているのかと思っただけだよ。」
「そうだったのね。もっと早く声をかけてくだされば良かったのに…毎日私をみていてくれたなんてさすが王子様だわ!」
みんなの心の声が聞こえてくる。
「「「いやいやいや、誰もそんなこと言ってないよ?」」」って…
本当に昔から変わらない。人が聞いたことには一切答えず自分の世界にいる感じが。以前はどんな世界に住んでいるのか気になったものだ。気になっただけで同じ世界の住人になろうと思ったことはないのだけれど…少し昔のことを思いながら気づかれないようにそっと教室に入って席についた。
「私の王子様。夢の時間はもう終わりなの。魔法が解けてしまうわ!だからごめんなさい。」そう言ってクラスをさっていく1人の少女。皆はそれを見てただただ呆気に取られていた。
今の言葉は一体どう意味だったのか。おそらく「王子様と一緒にいたいけどこの時間はもう終わり。お昼休みが終わってしまうわ!ごめんなさい。」と言ったところだろうか。普通に言えばいいのにやたらと魔法とか夢という言葉が好きなようだ。つくづく頭がメルヘンだなと思う。それとも自称ヒロインは皆あんな感じなのだろうか…
嵐が過ぎ去った教室に本鈴が鳴り響き、自称ヒロインが作った空気はそのままで授業が始まった。チョークで黒板に字を書く音と、先生の声、ノートを取る音だけが教室の中で響き渡る。
先ほど王子様と言われた人含め、誰もが先ほどあった出来事は最初から起きていませんでした。とでもいうようにひたすら授業を聞いていた光景がまた面白かった。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
モブ視点。
いつもクラスに来てキョロキョロ見渡す赤毛の女の子。
誰かをいつも探しているようだったので、俺は彼女に声をかけた。ただの親切心だ。正直何の感情もあるわけではない。毎日来てるのに探し人に会えないのが可哀想だなと思った。
「誰か探してるの?」
そう聞くと、赤毛の女の子は目をキラキラさせ顔をうっとりさせながら
「私の王子様。」と言い出したのだ!正直今の話のどこら辺に「王子様」の話があったのか…みんな同じように思ったのか一斉にこっちをみた時の顔は忘れられない。危なく噴き出るところだったが堪えられて良かった。
俺が話しかけたあともはキョロキョロと誰をかを探している。こんなに探すってことは相当大切な人なんだろうか…でも人のこと王子様と言っているくらいだし…よくわからないなと思っていると1人で自己完結したのか「魔法が解けてしまうわ!」と言いながら走り去っていく。そんな後ろ姿を見て特に後ろ髪を引かれるなんてことはなく、もう来なくていいのにななんて思ったのは言うまでもない。とりあえず誰を探しているのかだけすごい気になったのは確かだ。
赤毛の女の子に興味があるわけではない。ただあんなこの相手ができるなんてすごいなと思うと…ちょっと相手側を探してみるのもいいかもしれないなと思った。
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