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第二章 漆黒の悪霊王
第41話 新人の紹介
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いつもの学校の授業が始まった。
巫女の仕事をしながらもまだ高校生である有栖にとっては、学校で勉強をするのも日常的で大切なことだ。
今は悪霊のことは横に置いておいて、勉強に集中することにする。
今頃は舞火や天子もどこかの学校で授業を受けているだろうし、エイミーもジーネスに勉強を教えている頃だろう。自分だけが遅れを取るわけにはいかなかった。
またこのクラスには有栖と同じく巫女をしている同業者もいる。その同業者、芽亜も真面目な顔をして先生の話を聞いてノートを取っていた。
有栖も授業に集中する。高校の勉強は中学の頃より少し難しくなっていたが、まだついていけていた。
先生に当てられて、芽亜が起立して教科書を読み始める。良い声だと思いながら見ていると、読み終わると同時に振り返られて微笑まれた。
有栖は慌てて教科書に目を戻した。
休み時間がやってくる。チャイムが鳴ってすぐに芽亜は気分良さそうに有栖の席にやってきた。最近彼女はよく来る。ずっと有栖のことを気にかけてくれていた。ありがたいことだった。
有栖の前の席の椅子に腰かけて訊いてくる。
「有栖ちゃん、仕事の方は順調? まだ権蔵さん忙しいんだってね。もう、あたしが手伝ってあげられればいいのに、お婆ちゃんがこっちを手伝えの一点張りで」
「今はどこも人手が欲しいから仕方ないですよ」
「最近は少し強い悪霊も動き始めてるみたい。お婆ちゃんがそう言っていたんだけど。有栖ちゃんは何か感じる?」
「実はもう戦いました」
「もう戦ったの!?」
芽亜はびっくりした顔をして立ち上がった。すぐに目線を集めたことに気が付いて着席した。
お互いに声を潜めて話を続ける。巫女の仕事の話だが、知らない人が聞いてもゲームの話としか思われなかったかもしれない。
「カマイタチ三兄弟といって少し強かったけど、苦戦はしませんでした。逃げられてしまいましたが」
「じゃあ、そいつを見つけたら有栖ちゃんのところに連れていくね」
「お願いします」
巫女としてはそのまま退治してくれても良かったのだが、逃がした相手が気になるのは確かだ。特に舞火と天子は自分達の手で決着を付けることを望んでいるだろう。芽亜の好意をありがたく受け取ることにした。
芽亜が話を代えてくる。内容は同じ巫女の仕事の話だが。
「ところで有栖ちゃんのところの新人は上手くやれてる?」
「ネッチーのことですね。はい、エイミーさんが教育をしてくれているので、わたしは何も気にすることが無いぐらいです」
「いいなあ、有栖ちゃんのところはみんな優秀で。舞火さんや天子さんは優しくて強くて頼りになるし、エイミーちゃんも賑やかでああ見えて頭が良いし、ネッチーも良い子そうだし。優秀な人のところにはやっぱり優秀な人が集まるのかしら」
「さあ、それはどうなんでしょう」
有栖としては自分で特に何かを選んだわけではなく、たまたま神社に来ていた人に声を掛けたり、こまいぬ太が選んでくれた人を誘ったり、父の紹介で来た人を受け入れたりしただけなので、苦笑いするしか無い。
「あたしのところの新人は本当に使えなくて……」
それから芽亜は新人のことを長く愚痴っていった。有栖は友達として彼女の話に快く頷いておいた。
そんな話をしているうちにチャイムが鳴った。先生が来てみんなは慌ただしく席についていく。
「じゃあね、有栖ちゃん。困ったことがあったら、いつでもあたしを呼んでね」
「はい」
芽亜も急いで自分の席に戻っていく。
授業が始まる。またいつもの何てことのない授業だ。
帰ればまたいつもの何てことの無い仕事がある。
有栖は父が帰るまで今の普通の生活が続くんだろうなと思っていた。
学校が終わって神社に帰って、有栖は巫女服に着替えて仕事仲間が来るのを待っていた。
時刻は夕方だ。夜になればまたどこかで悪霊が動き始めるだろう。
今日は新しく入った新人ネッチーを舞火や天子にも紹介するつもりだった。
エイミーも巫女服を着ていたが、ジーネスは嫌がったので着せなかった。やっぱり悪霊王だから巫女の霊気の宿る物は苦手なのだろうか。
有栖がすぐに機転を利かせたので、エイミーも押し付けることはしなかった。
待っているうちに有栖は緊張してきた。
芽亜の愚痴『新人が使えない、お婆ちゃんは人を見る目が無い』を聞いていたからだろうか。
有栖も自分が雇った新人が使えないと愚痴られたらどうしようと思ってしまうのだった。
思っていると、やがて二人が来た。仲良く一緒に。
舞火と天子はたまに喧嘩や言い合いをしているが、別に仲が悪いわけではない。
幼馴染の旧友だから、つい口や態度も軽くなるのだろうと有栖は思っていた。
二人はいつものように気さくなお姉さんの態度で声を掛けてきた。
舞火は優しく微笑みながら、天子は少しぶっきら棒な感じで。
「こんにちは、有栖ちゃん。その子が噂の新人なの?」
「噂?」
どこで噂になったんだろうか。舞火の言葉にきょとんとしてしまう。
天子はしげしげと新入りの少女を眺める。
「また外国人を雇ったんだってね。うわ、今度は銀髪」
「はい、銀髪ですね」
二人の知っているような口ぶりに有栖は驚いてしまった。
「知ってたんですか? ネッチーを雇ったこと」
「うん、芽亜に聞いた」
「たまたまスーパーで会ってね」
「へえ」
世間は狭いなと有栖は思った。まあ、同じ町で暮らしているんだから、たまに出くわすこともあるのだろう。
有栖もついこの前、新人を雇う時に顔見知りと会わない方法を考えたばかりだった。
初対面の先輩二人に、ジーネスは緊張しながら挨拶した。
「ネッチーじゃ。よろしく頼む」
「へえ、礼儀正しい子じゃない」
少し人見知りをしている後輩を、舞火も天子も快く受け入れてくれた。
エイミーが自慢気に胸を張る。
「ミーが教育しました」
「あんたがね」
「なるほど。金と銀で何だか泉に落としたくなるわね」
「落とさないでくださいよ!」
舞火が悪気なくいじめっ子のように言った言葉に、エイミーはびっくりして背筋を跳ね上げてしまった。
「舞火なら本当にやりそうで困るわ」
天子はやれやれと首を振る。
ともあれ、紹介は終わった。とりあえずは好意的なようで何よりだ。
有栖は仕事に意識を切り替える。
「さて、仕事の話ですけど」
「さっそく新人を連れていくの? 巫女服着てないけど」
舞火が聞いてくる。天子やエイミーも見つめてくる。
ジーネスは『どこか行くのか?』と聞きたげな態度だ。
みんな気になっているようだ。有栖に集中する視線がそう言っている。
有栖の考えは決まっていた。
「ネッチーを現場に連れていくのは父さんが帰ってきてからにしようと思っています」
「それが無難でしょうね」
「弱いけど、あたし達が働き始めた頃よりは悪霊は活発だもんね」
舞火と天子はそう納得してくれるが、有栖としては悪霊王を悪霊退治の現場に連れていくことを避けただけだった。
ジーネスには本当に申し訳なく思うけど、父が帰ってくればきっと良い決断をしてくれることを信じて。有栖は言う。
「エイミー、ネッチーのことを任せていい?」
「はい、試用期間はミーにお任せです」
「では、わたし達は現場に行きましょう」
有栖はそうと決めて、舞火と天子を連れて悪霊の出現が報告されている現場へと向かった。
巫女の仕事をしながらもまだ高校生である有栖にとっては、学校で勉強をするのも日常的で大切なことだ。
今は悪霊のことは横に置いておいて、勉強に集中することにする。
今頃は舞火や天子もどこかの学校で授業を受けているだろうし、エイミーもジーネスに勉強を教えている頃だろう。自分だけが遅れを取るわけにはいかなかった。
またこのクラスには有栖と同じく巫女をしている同業者もいる。その同業者、芽亜も真面目な顔をして先生の話を聞いてノートを取っていた。
有栖も授業に集中する。高校の勉強は中学の頃より少し難しくなっていたが、まだついていけていた。
先生に当てられて、芽亜が起立して教科書を読み始める。良い声だと思いながら見ていると、読み終わると同時に振り返られて微笑まれた。
有栖は慌てて教科書に目を戻した。
休み時間がやってくる。チャイムが鳴ってすぐに芽亜は気分良さそうに有栖の席にやってきた。最近彼女はよく来る。ずっと有栖のことを気にかけてくれていた。ありがたいことだった。
有栖の前の席の椅子に腰かけて訊いてくる。
「有栖ちゃん、仕事の方は順調? まだ権蔵さん忙しいんだってね。もう、あたしが手伝ってあげられればいいのに、お婆ちゃんがこっちを手伝えの一点張りで」
「今はどこも人手が欲しいから仕方ないですよ」
「最近は少し強い悪霊も動き始めてるみたい。お婆ちゃんがそう言っていたんだけど。有栖ちゃんは何か感じる?」
「実はもう戦いました」
「もう戦ったの!?」
芽亜はびっくりした顔をして立ち上がった。すぐに目線を集めたことに気が付いて着席した。
お互いに声を潜めて話を続ける。巫女の仕事の話だが、知らない人が聞いてもゲームの話としか思われなかったかもしれない。
「カマイタチ三兄弟といって少し強かったけど、苦戦はしませんでした。逃げられてしまいましたが」
「じゃあ、そいつを見つけたら有栖ちゃんのところに連れていくね」
「お願いします」
巫女としてはそのまま退治してくれても良かったのだが、逃がした相手が気になるのは確かだ。特に舞火と天子は自分達の手で決着を付けることを望んでいるだろう。芽亜の好意をありがたく受け取ることにした。
芽亜が話を代えてくる。内容は同じ巫女の仕事の話だが。
「ところで有栖ちゃんのところの新人は上手くやれてる?」
「ネッチーのことですね。はい、エイミーさんが教育をしてくれているので、わたしは何も気にすることが無いぐらいです」
「いいなあ、有栖ちゃんのところはみんな優秀で。舞火さんや天子さんは優しくて強くて頼りになるし、エイミーちゃんも賑やかでああ見えて頭が良いし、ネッチーも良い子そうだし。優秀な人のところにはやっぱり優秀な人が集まるのかしら」
「さあ、それはどうなんでしょう」
有栖としては自分で特に何かを選んだわけではなく、たまたま神社に来ていた人に声を掛けたり、こまいぬ太が選んでくれた人を誘ったり、父の紹介で来た人を受け入れたりしただけなので、苦笑いするしか無い。
「あたしのところの新人は本当に使えなくて……」
それから芽亜は新人のことを長く愚痴っていった。有栖は友達として彼女の話に快く頷いておいた。
そんな話をしているうちにチャイムが鳴った。先生が来てみんなは慌ただしく席についていく。
「じゃあね、有栖ちゃん。困ったことがあったら、いつでもあたしを呼んでね」
「はい」
芽亜も急いで自分の席に戻っていく。
授業が始まる。またいつもの何てことのない授業だ。
帰ればまたいつもの何てことの無い仕事がある。
有栖は父が帰るまで今の普通の生活が続くんだろうなと思っていた。
学校が終わって神社に帰って、有栖は巫女服に着替えて仕事仲間が来るのを待っていた。
時刻は夕方だ。夜になればまたどこかで悪霊が動き始めるだろう。
今日は新しく入った新人ネッチーを舞火や天子にも紹介するつもりだった。
エイミーも巫女服を着ていたが、ジーネスは嫌がったので着せなかった。やっぱり悪霊王だから巫女の霊気の宿る物は苦手なのだろうか。
有栖がすぐに機転を利かせたので、エイミーも押し付けることはしなかった。
待っているうちに有栖は緊張してきた。
芽亜の愚痴『新人が使えない、お婆ちゃんは人を見る目が無い』を聞いていたからだろうか。
有栖も自分が雇った新人が使えないと愚痴られたらどうしようと思ってしまうのだった。
思っていると、やがて二人が来た。仲良く一緒に。
舞火と天子はたまに喧嘩や言い合いをしているが、別に仲が悪いわけではない。
幼馴染の旧友だから、つい口や態度も軽くなるのだろうと有栖は思っていた。
二人はいつものように気さくなお姉さんの態度で声を掛けてきた。
舞火は優しく微笑みながら、天子は少しぶっきら棒な感じで。
「こんにちは、有栖ちゃん。その子が噂の新人なの?」
「噂?」
どこで噂になったんだろうか。舞火の言葉にきょとんとしてしまう。
天子はしげしげと新入りの少女を眺める。
「また外国人を雇ったんだってね。うわ、今度は銀髪」
「はい、銀髪ですね」
二人の知っているような口ぶりに有栖は驚いてしまった。
「知ってたんですか? ネッチーを雇ったこと」
「うん、芽亜に聞いた」
「たまたまスーパーで会ってね」
「へえ」
世間は狭いなと有栖は思った。まあ、同じ町で暮らしているんだから、たまに出くわすこともあるのだろう。
有栖もついこの前、新人を雇う時に顔見知りと会わない方法を考えたばかりだった。
初対面の先輩二人に、ジーネスは緊張しながら挨拶した。
「ネッチーじゃ。よろしく頼む」
「へえ、礼儀正しい子じゃない」
少し人見知りをしている後輩を、舞火も天子も快く受け入れてくれた。
エイミーが自慢気に胸を張る。
「ミーが教育しました」
「あんたがね」
「なるほど。金と銀で何だか泉に落としたくなるわね」
「落とさないでくださいよ!」
舞火が悪気なくいじめっ子のように言った言葉に、エイミーはびっくりして背筋を跳ね上げてしまった。
「舞火なら本当にやりそうで困るわ」
天子はやれやれと首を振る。
ともあれ、紹介は終わった。とりあえずは好意的なようで何よりだ。
有栖は仕事に意識を切り替える。
「さて、仕事の話ですけど」
「さっそく新人を連れていくの? 巫女服着てないけど」
舞火が聞いてくる。天子やエイミーも見つめてくる。
ジーネスは『どこか行くのか?』と聞きたげな態度だ。
みんな気になっているようだ。有栖に集中する視線がそう言っている。
有栖の考えは決まっていた。
「ネッチーを現場に連れていくのは父さんが帰ってきてからにしようと思っています」
「それが無難でしょうね」
「弱いけど、あたし達が働き始めた頃よりは悪霊は活発だもんね」
舞火と天子はそう納得してくれるが、有栖としては悪霊王を悪霊退治の現場に連れていくことを避けただけだった。
ジーネスには本当に申し訳なく思うけど、父が帰ってくればきっと良い決断をしてくれることを信じて。有栖は言う。
「エイミー、ネッチーのことを任せていい?」
「はい、試用期間はミーにお任せです」
「では、わたし達は現場に行きましょう」
有栖はそうと決めて、舞火と天子を連れて悪霊の出現が報告されている現場へと向かった。
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