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第7話 賑やかな夜
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マルルンの兄はダエンという名前らしい。彼女がそう話してくれた。
一家で玄関前で待っていると空に巨大なUFOが現れた。そこから降りて来たのは複数の宇宙人、ではなくマルルンと同じような妖精種族だった。
彼らはみんな武装していて、いきなり銃を突き付けてきた。隊長をしているマルルンの兄ダエンが話しかけてきた。
「よくやったな、妹よ。ここをこの世界の拠点にしたのだな」
「うん、お兄ちゃん」
「どういことだ、マルルン!」
「あたし達は友達じゃなかったの?」
「そのはずだったんだけど……」
「フッ、可愛い妹にお前達はまんまと騙されて家を明け渡すことになるわけだ。我々の目的は……うわっ、マルルン! お前、臭いぞ!」
「うん、餃子おいしかったー」
「みんなの分もあるわよ」
「よせ! その臭いを近づけるな! くそっ、こんな世界に一秒たりともいられるか! 我々は帰らせてもらうぞ!」
マルルンの兄ダエンとその兵隊達はすぐにUFOに戻って飛び去ってしまった。
あっという間の出来事で球児はただ呆然と見ていることしか出来なかった。静寂の戻った空気の中、茉莉が訊ねる。
「マルちゃんは帰らなくて良かったの?」
「うん! ゲームやりたい!」
そのいつもと変わらない環境に適応した笑顔に、一家の気持ちも暖かくなるようだった。
球児は少し釈然としなかったが、もう自分だけが気にするのは止めておこうと思った。
危機は去って、ここに幸せの家庭があるのだから。
みんなが家に入ろうとした時だった。そこに息せききって駆け込んできた少女がいた。
「勝田君! 今の何? 今の不思議は何なのーーー!?」
「丸井さん!?」
UFOが去ったと思ったら今度はいきなり好きな子がやってきて球児はテンパってしまった。
家族の前だ、下手な事は出来ないと少年はただうろたえてしまうばかりだ。
落ち着かない息子の代わりに、両親が落ち着いて大人の応対をした。
「今のはこのマルちゃんのお兄さんだよ。慌てて帰ってしまったがね。桜ちゃんも会いたかったのなら残念だったね」
「ちょうどいいわ。桜ちゃん、餃子を食べていきなさい」
「ゴチになります!」
「え!? 知り合いなの?」
球児は驚いてしまうのだが、
「お母さんと桜ちゃんのお母さんは高校の時からの親友なのよ」
「父さんと桜ちゃんのお父さんとはライバルだけどな!」
「そうだったんだ。マジでか。世界が狭い!」
「同じ町に住んでいるんだものね。こんなこともあるか」
穏やかに微笑む桜に見つめられて球児は照れてしまう。その少女の目が不意に横に移動して見開かれた。
桜は急にダッシュしてマルルンの背後に回り込むと、その背の羽を引っ張った。
「UFOに気を取られて気づかなかったけど。何これ、不思議発見!」
「ふひいっ、くすぐったい!」
「ちょっと、お兄ちゃんに色目を使ったあげく、マルちゃんに気安く触らないでよ! このアバズレ!」
「アバズレって……」
妹には汚い言葉を使って欲しくないが桜は気が付いていないようだ。ただここにある不思議に気を取られている。
「こんなのあるのに何で連絡くれなかったの!? 空の事も黙ってたでしょ!」
「えっと、それは……」
何を話せばいいのか、球児にはどうしていいか分からない。両親は優しく微笑んだ。
「若い頃を思いだすなあ」
「本当にね。さあ、餃子が冷めないうちにみんな家に上がりなさい」
「はあい」
そして、みんなで家に上がって今夜は餃子パーティーをした。
好きな人を家に上げて、不思議な者も招き入れて、自分は何をしているんだろうと思う球児だった。
でも、みんな喜んでいたのでこれで良いのだと思った。
一家で玄関前で待っていると空に巨大なUFOが現れた。そこから降りて来たのは複数の宇宙人、ではなくマルルンと同じような妖精種族だった。
彼らはみんな武装していて、いきなり銃を突き付けてきた。隊長をしているマルルンの兄ダエンが話しかけてきた。
「よくやったな、妹よ。ここをこの世界の拠点にしたのだな」
「うん、お兄ちゃん」
「どういことだ、マルルン!」
「あたし達は友達じゃなかったの?」
「そのはずだったんだけど……」
「フッ、可愛い妹にお前達はまんまと騙されて家を明け渡すことになるわけだ。我々の目的は……うわっ、マルルン! お前、臭いぞ!」
「うん、餃子おいしかったー」
「みんなの分もあるわよ」
「よせ! その臭いを近づけるな! くそっ、こんな世界に一秒たりともいられるか! 我々は帰らせてもらうぞ!」
マルルンの兄ダエンとその兵隊達はすぐにUFOに戻って飛び去ってしまった。
あっという間の出来事で球児はただ呆然と見ていることしか出来なかった。静寂の戻った空気の中、茉莉が訊ねる。
「マルちゃんは帰らなくて良かったの?」
「うん! ゲームやりたい!」
そのいつもと変わらない環境に適応した笑顔に、一家の気持ちも暖かくなるようだった。
球児は少し釈然としなかったが、もう自分だけが気にするのは止めておこうと思った。
危機は去って、ここに幸せの家庭があるのだから。
みんなが家に入ろうとした時だった。そこに息せききって駆け込んできた少女がいた。
「勝田君! 今の何? 今の不思議は何なのーーー!?」
「丸井さん!?」
UFOが去ったと思ったら今度はいきなり好きな子がやってきて球児はテンパってしまった。
家族の前だ、下手な事は出来ないと少年はただうろたえてしまうばかりだ。
落ち着かない息子の代わりに、両親が落ち着いて大人の応対をした。
「今のはこのマルちゃんのお兄さんだよ。慌てて帰ってしまったがね。桜ちゃんも会いたかったのなら残念だったね」
「ちょうどいいわ。桜ちゃん、餃子を食べていきなさい」
「ゴチになります!」
「え!? 知り合いなの?」
球児は驚いてしまうのだが、
「お母さんと桜ちゃんのお母さんは高校の時からの親友なのよ」
「父さんと桜ちゃんのお父さんとはライバルだけどな!」
「そうだったんだ。マジでか。世界が狭い!」
「同じ町に住んでいるんだものね。こんなこともあるか」
穏やかに微笑む桜に見つめられて球児は照れてしまう。その少女の目が不意に横に移動して見開かれた。
桜は急にダッシュしてマルルンの背後に回り込むと、その背の羽を引っ張った。
「UFOに気を取られて気づかなかったけど。何これ、不思議発見!」
「ふひいっ、くすぐったい!」
「ちょっと、お兄ちゃんに色目を使ったあげく、マルちゃんに気安く触らないでよ! このアバズレ!」
「アバズレって……」
妹には汚い言葉を使って欲しくないが桜は気が付いていないようだ。ただここにある不思議に気を取られている。
「こんなのあるのに何で連絡くれなかったの!? 空の事も黙ってたでしょ!」
「えっと、それは……」
何を話せばいいのか、球児にはどうしていいか分からない。両親は優しく微笑んだ。
「若い頃を思いだすなあ」
「本当にね。さあ、餃子が冷めないうちにみんな家に上がりなさい」
「はあい」
そして、みんなで家に上がって今夜は餃子パーティーをした。
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でも、みんな喜んでいたのでこれで良いのだと思った。
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