【R18】元悪役令嬢の青春

やまだ

文字の大きさ
上 下
21 / 35
戻ってきた元悪役令嬢

12

しおりを挟む


そのままベッドの上でダラダラしてたら夕方になったので、明日の依頼をどうするか話し合いをしつつご飯を食べた。

食べ終わった後、ソファに座ってダートにも作ってもらった指輪を渡す。

「なにこれ?」

「えっとね、前に貰ったの嬉しかったから私もダートにあげたかった。石とかよくわかんないから店員さんのお勧めで、デザインは揃えてもらったんだ」

改まって渡すの照れるな。
でもダートはいつも笑顔と言葉で嬉しいを表してくれるから、私がしたことで喜んでもらえるなら色々頑張りたくなる。


「嬉しい、ありがと。つけて?」

両手を差し出されたので、左利きのダートの邪魔になりにくいよう私と反対の指に嵌めた。嵌めたあとゴツゴツしたでっかい手に自分の手を合わせて、お互いの指に嵌った指輪を合わせて見る。

「……その行動が死ぬほどかわいーんだけど」


合わせていた手を絡められて、上からダートが被さってきた。

「ごめん、キスだけさせて。いっぱい」

ギシ、とソファから少し軋んだ音が聞こえた。下ろした髪の中に指を入れられて、大きな手に頭と頬を覆われて、目の前が暗くなる。

何度も唇を食まれて、ドキドキしながら口を開く。


「っ」

上顎の方を舐められて、そのあと舌の下?裏側?を舐められて、びっくりして口を離してしまった。

「気持ち悪かった?」
「悪くはなかった…と思う」

「どっちのがい?」

言いながらもう一度上と下を舌で柔らかく往復された。

「気持ちいいとかはねぇ感じ?」

「うーん…上は何かゾワゾワきて、下はえろい感じだった」

「よくわからんな…オレにもしてみて?」

口を開けて待つダートに顔を近付けて、されたように下唇を口に含んだ。何度か場所を変えて食んでいると、肩に手を置かれてそのまま離された。

「っごめんギブ。これ以上危険、ディアナにしてもらうのまだまだ無理だわ。口ん中舐められたら暴発するかも」

そう言ってダートは私の唇を指で挟む。

「…予想以上にこれにクるもんがあったんだけど、ディアナはどう?何もねぇ?」

「いや、なんかこう…ぐあっと迫り上がるような」

ドキドキして、ふわふわして、この先にいきたくなるような。


「もーやめとこ、キスだけで終わんなくなるし。指輪ありがと、死ぬまで外さねぇ」

ダートは私のこめかみに一度だけキスをして、そのままソファから立ち上がった。

「今週寝不足だし、明日朝から体動かすし、寝るかぁー」

「一緒に寝れる?」


ダートの服の裾を掴んで、目を見ながらお願いする。

「……今日のディアナの可愛さ爆発してんの何なの?すげぇ嬉しいけど」

上目遣いで頼めばダートなんてイチコロよ!ってリアが言ってたので、効果あるかはわかんないけど使えるもんは使う。


一週間ほとんど一緒に居れなかったから、もうちょっと一緒に居たい。

そう言ったら抱き抱えられて、そのままベッドに連行された。眠いから大丈夫、ってことで向かい合って抱きしめられて、ダートの心臓の音を聞きながら、ゆっくりと目を閉じた。



***



夏休みに入って、溜まってためんどくさい依頼を片付けて行く。転入前に戻ったような日々。

たまの休みにダートと色んなところに出掛けるけど、夜のお勉強はあまり進展がない。私が体を震わせるたびすぐにダートが切り上げるから。



大体の依頼を片付けて、夏休みが終わる前に漁港リベンジを敢行して、前と同じ宿にお泊りの日。


「怖いわけじゃないんだけど」

またもあっさり途中でやめたダートが服を直そうとした時に声を掛けた。

「え?」

「前は確かにちょっと怖いって言ったけどさ、あれから言ってないのにすぐやめるじゃん」

「だって初回と同じよーにビクってなるから」

「それは多分ただの反応だと思うんだよね」

ダートの手や口で触れられると、自分の体温と全然違う熱さに一瞬体が驚く。


「怖くねぇの?」

「怖くないよ」

「……もうちょっとする?」

頷いて、半端にはだけていた服と下着を脱いだ。
じっと見られて恥ずかしい。


「毎回私だけじゃん、ダートも脱いで」
「え」

「上だけでいーから」

そう言ったら、渋々ではあるものの脱いでくれた。
野宿の時とかたまに見たことあったけど、こーゆー時に見ると全然違うんだな。自分と全然違う硬い体に抱きしめられて、いつもよりドキドキする。

「スベスベして気持ちいーね」

ダートの体温が私に移ってきてるような気がする。


手を絡められて、キスをされて、ドキドキしながら唇を食む。体もくっついてるからダートの心臓の脈動が伝わって、ダートもドキドキしてるんだろうなって分かると少し落ち着く。


「ここ、跡つけていい?キスマーク」

心臓の上らへんを指差されて頷いた。
舐められて、吸われてるのは分かるけど痛いとかはないもんなんだな。


「……なんか、すぐ消えそう」

胸元を見ると、起きたら消えてるだろうなって程度に赤みがかってるだけだった。

「これ跡ついてねぇよな。もっと強くしたら痛くね?」

「どうだろ、さっきのは全然痛くなかったけど」

「さっきの倍にしてもつきそうにない薄さじゃん。同じ所何回もすりゃいーんかな…わからん」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

本日をもって、魔術師団長の射精係を退職するになりました。ここでの経験や学んだことを大切にしながら、今後も頑張っていきたいと考えております。

シェルビビ
恋愛
 膨大な魔力の引き換えに、自慰をしてはいけない制約がある宮廷魔術師。他人の手で射精をして貰わないといけないが、彼らの精液を受け入れられる人間は限られていた。  平民であるユニスは、偶然の出来事で射精師として才能が目覚めてしまう。ある日、襲われそうになった同僚を助けるために、制限魔法を解除して右手を酷使した結果、気絶してしまい前世を思い出してしまう。ユニスが触れた性器は、尋常じゃない快楽とおびただしい量の射精をする事が出来る。  前世の記憶を思い出した事で、冷静さを取り戻し、射精させる事が出来なくなった。徐々に射精に対する情熱を失っていくユニス。  突然仕事を辞める事を責める魔術師団長のイースは、普通の恋愛をしたいと話すユニスを説得するために行動をする。 「ユニス、本気で射精師辞めるのか? 心の髄まで射精が好きだっただろう。俺を射精させるまで辞めさせない」  射精させる情熱を思い出し愛を知った時、ユニスが選ぶ運命は――。

明日の夜、婚約者に捨てられるから

能登原あめ
恋愛
* R18甘めのエロ、タグの確認をお願いします。  物語の世界に転生した私は、明日の夜に行われる舞踏会で捨てられる――。  婚約者のジュリアンはヒロインに正式に告白する前に、私、イヴェットに婚約解消してほしいと告げるのだ。  二人が結ばれるとわかっていたのに、いつの間にか好きになってしまった。  邪魔するつもりはないけれど、彼らが幸せな様子を見るのはつらいので、国を出ようと計画を立てたところ――?   * 頭を空っぽにして息抜きにお読みください。 * 成人年齢18歳の世界のため飲酒シーンがありますが、現実ではお酒は20歳になってから親しんで下さい(念のため) * 8話程度+おまけ未定。Rシーンには※マークつけます。 * コメント欄にネタバレ配慮しておりませんのでお気をつけください。 * 表紙はCanvaさまで作成した画像を使用しております。

【R-18】逃げた転生ヒロインは辺境伯に溺愛される

吉川一巳
恋愛
気が付いたら男性向けエロゲ『王宮淫虐物語~鬼畜王子の後宮ハーレム~』のヒロインに転生していた。このままでは山賊に輪姦された後に、主人公のハーレム皇太子の寵姫にされてしまう。自分に散々な未来が待っていることを知った男爵令嬢レスリーは、どうにかシナリオから逃げ出すことに成功する。しかし、逃げ出した先で次期辺境伯のお兄さんに捕まってしまい……、というお話。ヒーローは白い結婚ですがお話の中で一度別の女性と結婚しますのでご注意下さい。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

18禁の乙女ゲームの悪役令嬢~恋愛フラグより抱かれるフラグが上ってどう言うことなの?

KUMA
恋愛
※最初王子とのHAPPY ENDの予定でしたが義兄弟達との快楽ENDに変更しました。※ ある日前世の記憶があるローズマリアはここが異世界ではない姉の中毒症とも言える2次元乙女ゲームの世界だと気付く。 しかも18禁のかなり高い確率で、エッチなフラグがたつと姉から嫌って程聞かされていた。 でもローズマリアは安心していた、攻略キャラクターは皆ヒロインのマリアンヌと肉体関係になると。 ローズマリアは婚約解消しようと…だが前世のローズマリアは天然タラシ(本人知らない) 攻略キャラは婚約者の王子 宰相の息子(執事に変装) 義兄(再婚)二人の騎士 実の弟(新ルートキャラ) 姉は乙女ゲーム(18禁)そしてローズマリアはBL(18禁)が好き過ぎる腐女子の処女男の子と恋愛よりBLのエッチを見るのが好きだから。 正直あんまり覚えていない、ローズマリアは婚約者意外の攻略キャラは知らずそこまで警戒しずに接した所新ルートを発掘!(婚約の顔はかろうじて) 悪役令嬢淫乱ルートになるとは知らない…

【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜

茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。 ☆他サイトにも投稿しています

処理中です...