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グラス小隊始動する
いじめじゃないの? いいえ、ただの夜間訓練です
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「やっと完成だ」
「間に合いましたね、良かった」
『お~い、もうそっちに流しても大丈夫か、早くしないと溢れるぞ。』
『大丈夫だ、完成したから流してくれ』
『助かった~』
本当に紙一重のタイミングで浄化槽は完成し、すぐさま下水が流されてきた。
「グラス少尉、間に合ってよかったですね」
「そうだな、帰還が遅れていたら溢れ出すところだったよ。でも、基地にある木炭全部使っても良かったんですかね」
「直ちに使うもんじゃないから大丈夫だとは思うが、すぐに追加を注文しとくか」
「シバ中尉、俺たちで木炭つくりませんか?」
「そ~言えば、グラス少尉、この間出発前に何か言っていたな。その件か?」
「そうです。せっかくすぐそばに大量の木材があるのにもったいないと思っています」
「簡単に作れるものなのか?」
「炭焼き用の窯を作れば割と簡単に作れますよ。その炭焼き窯を川原に作りたいのですが、許可もらえますかね?」
「必要な施設はその必要度に応じて順位付けはされるが、好きに作って良いとお達しが出ている。大丈夫なんじゃね」
「シバ中尉、その~、作るにあたり、少しお願いがあります。セメントを少し分けてもらえますか。窯そのものは、土と川原にある石を使いますが、周りの整備にセメントを使いたく、分けてもらえると助かります」
「え~、あんたたちが作ってくれるのか?」
「へ??、工兵隊で作りますか?」
「基地の整備は我々の責任だからな。俺たちで作るが、また協力が欲しい」
「分かりました、一緒に作りましょ。てな訳で、また、手伝ってくれるか、メーリカさん」
「面白そうなことだもの、当然手伝わせていただきますよ、な~みんな?」
「「「は~い」」」
「では、早速川原に降りて作り始めますか」
「で、セメントで何を作るのか?」
「窯の前を整地してセメントで固め、その上に大量の砂を撒きます。窯から出した炭を砂に埋めて冷やすための場所を作ります」
「窯は基本川にある土を固めて使うが、大まかには川原の石も使って作業を簡単にしていこう」
早速、工兵隊と山猫の皆さんが手分けして作業をしたので、夕方には窯は完成した。
「明日から早速作り始めますか」
「あ~いたいた、また、連絡もせずにどこかに行ってしまうから探すのに苦労しました。
旅団長がお呼びです、私と一緒に来てください」
俺のことを探しに来ていたアプリコットが、またえらい剣幕で怒っていた。
「少尉はすぐにどこかに行ってしまいますから、緊急時に連絡が取れなくなります。非常に困ります」
司令部に着くまでの間中、延々とお小言を頂いて、やっと司令部に着いた。
「遅れて申し訳ありません。命令により、グラス、アプリコット両名出頭しました」
「今回は少し時間がかかったわね。大方グラス少尉がフラフラ基地内を徘徊して居場所が掴めなかったってところかしら、ま~、いいわ。あなたたちに夜間訓練を命じます。これから、空のトラック隊を率いてジャングル方面軍司令部まで赴き、残りの仲間を連れてきてもらうわ。急ぐ必要はないので、ジャングル内を迷っても大丈夫です。今回は地図の作成はいりませんので、グラス少尉の隊だけで引率してください。率いるトラック隊の隊長も兼ねます」
「今回は、士官はあなたたちだけだから、気兼ねなくトラック隊を率いていってね」
レイラ中佐が、サラっととんでもないことを言ってきた。
これは、俺らに対する嫌がらせか? 少なくとも夜間訓練を兼ねる必要はないわけで、強制的に迷子を作り出そうとしていないか?
いくら、基地内が修羅場と化していて、もう人を入れたくないからといって、部下をジャングルに迷わせるような命令を出すかね?
絶対に俺嫌われているね。
みんなには迷惑をかけるが、命令じゃ~しょうがないか。行くとするか。
「グラス小隊、これから、ジャングル方面軍司令部に向けてトラック隊を率いて移動を開始します」
「それじゃ~、頑張ってね。ジャングルで迷子になるとなかなか抜け出せないようだから、ガソリンや食料は多めに用意させたから。訓練の成果を期待しています」
これ、絶対にジャングルで1週間くらい迷子になることを期待じゃなく、完全に織り込んでの命令だな。
前回の行程だってしょうがなかったのに、この扱い酷くね。しゃ~ない、マーリンさんやメーリカさんに頑張ってもらうか。
「了解しました。行ってきます」
司令部を出たら、既にトラック35台が待機していた。メーリカさんも山猫を率いて集合しており、事前準備の時間はもらえそうにないな。
「メーリカさん、申し訳ないが頼むわ。また、ジャングル方面司令部まで、これらを率いて行ってもらえるかな」
「了解しました、少尉。何度も通った道ですので、夜道でも大丈夫です。分乗して乗車!」
「「「了解しました」」」
「マーリンさん俺らも乗るとするか」
「各車、無線確認」
「問題ありません」
「メーリカさん、それじゃ出発しましょうかね」
「了解」
とメーリカ軍曹が答えたのを聞いて、
「各車、ジャングル方面軍司令部に向けて出発」と、アプリコット准尉が無線に指示を出し、35台のトラックが一斉に暗くなりかけたジャングルに向かって走り出していった。
「間に合いましたね、良かった」
『お~い、もうそっちに流しても大丈夫か、早くしないと溢れるぞ。』
『大丈夫だ、完成したから流してくれ』
『助かった~』
本当に紙一重のタイミングで浄化槽は完成し、すぐさま下水が流されてきた。
「グラス少尉、間に合ってよかったですね」
「そうだな、帰還が遅れていたら溢れ出すところだったよ。でも、基地にある木炭全部使っても良かったんですかね」
「直ちに使うもんじゃないから大丈夫だとは思うが、すぐに追加を注文しとくか」
「シバ中尉、俺たちで木炭つくりませんか?」
「そ~言えば、グラス少尉、この間出発前に何か言っていたな。その件か?」
「そうです。せっかくすぐそばに大量の木材があるのにもったいないと思っています」
「簡単に作れるものなのか?」
「炭焼き用の窯を作れば割と簡単に作れますよ。その炭焼き窯を川原に作りたいのですが、許可もらえますかね?」
「必要な施設はその必要度に応じて順位付けはされるが、好きに作って良いとお達しが出ている。大丈夫なんじゃね」
「シバ中尉、その~、作るにあたり、少しお願いがあります。セメントを少し分けてもらえますか。窯そのものは、土と川原にある石を使いますが、周りの整備にセメントを使いたく、分けてもらえると助かります」
「え~、あんたたちが作ってくれるのか?」
「へ??、工兵隊で作りますか?」
「基地の整備は我々の責任だからな。俺たちで作るが、また協力が欲しい」
「分かりました、一緒に作りましょ。てな訳で、また、手伝ってくれるか、メーリカさん」
「面白そうなことだもの、当然手伝わせていただきますよ、な~みんな?」
「「「は~い」」」
「では、早速川原に降りて作り始めますか」
「で、セメントで何を作るのか?」
「窯の前を整地してセメントで固め、その上に大量の砂を撒きます。窯から出した炭を砂に埋めて冷やすための場所を作ります」
「窯は基本川にある土を固めて使うが、大まかには川原の石も使って作業を簡単にしていこう」
早速、工兵隊と山猫の皆さんが手分けして作業をしたので、夕方には窯は完成した。
「明日から早速作り始めますか」
「あ~いたいた、また、連絡もせずにどこかに行ってしまうから探すのに苦労しました。
旅団長がお呼びです、私と一緒に来てください」
俺のことを探しに来ていたアプリコットが、またえらい剣幕で怒っていた。
「少尉はすぐにどこかに行ってしまいますから、緊急時に連絡が取れなくなります。非常に困ります」
司令部に着くまでの間中、延々とお小言を頂いて、やっと司令部に着いた。
「遅れて申し訳ありません。命令により、グラス、アプリコット両名出頭しました」
「今回は少し時間がかかったわね。大方グラス少尉がフラフラ基地内を徘徊して居場所が掴めなかったってところかしら、ま~、いいわ。あなたたちに夜間訓練を命じます。これから、空のトラック隊を率いてジャングル方面軍司令部まで赴き、残りの仲間を連れてきてもらうわ。急ぐ必要はないので、ジャングル内を迷っても大丈夫です。今回は地図の作成はいりませんので、グラス少尉の隊だけで引率してください。率いるトラック隊の隊長も兼ねます」
「今回は、士官はあなたたちだけだから、気兼ねなくトラック隊を率いていってね」
レイラ中佐が、サラっととんでもないことを言ってきた。
これは、俺らに対する嫌がらせか? 少なくとも夜間訓練を兼ねる必要はないわけで、強制的に迷子を作り出そうとしていないか?
いくら、基地内が修羅場と化していて、もう人を入れたくないからといって、部下をジャングルに迷わせるような命令を出すかね?
絶対に俺嫌われているね。
みんなには迷惑をかけるが、命令じゃ~しょうがないか。行くとするか。
「グラス小隊、これから、ジャングル方面軍司令部に向けてトラック隊を率いて移動を開始します」
「それじゃ~、頑張ってね。ジャングルで迷子になるとなかなか抜け出せないようだから、ガソリンや食料は多めに用意させたから。訓練の成果を期待しています」
これ、絶対にジャングルで1週間くらい迷子になることを期待じゃなく、完全に織り込んでの命令だな。
前回の行程だってしょうがなかったのに、この扱い酷くね。しゃ~ない、マーリンさんやメーリカさんに頑張ってもらうか。
「了解しました。行ってきます」
司令部を出たら、既にトラック35台が待機していた。メーリカさんも山猫を率いて集合しており、事前準備の時間はもらえそうにないな。
「メーリカさん、申し訳ないが頼むわ。また、ジャングル方面司令部まで、これらを率いて行ってもらえるかな」
「了解しました、少尉。何度も通った道ですので、夜道でも大丈夫です。分乗して乗車!」
「「「了解しました」」」
「マーリンさん俺らも乗るとするか」
「各車、無線確認」
「問題ありません」
「メーリカさん、それじゃ出発しましょうかね」
「了解」
とメーリカ軍曹が答えたのを聞いて、
「各車、ジャングル方面軍司令部に向けて出発」と、アプリコット准尉が無線に指示を出し、35台のトラックが一斉に暗くなりかけたジャングルに向かって走り出していった。
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