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第103話 海外視察
しおりを挟むボルネオに着いたら、直ぐに飛行機を乗り換えるようなことは無い。
できない訳じゃないが、流石に俺の方が疲れるので、ボルネオに1泊してから香港に向けて出発する予定だ。
なので、今日は皇太子府にある俺らの拠点に泊まる。
聡子さんは最初に連れて来たので、驚くほどもないが……あ、なぜか驚いている。
「だって、直人様。
あの時な気が動転して、そんなことまで気が回りませんよ。
落ち着いてみると、私あの時もそうでしたけど、とんでもない所に連れて来られたのですね」
「まあ、そうだな。
俺も最初は驚いたけど、慣れだな、慣れるしかないよ。
それより妹さんの面倒をよろしくね」
英子さんは驚いている聡子さんの横で、完全に固まっていた。
「な、な、なんなの。
お姉ちゃん、ここは……」
聡子さんは英子さんを落ち着かせて中に入った。
「ずいぶん久しぶりになってしまいましたね、アリアさん」
「本当にですよ。
正直、本当に寂しくなってきていたのですよ。
でも、ここも忙しいので日本へ会いに行く訳にもいかず、直人様もお忙しい事も存じておりましたから。
ですので、今日は期待しても良いんですよね」
結局その夜は本当に久しぶりに大乱交となった。
ボルネオにいるアリアさんを始め俺の女性たち10名と、かおりさんに飛行機を操縦してきた女性たちも加わり、それはそれは……
全員へのフィニッシュは流石に無理だったが、とりあえず全員へは挿入した俺自身を、俺は褒めてあげたい。
この時に俺は、人生で初めて姉妹丼も経験したことになるのだが、正直覚えていない。
とにかく大勢の女性と交わっていたので、誰を抱いていたかを分からない状態での逢瀬だった。
もったいないことをしたとも思うが、これはこれで良かったとも思う。
当然、翌日はその報いを受ける訳で、俺の腰は歩くことすら難しい位に消耗していた。
介護老人よろしく女性たちに介護されながら朝食を頂き、大型のワゴン車で空港まで連れて行ってもらった。
座っているのも苦痛だった。
飛行場では待っていた飛行機の個室に入れてもらい、これは明らかにまずいのだろうが、寝ながら離陸してもらった。
離陸後水平飛行に入ると、香港に着くまでかおりさん達にずっと俺の腰をさすってもらっていた。
当然、Hは無しだ。
これからの視察中は、夜のホテルに入るまではできないだろうが、それくらいは我慢できる……というか、しばらくお休みをしていたいくらいだ。
流石に香港に着くころには俺の腰もどうにか使い物になるまでには回復していたので、歩いて空港から出ることができた。
空港で、日本から来る視察団との待ち合わせだ。
俺は到着ロビーで待っていると、香港にある日本の領事館から三等書記官の方が待っていた。
「本郷様ですね」
「ハイ、本郷です。
それで彼女も本郷なので、かおりと呼んでおります」
「本郷かおりです。
今回の視察団の副団長を務めております」
「そうでしたか。
皆さまが出て来られましたら、早速水上バス会社にご案内いたします」
そんな会話をしながら待っていた。
日本から視察メンバーを乗せた飛行機はとっくに着いている。
自家用機と商業ラインでの通関が違う関係で、俺らの方が早く出て来れただけなのだが、ここ香港は流石に世界の経済の中心地のひとつだけあり、空港も混んでいる。
入国するにも一苦労だ。
最初のゲートから出て来たのは外務官僚の明日香さんだった。
続いて、え?
何で経産官僚の仁美さんまでもがいるのだ。
この二人は既に俺の愛人となっているが、それでも、仕事なのになぜここに居るかが分からない。
その後に続いてERJの役員と、うちの城南交通から数名の社員、それと今交渉中の東京湾で水上交通に携わっている数社の役員の方が出て来た。
一応全員とは面識があるので、そのまま外務省の用意してくれたバスで、目的の水上交通の会社に向かった。
香港の水上バスはここ香港とマカオや珠海などの港を結んでいる。
返還前ならば外国との国際交通になるが、今でも現状はそんなに変わらない。
ここで、営業方法や、船の運航管理などを教えてもらい、問題点なども教えてもらった。
ここでは一泊二日の予定で、実際に水上バスにも乗り込んで体験などもした。
その日の夕方にはシンガポールに向け自家用機で向かった。
今回の視察には自家用機が使えるので、正直時間の縛りが無い分非常に楽だ。
機内では、俺らの女性たちがお客さんたちをもてなしている。
で、俺はというと個室で二人を捕まえて話を聞いた。
「明日香さんがいるのは分かる。
何でここに仁美さんがいるの?」
「え?
私だけ仲間外れなの、直人様」
「違うでしょ。
何で経産省がいるのかな。
国交省なら分かるけど」
「だって、国交省からは女性が出ていませんから」
「へ??」
「直人様。
私たちは各国のハニートラップ除けなんです」
「まあ、そういう事なの」
「え?
どういうことなの」
「彼女たちが直人様の愛人になったのも各国が直人様にちょっかいを掛けてきたことが原因ですよ。
そんな直人様が外国に出るなんて、格好の餌食じゃないですか。
日本国政府もそれを恐れたのでしょう。
とにかく直人様の周りに女性を置いてハニートラップ対策をしたつもりなんでしょうね。
で、直人様はもう戻りましたか」
「ああ、やっと元に戻った感じかな。
でも流石に機内ではしないよ。
俺ら以外の客が多すぎるから」
「分かっております。
ではシンガポールに着いてからホテルで、ですね」
シンガポールには夜に着いたが、ここでも外務省から現地大使館から職員を出してもらって、ホテルに案内された。
視察は明日からということで、俺らはホテルロビーで解散して、そのままホテルで、かおりさんを入れて3人を相手に頑張った。
今度は三人全員にフィニッシュまでしたので達成感が半端ない。
翌日ホテルで朝食をとっていると、俺のテーブルにコロンビア政府のキャサリンがやってきた。
「大明共和国のエージェントが、視察先の会社で待ち構えていますからお気をつけあそばせ」 と伝言を残して去っていった。
そんな様子を視察メンバーの人たちに見られた。
「団長、あの美人は誰なんです」
「若いというのは羨ましいですな」
「俺も独身なら頑張るのに」
などなど、本来ならば俺もこちら側なのだが、俺の特殊な環境で女性には困っていない……いや、最近困り始めた。
メンバーが増えすぎているような……意味違うか。
とりあえず俺は、視察メンバーに誤解を解いておこうかと思い、正直に彼女の素性を教えた。
「え?
今の美人に見覚え在りませんか」
「あんな美人見たら忘れないよ」
「そうでしたね。
皆さんは羽根木にはなかなかいらっしゃらないのでご存じないかもしれませんが、彼女は私たちが開発中の城南島のお向かいさんで、コロンビアのホテルチェーンの開発メンバーなんですよ。
羽根木にその開発本部があり、前に挨拶に見えましたから、それから挨拶だけはしております。
皆様の言うように、あれほどの美人ですからね。
お話ができるだけでも、幸せですから」
「そんな美人が、何で?」
「彼氏と視察に来ているそうですよ。
たまたま私を見かけたので、挨拶に来たそうです。
あ、私に彼を紹介したいから後で時間を取ってほしいとも言われたので、今日は私はその彼氏の勤めるホテルに向かいます。
すみませんが皆様のアテンドは、副団長のかおりが見ます」
「正直羨ましい気持ちもありますが、私たちはホテルは門外漢ですからな」
「かおりさんも相当な美人ですから構いませんよ」
という訳で俺は一旦視察団から離れてシンガポールの街に出た。
かおりさんが視察団を率いているので、俺は聡子さんを誘おうと思ったのだが、仁美さんが俺に付いてきた。
俺は一旦、コロンビアが拠点を置いているホテルに向かい、当然、そこに居る筈のマークを訪ねた。
ただ単に貸し借りが発生するのを嫌って、挨拶だけでもしておこうかと思ったのだ。
俺の随行として、仁美さんのほかには聡子さんの部下でそれなりに訓練もされている副操縦士たち二人も連れて行った。
ただのデートだったら聡子さんを連れて来たのだが、今回は外交というより諜報の世界の話だ。
仁美さんは一応政府の役人だから、経験をしておいた方が良いだろうという気持ちで連れて来たというか勝手についてきた。
なので、俺はかおりさんと相談の上、自家用に残っているメンバーのうちで比較的こういった面に対応ができそうな者も連れて来た。
まあ、相手がコロンビア政府だからできるだけの話だ。
今回ばかりはそのコロンビア政府に助けてもらおうという腹積もりだ。
あそこは貸し借りだけ気を付ければ何とかなるという安心感もあるし、その借りを返す当ても今回ばかりは俺の方で持ってるので、素直に助けを求めることにした。
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