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第82話 夜明けのコーヒーを母娘と一緒に

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 俺は押し倒されたところから直ぐに形勢を逆転させた。
 俺にはひとかけらの理性も残っていない。

 なにせ、お相手の聡子さんの反応がズルい。

 非常にズルいのだ。
 高校生の娘がいるアラサーの女性なのに、反応が初心なのだ。
 処女だった娘よりも初心って何?
 いくら耳年増だといっても娘の幸子さんは処女だったよ。
 それよりも元人妻で経産婦の聡子さんの反応はおかしい。

 後で分かった話だが、聡子さんの男性経験は元旦那さんだけの一人で、しかも10年以上前に別れてから誰ともしていないとか。
 経験のある旦那さんとも数回の交渉で聡子さんを身ごもったので、あそこの使用回数は下手をすると今の幸子さんよりも少ないかもしれない。
 そんな聡子さんに迫られれば若い俺など理性は全くと言って仕事をしていない。
 怒り狂った息子は聡子さんの中で大暴れしていた。

 熱きリビドーを思いっきり聡子さんに向け2回ほど吐き出してやっと落ち着くことができた。
 ここでピロートークの始まりだ。
 俺には聡子さんに伝えなければならない使命がある。
 いや、伝えるのではなく聡子さんをスカウトしなければならない。
 ここで聡子さんを説得しないといけないので、落ち着いた今、ほとんど残っていない理性をかき集め聡子さんと向き合った。

 尤も俺の息子は、まだ聡子さんの中で気持ち良くしている。
 聡子さんと向き合って話す都合上、いわゆる対面座位というやつか、そんな恰好で話を続ける。
 どこがピロートークかと言われそうだが、ここまで持っていくのに俺がどれほどの理性を使ったことか……そんなことはどうでもいいか。

 俺が聡子さんを口説き落とそうとして話し始める。
 『どうか俺らのパイロットとして働いてほしい』とだけ伝えればいいだけなのだが、聡子さんは時折ピクピク動く。
 まだいったばかりなので、体がピクピクしている。
 その動きが俺の息子を絶えず刺激してくる。
 俺が声を出そうとした時にも絶妙のタイミングで俺の息子を刺激する。

「聡子さん、俺の女になってほしい」

 は?
 俺は何を言っているのだ。
 俺は息子を刺激されたので、ほとんど残っていなかった理性がどこかに行ってしまった。
 俺が気が付いた時には、俺の口からとんでもないことを口走っていた。

「俺はどうしようもない男だ。
 俺には沢山の女性がいるが、聡子さんにも俺の女になってほしい。
 俺は自分の女は大切にしている。
 俺の女は俺が全力で守るので、俺は聡子さんを守りたい。
 今から聡子さんは俺の女だ」

 いったい俺は何を言っているのだ。
 しかも言っているセリフが酷い。
 ハーレムを持っているのでそこに入れと言っているのと同義だ。

 普通の生活をしている女性には絶対に受け入れられるはずのないことを言っている。
 絶望だと思った次の瞬間に聡子さんは俺のことを強く抱きしめ、顔を赤らめ小さな声で「ハイ」と一言だけ言ってきた。

 しかも次の瞬間に聡子さん自身も俺の息子を強く包み込む。
 非常に気持ちがいい。
 当然のように俺は完全に理性を失った。

 その体勢のまま激しく動き出した。
 俺らはそのまま眠りについた。
 昨日に続いて、やりながら眠る羽目になった。

 いや、昨日は隣の寝息を確認する余裕が俺にはあったが、今回は本当に気力体力がなくなるまで聡子さんに向き合い、そのまま眠った。
 翌日は気持ちよく目覚める筈だったのだが、俺はけたたましく騒がしい中で目を覚ました。

 一人の女性が部屋に飛び込んできた。
 まだ隣は聡子さんが寝ている。
 いや、今の騒ぎで起きただろう。
 飛び込んできた女性は聡子さんの娘の幸子さんだった。
 幸子さんは、大声で不実を責めている。

 当然といえば当然の成り行きだが、俺は初めての修羅場って奴に気が動転していた。
 助けてアリアエモン……くだらないことを考えていると、どうにか俺の思考が働きだした。
 幸子さんは俺のことを責めているのではなかった。  

「なんでお母さんが直人さんと一緒に居るの。
 私の直人さんを取らないで」

 どうも幸子さんは自分の母親に俺のことを取られたと勘違いをしているようだ。
 娘に責められている聡子さんは、落ち着いたものだ。
 いくら反応が初心だったとはいえ、流石にアラサー、人生の経験は十分に積んでいるので、俺の周りの女性との関係を理解しているのだろう。
 昨日、俺の告白に沢山の女性がいると言っているもあるのでそれで理解したのかもしれないが、俺が普通の恋愛ができないことを理解していた。

「あらあら幸子。
 貴方も直人様に抱かれたのかしら。
 私は昨夜に直人様の女にしてもらいましたのよ」

 聡子さん、何で自分の娘を挑発しているの。
 当然母親の挑発を受けた幸子さんは完全に理性を飛ばしている。

「私も直人さんの女だもん。
 処女だって直人さんにささげたもの。
 いくらお母さんでも負けないよ」

 幸子さんがそう言うと、自分の来ている服を全て脱ぎだし、俺の息子に向かってきた。
 寝起きの生理現象でむくむくと置きだしていた俺の息子は無防備に幸子さんにつかまりそのまま幸子さんの口の中へ。

 今まで余裕をかましていた聡子さんもここに来て少し焦りだしたのか、幸子さんに加わって息子を責めてくる。
 次に俺が気が付くと二人を相手に頑張っていた。
 二人に一回ずつ吐き出して、どうにかこの場は落ち着いた。
 俺らが落ち着くのを見計らって尚子さんが入って来た。

「おはようございます。
 皆様を浴室にご案内します」 と言って俺ら三人を浴室に連れて行った。
 俺の両腕を嬉しそうに胸を押し付けながら抱きかかえて歩いている二人の母娘。
 そのまま浴室に入ると、いつものように数人の女性が全裸で待機していた。
 なぜか今日だけはアリアさんまでもが全裸で俺のことを待っていた。

「聡子様、幸子様。
 ここからは私どもの領分です」

 尚子がそういうと、二人の了解も得ずに俺から引き離して浴室に連れて行った。
 残った俺はアリアさんに連れられ浴室に入る。

 浴室ではマットに寝かされアリアさんたちに全身を洗ってもらう。
 その最中に、アリアさんから話が出た。

「直人様。
 良かったですね。
 これで彼女たちを心置きなく保護できます」

「ひょっとして今朝のことはアリアさんの策略ですか」

「策略とは酷いですね。
 私は母親を心配している娘さんに、アドバイスをしただけですよ」

「アドバイスって?」

「慌てている幸子さんに、直人様に相談なさってはいかがですかとだけ」

「アドバイスね~。
 でもこうなることは分かっていたよね」

「はい。 
 でも、こうでもしないと後々に問題が出るのではないですか。
 お二人に隠れてお付き合いしていても、どうせすぐにバレます。
 そうなるとお二人の関係が壊れる恐れがあるので、今回ばかりは少々おせっかいを焼かせて頂きました」

「それもそうだね。
 ここは素直に感謝しておこう。
 今朝の風呂場の件もその一環だよね」

「ハイ、これで完全に理解されます。
 聡子様は既にご理解のあったようですが、幸子様にご理解頂きたくて」

 俺はいつものようにマット上で組んずほつれずの状態で全身を女性たちに洗ってもらっていた。
 その様子を聡子さん母娘が見ている。
 聡子さんはさもあらんと言った表情で見ているが、幸子さんはむすっとした表情で見ている。
 焼きもちでも焼いているのだろう。

 それを聡子さんが優しく諭しているようだ。
 後で俺の方から俺の女性関係をきちんと説明だけはしておこう。
 ほぼ同時に聡子さん母娘と風呂を終えた俺らは全員で仲良く朝食をとるためにダイニングに向かった。

 行為の翌朝にコーヒーを飲む、こんな風景に憧れていたことはありました。
 夜明けのコーヒーを一緒にって口説き文句にもなっていなかったっけ。
 そう、今朝の俺らは、その夜明けのコーヒーをこれから飲む訳だが、これでは夜明けのコーヒーを母娘と一緒にってなってしまった。

 これって完全に下種の行為だよね。
 親子丼の後に、夜明けのコーヒーって全然絵にならないね。

 俺の場合、さらにほかの女性たちもいるしね、俺の生活はつくづく爛れていると感じてしまった。

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