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第14話 日本へ一時帰国
しおりを挟む別に、この件はボルネオ王国の話であってエニス王子の安全には関係がないのだが、世話になっているハリー皇太子が事件に巻き込まれているようで、俺は少し心配になり、おせっかいながら調べてみる気になった。
俺は早速かおりさんに相談してみた。
「一度、日本に帰って調べてみたいがどうだろうか」と。
しかし年末年始の日本の飛行場はかきいれどきだとかで今からの便の手配は難しいらしい。
自家用機で羽田の夜間に着陸ならどうにかなりそうなので調べてみると、早速ボルネオ王国空軍経由で依頼を出してくれた。
向こうでのホテルの手配は流石に無理そうだったが、どこでどのようなコネを使ったのかわからないが日本における最高級ホテルである皇国ホテルのロイヤルスウィートが取れたとすぐに返事をもらった。
明日に出発して羽田には年の開けた元日の午前3時に到着する予定になった。
今回の帰国は、ほとんど初詣と、今まで色々とあったが全く連絡していなかった院長先生に会って新年の挨拶と現状の説明だけでもしておこうと思っている。
予定は、着いた元日にはタクシーで移動して、施設の氏神様に初詣を行って、その足で施設に年始の挨拶に行くつもりだ。
忙しいとは思ったのだがすぐに施設に電話を入れて院長先生にその旨を伝えようと思ったのだが、忙しく働いているようでいらっしゃらなかった。
伝言だけ頼んで電話を切った。
今回はウサギさんチームこと第一グループとかおりさんが同行することになった。
日本人は帰国だから問題はないがそれ以外の5人は入国ビザの申請が間に合わなかった。
なので、機内待機というか、日本についたら俺ら日本人を降ろしたあと一度飛行機を戻すのでそれで帰ってもらうつもりだった。
唯一の朗報というのか、漏れた人の悲劇というのかわからないがビザなしでの入国が認められている国籍の人に関しては一緒に入国することになった。
中国国籍のアイさんとパスポートの期限の問題で入国のできないミラのふたりが留守番組となった。
帰ったらそれなりに何とかしますから今回は我慢ね。
他の組から日本人だけでも引き抜いて連れて行くかという話まで出たのだが、そんなに多くを連れて行くにも気が引けたので、今回はウサギさんチームの4人にかおりさんを合わせた5人を連れていくことになった。
初詣は5人で行くが施設にはかおりさんだけを連れて行く。
いきなり大して広くない施設に6人で押しかけても向こうに迷惑をかけるという配慮からだ。
なので初詣の後には別れて先にホテルに戻ってもらうことになっている。
自由に東京見学でもしてもらってもいいよとはいったのだが、年始の東京は非常に混んでいるところと全く人のいないところの2極化されているので、ホテルで待っているとのことだ。
帰国の準備は俺はすることがなく、旅行に出た時の格好に戻るだけだ。
Dバック一つだけで済むのだが彼女たちは短い時間を使って色々と準備をしてくれた。
31日の出かける間際になって俺の持っているDバックは取り上げられて別のカバンを持たせてきた。
それと同時に小さなカバンを手渡しされ、中の説明をされた。
財布にカード類が入っている。
なんとブラックカードだ。
いつからそんなものを持つ身分になったって驚いているのだが、さらに驚いたことには「財布を渡しますが、多分直人様が開くことはないでしょう」と言われた。
同行する彼女たちがすべて手配するそうで、問題ないとも言われていた。
最後にスマートフォンまで手渡された。
緊急時にはこれを使ってください。
何かあれば、とにかくボルネオ王国の大使館に逃げ込んでください。
大丈夫かとは思いますが、それがままならない場合にはスレイマン王国の大使館です。
なんだかおかしな優先順位を言われたのだが、そこは頷いておいた。
何かあれば交番に行けばいいはずなのだが……俺って日本人だよな。
なんで日本に帰るのに、何かあれば外国の大使館を指定されるのかに疑問は持ったのだが、みんな俺のことを心配してのことなのでありがたく忠告は聞いておいた。
そして翌日の午後、ボルネオ中央飛行場でエニス王子までもが見送りに来てくれているところで自家用ジェットに乗り込んだ。
正直この時に初めて自分たちの会社が買った飛行機を見た。
思っていたよりも大きい飛行機だった。
そういえば昔何かで同じ飛行機を見たことがある。
自衛隊が持っていた汎用の飛行機と同じものだと思う。
これだって、ボルネオ王国の空軍が使っていたものを払い下げてもらったものだし、多分同じものだろう。
あの時に聞いたスペックは乗員4名(内パイロット2名、予備パイロット1名、アテンダント1名)乗客19名の定員の飛行機だったところ内装を改装して乗客10名としてある。
なので、キャビン内には1つの個室もある。
尤も俺たちがボルネオ王国まで乗ってきた王室の専用機であるような豪華なものじゃないが個室にはベッドまで設えてある。
用途は、あれしかないだろう。
俺はしきりに言い訳をしていたが、俺が注文した訳じゃなく、エニス王子も利用することを考えてのことだそうだ
この件はすべてアリアさんに任せきりなもので、俺は今回初めてこの飛行機を目にしていた。
女性たちは何度も本国とこことの間を行き来するのに利用しているが、いままでエニス王子も俺も見たことも乗ったこともなかったものだ。
なにせ二人共どこかわからない勢力から命を狙われていた身なもので、とにかくしばらくは自重して、ほとんど屋敷からすら出なかったのだ。
忙しかったというのもあるが、エニスも本当に久しぶりに屋敷から出て飛行場まで俺を見送りに来てくれていた。
飛び立つ前にふたりして飛行機の内装をじっくり見聞するという楽しみまであった。
飛行機はボルネオ中央飛行場を定刻通りに離陸して一路東京に向かった。
当然のように俺は個室に入れられ、同室にアイさんもいた。
アイさんは日本には入国できずに、この飛行機とともにボルネオに戻る予定だが、飛行機内では俺にサービスをしたいと乗り込んでいた。
当然ご想像の通りに、飛行機が水平飛行に入るやいなや、直人はアイさんに備え付けのベッドに押し倒され………
まずは3回は出すものを搾り取られ、休憩に入った。
個室の扉がノックされ、アイさんと同様に留守番組のミラさんが機内食を持ってきてくれた。
俺はLCCの搭乗が飛行機の初体験で、それ以外の飛行機については知らない。
よくテレビの旅番組などでも飛行機内部についての放送もあるのだが、俺はアルバイトに勉強にとあまりテレビを見なかったので、本当に飛行機については知らない。
なので機内食というのも、LCCのそれか施設の決して豪華にはならない食事が基準となっている。
それから見た持ち込まれた機内食の豪華なことで驚かされた。
最近は皇太子府で殿下と一緒に食事をする機会が増えてきたので、少々豪華な食事では驚かなくなってきたのだが、そこはやはり飛行機の中ということで、地上と同質の食事が体験できることに嬉しさよりも驚きの方が大きかった。
それにメニューにはなぜか精力がつくようなものばかりで少々露骨さは感じていた。
アイさんと同じように機内にあったバスローブを着たので、とりあえず裸での食事とはならないが……なんかね~~、こっちのほうがエロいような気がする。
アイさんはバスローブを着るとすぐに個室内のテーブルを設置してくれた。
俺はベッドに腰をかけ食事の時間と思いきや、となりにミラさんが隣に座ってきた。
その後、ミラさんは機内食の料理をナイフとフォークで上手に切り分け、俺に『あ~~~~ん』と始めてきたのだ。
このふたりは今回の日本行きでは外れているので、せめてものということで精一杯のおもてなし♥をしようとサービスしてくれている。
流石に処女のミラさんをここで散らすわけにはいかないので、そういうのは今回アイさんの役目だそうだ。
日に日に俺の持つ常識が壊されていくのは感じているが、それに抗うことは一切していない。
なにせここは男の天国だから。
俺は既にこのままハートブレイクで死んでも悔いはないという覚悟まで出来ている。
初めて海外旅行に出る前の俺からしたら、考えられないくらいの本当に羨ましい状況だ。
エニス王子のことを『モゲロ』と呪っていたのはいったい誰のことだろうかな。
食事のあとは2時間ばかり寝て後の1時間は今度は俺が主導権を握り吐き出すものを2回も吐き出した。
その頃になると既に飛行機は紀伊半島沖をとっくに過ぎてもうすぐ羽田という位置まで来ている。
この飛行機には流石にシャワーまでは無いので、濡れたタオルで綺麗に体を拭いてもらった。
アイさんとミラさんが本当に嬉しそうに俺の体を丁寧に拭いてくれて身支度を整えた。
その頃には飛行機は着陸態勢に入っていた。
アイさんは椅子に座りながら自身の身支度を整えている。
これはこれで非常に色っぽいものを感じる。
眼福だと楽しみながらの羽田の到着だった。
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