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第2章 導かれし王編
第八十七話 通貨統一
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俺はシャルティアたんとミツハたん、それにサリエル様と一緒に人間領へ来ていた。いや、その言い方は違うかもしれない。地球領と呼ぶべきだろう。元々日本だった場所だから、地名的にも日本と呼んで構わないだろう。そして、日本まで来るのに驚愕の事実がわかってしまった。とりあえず日本がどうなってるか調べるためにこちらへ来たんだが、俺達が元いた魔王城から走ってくるのに3日ほどかかった。正確には、2日間は泳いでいた。みんな普通に着衣泳でずんずん進んで行くからびっくりしたよ。ただ、こんな無茶な真似はもうしたくない。交通機関を早くつくらないとな。
元々オーストラリアだったところから、北上していって日本に着いたのだが、2日間ほど泳いでオーストラリアにやっと着いたくらいだった。日本まで1週間はかかるだろうと意気消沈していたのだが、頭がおかしいシャルティアたんが「泳げないなら走ればいいのだー」とか言って海の上を走っていった。そんなこと出来るわけないだろ、そう思いつつも俺も走ろうとしてみた。するとどうだ。出来てしまったではないか。俺もだいぶ人間離れしてきたなと考えさせられたよ。
ちなみに、沖縄から北海道まで行って、東京に帰ってきても2時間しかかからなかった。2時間でざっと見た感じ、地球人は全然堪えていないことが分かった。普通にスマホ弄って学校休みなことを楽しんでるし、会社も大体休みらしい。それでも普通に会社行ってる人もいて、社畜は怖いなと強く思った。おそらく俺達が怖がられているほうだとは思うんだけどな。なんせ車より余裕で速く走る集団だし。
建物などはそのまま残ってるっぽいな。元を忘れたから元通りなのかはわからないけど、建物が崩れたりしているわけではなさそうだった。まあすぐに復旧出来るだろう。
そして、お金の件を考えていたのだが、少しスマホを借りて見た感じでは円やドルの値段がだいぶ変わってきていた。まだそんなに時間が経っていないのにだ。
ということで考えました。俺達は戦勝国、向こう側に拒否権はない。というかそもそも国同士のルールなんて知らん。しかも魔族領の奴らはお金の概念すらない。
「なあミツハたん、考えたんだけどさ? 俺が金発行するわ」
「はぁ? それがどれだけ大変な行為か考えたことないじゃろう?」
「そっか。じゃあ日本円を世界共通で使うというのは?」
「まあなくはないのじゃ。じゃが、どうやって平等に分けるつもりじゃ?」
「俺にいい方法がある。まずはお金を刷って魔族領、元人間領、その他に分け与える。元々お金があった地球側はそれら全てを今の価値で日本円に直す。他の国のお金は燃やそう」
「そんなこと出来るんですか、ご主人様?」
「たしかに無茶苦茶なことはしている。でも、めんどくさいし武力使ったら負けることないし」
「それはダメですご主人様! 不利益を被る人間がいるようなことをそんなに適当に決めてしまってはダメです!」
サリエル様に怒られちまったぜ。まあ、たしかにそうだよな。俺は焦っていたみたいだ。ゆっくり考えればいいんだ。
「ということで、俺には無理と諦めました魔王様、どうにかしてください」
「なんで私に頼むのよ! こっちだって忙しいんだからね!」
魔王様は本当に忙しそうに働いていた。魔王様に頼れないとなるとどうすれば……。
「なんで私に真っ先に頼らないわけ?」
「アスカさん、なんとか出来るのか!?」
「当たり前でしょ」
「ありがとう、頼むよ!」
「アスカさん魔王城の改修も頼むよ?」
「わかってるわよ、魔王様」
アスカさんと魔王様がコンビになりつつある。俺がもし敵だったら絶対戦いたくねぇ。
そして、その日から数日が経った。お金は新しく連盟が発行して、その通貨以外のお金は大体回収されていた。連盟というのは俺達が作った協力機関だ。新しく国にするつもりの残りの6ヶ国と、反対した30程度の国以外全ての国が加盟している。その30程度の国では、自国の通貨を使っていた。出来れば全部統一したいんだけどなと魔王様がボヤいていたな。
この連盟が出来たことによって、どんどん状況は整えられていった。エルフやドワーフ、ドラゴンなんかも普通の人間と同じように接するという法まで出来た。もちろん、それによって全てが変わるなんて都合のいいことは起こらないだろうけど、それでも進歩だ。
だが、その連盟でいいことばかりが話し合われたわけではない。例えば、地球領のモンスターによる被害が相次いでいることなどだ。俺達や、魔王軍がなんとか対処していて死者はまだ出ていないが、いつ死者が出てもおかしくはない。
そして、また会議が始まった。
元々オーストラリアだったところから、北上していって日本に着いたのだが、2日間ほど泳いでオーストラリアにやっと着いたくらいだった。日本まで1週間はかかるだろうと意気消沈していたのだが、頭がおかしいシャルティアたんが「泳げないなら走ればいいのだー」とか言って海の上を走っていった。そんなこと出来るわけないだろ、そう思いつつも俺も走ろうとしてみた。するとどうだ。出来てしまったではないか。俺もだいぶ人間離れしてきたなと考えさせられたよ。
ちなみに、沖縄から北海道まで行って、東京に帰ってきても2時間しかかからなかった。2時間でざっと見た感じ、地球人は全然堪えていないことが分かった。普通にスマホ弄って学校休みなことを楽しんでるし、会社も大体休みらしい。それでも普通に会社行ってる人もいて、社畜は怖いなと強く思った。おそらく俺達が怖がられているほうだとは思うんだけどな。なんせ車より余裕で速く走る集団だし。
建物などはそのまま残ってるっぽいな。元を忘れたから元通りなのかはわからないけど、建物が崩れたりしているわけではなさそうだった。まあすぐに復旧出来るだろう。
そして、お金の件を考えていたのだが、少しスマホを借りて見た感じでは円やドルの値段がだいぶ変わってきていた。まだそんなに時間が経っていないのにだ。
ということで考えました。俺達は戦勝国、向こう側に拒否権はない。というかそもそも国同士のルールなんて知らん。しかも魔族領の奴らはお金の概念すらない。
「なあミツハたん、考えたんだけどさ? 俺が金発行するわ」
「はぁ? それがどれだけ大変な行為か考えたことないじゃろう?」
「そっか。じゃあ日本円を世界共通で使うというのは?」
「まあなくはないのじゃ。じゃが、どうやって平等に分けるつもりじゃ?」
「俺にいい方法がある。まずはお金を刷って魔族領、元人間領、その他に分け与える。元々お金があった地球側はそれら全てを今の価値で日本円に直す。他の国のお金は燃やそう」
「そんなこと出来るんですか、ご主人様?」
「たしかに無茶苦茶なことはしている。でも、めんどくさいし武力使ったら負けることないし」
「それはダメですご主人様! 不利益を被る人間がいるようなことをそんなに適当に決めてしまってはダメです!」
サリエル様に怒られちまったぜ。まあ、たしかにそうだよな。俺は焦っていたみたいだ。ゆっくり考えればいいんだ。
「ということで、俺には無理と諦めました魔王様、どうにかしてください」
「なんで私に頼むのよ! こっちだって忙しいんだからね!」
魔王様は本当に忙しそうに働いていた。魔王様に頼れないとなるとどうすれば……。
「なんで私に真っ先に頼らないわけ?」
「アスカさん、なんとか出来るのか!?」
「当たり前でしょ」
「ありがとう、頼むよ!」
「アスカさん魔王城の改修も頼むよ?」
「わかってるわよ、魔王様」
アスカさんと魔王様がコンビになりつつある。俺がもし敵だったら絶対戦いたくねぇ。
そして、その日から数日が経った。お金は新しく連盟が発行して、その通貨以外のお金は大体回収されていた。連盟というのは俺達が作った協力機関だ。新しく国にするつもりの残りの6ヶ国と、反対した30程度の国以外全ての国が加盟している。その30程度の国では、自国の通貨を使っていた。出来れば全部統一したいんだけどなと魔王様がボヤいていたな。
この連盟が出来たことによって、どんどん状況は整えられていった。エルフやドワーフ、ドラゴンなんかも普通の人間と同じように接するという法まで出来た。もちろん、それによって全てが変わるなんて都合のいいことは起こらないだろうけど、それでも進歩だ。
だが、その連盟でいいことばかりが話し合われたわけではない。例えば、地球領のモンスターによる被害が相次いでいることなどだ。俺達や、魔王軍がなんとか対処していて死者はまだ出ていないが、いつ死者が出てもおかしくはない。
そして、また会議が始まった。
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