63 / 112
第1章 魔王軍VS地球軍編
第五十六話 ブレイン、アスカ
しおりを挟む
「ねぇ、この城建てた人って誰なの? あっ、人でいいのよね?」
「ああ、多分人でいいんだと思うけど、建てた人が誰かまでは……」
「それは私がお答え致しましょう。この魔王城は今からおよそ1500年ほど前、先代魔王様自らが建てたと聞いております。もちろんですが、もうこの世界にはおりません。その魔王城が捨てられているのを私共が再利用させて頂いている形となっております」
「そう……会ってみたかったわ。それにしてもいい造りね、これは私でもひとりじゃ落とせないかもね」
おっと、ひとりで魔王城攻略しようと思ってるぞ? しかも魔王城の造りが甘かったら行けると豪語していますね。相当な自信家なんだろう。実際執事さんのテレポートは見ているのにこの感想なんだからだいぶ強いんだろうな。ミツハたん同様心を読むことも出来ないし。
「なあ、めっちゃ城のこと褒めてるけど実際なにが凄いんだ?」
「あなた、そんなこともわからないの? Sランクが聞いて呆れるわね。ブレインなんて呼ばれてるけどバカじゃない」
クッ、バカだから反論できない。
「仕方ないわね。説明してあげるわ。まずあの魔王城の近くにある高く尖っている塔みたいな部分あるじゃない? あれによって雷系の魔法がそちら側に引き寄せられるの。おそらく強烈な磁場とかもあるでしょうから戦闘時には意外な伏兵となりうるでしょうね。私は引っかからないけど」
「よくおわかりですね。強力な磁場を張り巡らせるための装置があの下に埋め込まれております」
「それからあの扉ね。あれは曲者よ。強力な攻撃でもあの扉は壊せないわ。中から鍵をかけられたら他の所から登って入るか、忍び込むとかしないと入れない。そのやって攻めあぐねている間に城のあの窓から弓とかで攻撃されてしまうわ。まあ無茶苦茶な馬鹿力だったら話は別でしょうけど」
アスカさんは、シャルティアたんの方を向いて、嫌味のように最後の言葉を言った。やっぱりSランク同士でなにか思うこともあるんだろう。俺は敵意剥き出しすぎだと思うけどさ。
「わっはっはー、褒められたのだー」
シャルティアたんは華麗にスルーしていく。まあ、シャルティアたんの事だから本当に褒められたと思ってるんだろうけど。ってか思ってます。俺心読めるんで。
「このアホは放っておくとして、まだまだ色々あるけどとりあえず最後に上空、つまり飛んでくる敵対策が周到にされてあるのが素晴らしいわね。普通は陸軍が多いから陸のことばっかり考えて上空は手薄になることが多いのに、流石だわ。エルフ対策とかなのかしら?」
「そうでございますね。1500年ほど前はエルフと敵対関係にあったと聞いております」
そんなことまでわかるのかよ。アスカさん、頭脳プレイヤーだな。
「上空には地雷が置かれているわね、それも無数に。弓も上に向けて発射出来るようになっているし、上空から来て着陸出来るところを集中砲火出来るよう練られている。しかも、あれは電磁フィールドよね。向かってきた敵のみを認識して自動で発動する設定になってあるのかしら。1500年前のまま残っていたらの話だけどね。あれで機械系で上空から侵入するものを拒むと。見れば見るほど褒め言葉が上がってくるわ。だけど……惜しいわね」
「惜しいとおっしゃいますと?」
「私なら今の技術を使ってもっと良く出来る。あなた達、その辺に詳しい技術者はいないのでしょうね。まあまだ協力するとは決まっていないけど、もし協力するのならまずは守りを固めてあげるわ」
まさかの改善点まで出してきたよ!? この人本当に凄いな。
「なあ、もうそろそろ行くぞ。魔王様に会って協力するかどうか判断するんだろ?」
「わかったわよ! ちょっと興奮してただけじゃない、うるさいわね!」
おうふ、怒られた。
「待っていたよ、アスカさん。私の仲間になる気はないかい?」
「そのためにお話に来たのよ。あなたもわかっているでしょう? 私の心読んでるんだし。あっ、わかったわ。あの荒巻とかいう奴に読心術教えたのあなたでしょう?」
「よくわかったね。そういう観察眼、凄くほしい人材だな」
「それで、あなたは私に何を提供してくれるのかしら?」
「提供?」
「ええ、報酬のことよ。まさかタダ働き指せるつもりじゃないでしょうね?」
「ああ、そうか、人間は報酬なんてものがいるのか。それは困ったな。アスカさんに報酬を渡してしまうと他の者たちにも報酬を渡さなければならないけど、そんなに報酬と呼べるようなものなんて持ってないのよね、いざとなったら私がアスカさんをボコボコにして無理矢理従わせようと思っているのだけれど、どうかな?」
「へえ、そこまでは心読ませてないつもりだったんだけどね」
「読んでないよ、読心術では……ね」
「わかったわ。私はあなたを手伝う。だけど、脅威がなくなったらその後は自由にさせてもらうわよ」
「ええ、ありがとう」
うん、何言ってるかよくわかんないけどよかったよかった!
「ああ、多分人でいいんだと思うけど、建てた人が誰かまでは……」
「それは私がお答え致しましょう。この魔王城は今からおよそ1500年ほど前、先代魔王様自らが建てたと聞いております。もちろんですが、もうこの世界にはおりません。その魔王城が捨てられているのを私共が再利用させて頂いている形となっております」
「そう……会ってみたかったわ。それにしてもいい造りね、これは私でもひとりじゃ落とせないかもね」
おっと、ひとりで魔王城攻略しようと思ってるぞ? しかも魔王城の造りが甘かったら行けると豪語していますね。相当な自信家なんだろう。実際執事さんのテレポートは見ているのにこの感想なんだからだいぶ強いんだろうな。ミツハたん同様心を読むことも出来ないし。
「なあ、めっちゃ城のこと褒めてるけど実際なにが凄いんだ?」
「あなた、そんなこともわからないの? Sランクが聞いて呆れるわね。ブレインなんて呼ばれてるけどバカじゃない」
クッ、バカだから反論できない。
「仕方ないわね。説明してあげるわ。まずあの魔王城の近くにある高く尖っている塔みたいな部分あるじゃない? あれによって雷系の魔法がそちら側に引き寄せられるの。おそらく強烈な磁場とかもあるでしょうから戦闘時には意外な伏兵となりうるでしょうね。私は引っかからないけど」
「よくおわかりですね。強力な磁場を張り巡らせるための装置があの下に埋め込まれております」
「それからあの扉ね。あれは曲者よ。強力な攻撃でもあの扉は壊せないわ。中から鍵をかけられたら他の所から登って入るか、忍び込むとかしないと入れない。そのやって攻めあぐねている間に城のあの窓から弓とかで攻撃されてしまうわ。まあ無茶苦茶な馬鹿力だったら話は別でしょうけど」
アスカさんは、シャルティアたんの方を向いて、嫌味のように最後の言葉を言った。やっぱりSランク同士でなにか思うこともあるんだろう。俺は敵意剥き出しすぎだと思うけどさ。
「わっはっはー、褒められたのだー」
シャルティアたんは華麗にスルーしていく。まあ、シャルティアたんの事だから本当に褒められたと思ってるんだろうけど。ってか思ってます。俺心読めるんで。
「このアホは放っておくとして、まだまだ色々あるけどとりあえず最後に上空、つまり飛んでくる敵対策が周到にされてあるのが素晴らしいわね。普通は陸軍が多いから陸のことばっかり考えて上空は手薄になることが多いのに、流石だわ。エルフ対策とかなのかしら?」
「そうでございますね。1500年ほど前はエルフと敵対関係にあったと聞いております」
そんなことまでわかるのかよ。アスカさん、頭脳プレイヤーだな。
「上空には地雷が置かれているわね、それも無数に。弓も上に向けて発射出来るようになっているし、上空から来て着陸出来るところを集中砲火出来るよう練られている。しかも、あれは電磁フィールドよね。向かってきた敵のみを認識して自動で発動する設定になってあるのかしら。1500年前のまま残っていたらの話だけどね。あれで機械系で上空から侵入するものを拒むと。見れば見るほど褒め言葉が上がってくるわ。だけど……惜しいわね」
「惜しいとおっしゃいますと?」
「私なら今の技術を使ってもっと良く出来る。あなた達、その辺に詳しい技術者はいないのでしょうね。まあまだ協力するとは決まっていないけど、もし協力するのならまずは守りを固めてあげるわ」
まさかの改善点まで出してきたよ!? この人本当に凄いな。
「なあ、もうそろそろ行くぞ。魔王様に会って協力するかどうか判断するんだろ?」
「わかったわよ! ちょっと興奮してただけじゃない、うるさいわね!」
おうふ、怒られた。
「待っていたよ、アスカさん。私の仲間になる気はないかい?」
「そのためにお話に来たのよ。あなたもわかっているでしょう? 私の心読んでるんだし。あっ、わかったわ。あの荒巻とかいう奴に読心術教えたのあなたでしょう?」
「よくわかったね。そういう観察眼、凄くほしい人材だな」
「それで、あなたは私に何を提供してくれるのかしら?」
「提供?」
「ええ、報酬のことよ。まさかタダ働き指せるつもりじゃないでしょうね?」
「ああ、そうか、人間は報酬なんてものがいるのか。それは困ったな。アスカさんに報酬を渡してしまうと他の者たちにも報酬を渡さなければならないけど、そんなに報酬と呼べるようなものなんて持ってないのよね、いざとなったら私がアスカさんをボコボコにして無理矢理従わせようと思っているのだけれど、どうかな?」
「へえ、そこまでは心読ませてないつもりだったんだけどね」
「読んでないよ、読心術では……ね」
「わかったわ。私はあなたを手伝う。だけど、脅威がなくなったらその後は自由にさせてもらうわよ」
「ええ、ありがとう」
うん、何言ってるかよくわかんないけどよかったよかった!
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる