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第18話
国王からのプレゼント
しおりを挟む「もちろんですよ。おふたりに感謝の気持ちを込めて、勝利殿が本当に目標達成をするための『近道』となるあるものを差し上げようと思っているのですが、受け取ってもらえますか?」
「俺の目標を達成するための『近道』になるモノ。もちろん!是非いただきたいです!」
「それは一体?」
香音は首を傾げた。
「喜んでもらえるはずですよ。」
国王は優しく笑顔で言った。
「めっちゃ気になります!」
香音は目をキラキラ輝かせている。
「実はね、私のコレクションのひとつなのですが。論より証拠、今からお持ちしますので、少々お待ち下さいね。」
「はい、分かりました。」
勝利は親指を立てて言った。
そして、国王は部屋を出て行った。
国王が戻ってくるのを待っている2人。
「一体何がもらえるんだろう?俺の目標を達成できる物。確かに王様の言う通り、魔手だけで俺の目標の達成はできないよなぁ。」
「そう言われればそうですね、先輩の目標を達成するにはかなり時間もかかりますもんね。」
「たしかに!なぁマッくん、ピーちゃん、王様のコレクションってなんだか知ってる?」
「ううん、お父様のコレクションは誰も知らないはずだよ。だからそれを勝利にあげるってめちゃくちゃ凄いことだよ。」
「私も詳しくは存じ上げませんが、坊ちゃんの仰る通り、カツ殿、これは凄いことですよ!それだけはご理解下さいね!」
「う、うん。そんなに凄いことなんだ。分かったよ、ありがとう。」
すると、扉が開き国王が戻って来た。
「いやいや、お待たせしました。さぁ持って来ましたよ。」
国王は小さな宝箱のようなモノを持ってかいる。
2人はワクワクとした気持ちで目をキラキラ輝かせている。
「さぁ、この宝箱の中に入っていますので、早速開けていきますね。」
その宝箱には鍵穴のような穴は無く、丁度鍵穴があるべき場所に丸くて黒い物体が付いている。
すると、国王はその丸くて黒い部分に人差し指をピトっと触れた。
というよりも、爪を刺したようにも見える。
すると、ガチャッという宝箱のロックが外れる音が聞こえた。
「おっ!開いた!」
勝利は思わず声が漏れた。
ワクワクとした嬉しそうな表情をしている。
「これはいわゆる、指紋認証のようなロック解除方式なんでしょうね。」
香音がそう言うと
「この宝箱は爪認証で開きます。」
「ヘェ~!!爪で?おもろ!」
勝利は驚いたと同時にその宝箱に興味深々になっている。
「面白いですね!初めて聞きました、爪認証ですかぁ!」
香音がそう言うと
「私たちはカギ爪で開けるんですよ。」
国王はそう言いながらゆっくりと宝箱の蓋を開けた。
そして、中を覗くと何か白いモノが見えてきた。
国王はそれをそっと取り出した。
「王様、これは一体何ですか?」
香音がそう国王に聞いている最中
「俺この、爪で開く宝箱が欲しいわ~。」
勝利は、中身よりも宝箱に夢中だった。
「先輩!もう、何やってるんですか?こっちに興味を持って下さいよ!」
香音は半笑いで呆れた表情をしている。
「あ、ごめんごめん。だって爪でカギ開けれたらカギ失くすことなくなるじゃん?俺よくカギ失くすからさ。便利だなぁ~って思って。」
「確かにそうですけど、先輩は美容師なんですから爪伸ばせないでしょ?これはこの世界の方たち専用の宝箱箱なんですよ?
そうですよね王様?」
「香音さん、流石ですね。その通りです。私たちにはカギ爪がありますから自在に必要な時に出し入れできるのでこう言う事に応用しています。」
「そっか~、残念。」
勝利はしょんぼりしている。
「でも勝利さん、宝箱の方に興味を持ってくれて嬉しいですよ。なかなかそういう方はいませんよ。あなたは素晴らしい価値観と観点をされていますね。」
「いや~、それほどでも~。」
勝利は一気に気分が上がった。
「それで王様、こちらは一体何なんですか?」
「これは私の大切に保管していたコレクションのひとつで、【ゴッドハンド】という手袋です。」
「ゴッドハンドですか?要するに神の手ですか?」
「ええ、このゴッドハンドを両手に装着するだけで、ありとあらゆることが出来るようになります。」
「ゴッドハンド!!めっちゃ良いじゃん!!」
「勝利さんにこのゴッドハンドを差し上げます。あなたにはすでにマジックハンドで得た力が備わっています。
それがこのゴッドハンドを使用できる必須条件ですので、あなたにはこのゴッドハンドを使用する権利があります。
どうか、あなたの夢を叶えるために大切に使用して頂ければ幸いです。
必ずあなたの夢は成就するでしょう。」
王様はそう言うと、勝利にゴッドハンドを手渡した。
「ありがとうございます!王様!大切に使わせてもらいます!そして必ず俺の夢、トップスタイリストになってみせます!!」
「ええ、武運を祈ってますよ。息子の事ありがとうございました。あなた方に会えた事、感謝致します。」
王様はそう言いながら深くお辞儀をした。
「こちらこそ、何から何までありがとうございました!めちゃくちゃ楽しかったし、また遊びに来ても良いですか?」
「ええ、もちろん。マックも喜びます。」
王様とマックは笑顔で顔を見合わせた。
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