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通り魔

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彼の話。

『彼は 医者であり
様々な手術方法を編み出しました。
それにより、
治療法の確立していない
多くの患者が救われました』

眼鏡をかけた女の人が言い終えると
私の前の男の人が
『良い奴じゃないか。
なのに、
今は腹部を刺され
生死の境を彷徨ってるなんて…』と
言葉を返した。

資料によると
眼鏡をかけた女の人が言ったように
彼は様々な手術方法を確立し
多くの患者を救った人物だった。

けど、
その裏側では
彼をよく思ってない人が立てた
根も歯もない噂が流れていた。

例えば、
彼は秘密裏に人身売買をしていて
新しい術式の練習ように
人を買ってるとか…

『有名人だから刺されたのかな?』

マシュマロヘアーの女の人が言うと
男の人が『いや、
その考えは怖えよ』と言った。

『えぇ~けど、
私が生きてた頃に
芸人さんがファンに刺されて
病院送りにされたって有名な話があるよ。
その人、
炎上商法?って言うのを
毎回やってたみたいで
殺害予告なんかもされてたって…』

マシュマロヘアーの女の人がそこまで言うと
眼鏡をかけた女の人が
『殺害予告って おおごとですね…。
そう言えば、
芸人さんではありませんが
私が生きてた頃には
海外で有名なアーティストが
子供を殺したって話題になり
それから数ヶ月後に
毒殺されるって事件がありました』と
言葉を返した。

『何にしても
彼が誰かに刺された事は
間違いなさそうだな』

スキンヘッドの男の人が言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『う~ん、
悪いことしてなくて
沢山の人を救ってるのに
どうしてなんだろう…』と呟いた。

『沢山の人を救い
人が良さそうな顔つきだからって
優しいとは限らない。
笑いながら
他人を傷つける言葉を吐く人もいれば
怖そうな見た目だけど
虫も殺せない優しい人だっている』

スキンヘッドの男の人が言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『うん…見た部分だけじゃないんだよね。
ここに来てから嫌ってほど経験したから
わかってるつもりだったけど
やっぱ信じたくないな…』と言った。

沢山の半死者の生き死にを見て
私もマシュマロヘアーの女の人と
同じことを思ってる。

けど、
思えば思うほど
その逆のことが起きる。

そんな事を考えていると
少女が『けど、
彼の本音は資料に
書かれてないしわからないよ?』と言った。

『確かに。
どう思ってたかと
何を考えていたかは違うからな』

男の人が言うと
私が『思っていたかと
何を考えていたかは違う?
それってどういうこと?』と言った。

『う~ん、
口に出ることと
行動していることが違うというか…。
例えば、
悪人でも悪意100%の悪人はいないな。
ここから考えると
善人も優しさ100%の善人はいない。
何か行動をする時、
善か悪かじゃなく
どちらの割合が多いかだけだ』

男の人が言った。

わからなくもない。

そういえば、
私が生きてた頃に
「白と黒だけで塗られた画用紙、
それがこの世界です」って
誰かが言ってたっけ…。

『まぁ、
色で例えるなら
世の中は白黒じゃなく灰色だろうな』

スキンヘッドの男の人が
私の心を見透かしたように言うと
アンジェラアキ風の女の人が
『確かに。
「人は
産まれながらの黒は無いし
産まれながらの白も無い」って
学生時代の数学の先生が
よく言ってたよ』と言った。

『はい、
少し脱線してるので
話を戻します』

眼鏡をかけた女の人が
手を叩き言うと
全員が眼鏡をかけた女の人の方を見た。

『えっと、
彼がなんで刺されたかだけど…
関係あるかわからないけど
資料の25ページ目を見てくれ』

ギャル男がそう言うと
資料を25ページ目まで捲った。

『違法臓器移植手術について?』

私が資料に書かれたページを読むと
スキンヘッドの男の人が
『臓器移植って…
あの臓器移植か?』と言い
ギャル男が『うん。
彼についての噂に
彼は 違法臓器移植集団との関わりがあるって
15ページ目の下部に書かれてたけど
関係無いなら
なんで資料に
違法臓器移植のことが
書かれてるのかなって…』と言った。

『違法臓器移植って言うと
確か、
日本じゃ1997年に
臓器移植に関する法律によって
臓器の売り買いが禁止されてるはずだ。
確か 違反者は
5年以下の懲役 または
500万円以下の罰金に処されるはずだ』

スキンヘッドの男の人が言い終えると
アンジェラアキ風の女の人が
『う~ん、
なんというか複雑な気持ちだな…
この法律…』と言った。

『うん?
どういうことだ?』

スキンヘッドの男の人が言うと
アンジェラアキ風の女の人が
『うん…やっぱりなんでもない』と言い
スキンヘッドの男の人が首を傾げていると
男の人が
『違法臓器移植って
臓器移植なんだよな?
お金で臓器を
買うのはいけないことなのか?』と言った。

『もちろん、
悪いことだ。
まぁ、
法律が定められた
日本の状態にもよるが
悪い人からすれば
もしこの法律が無ければ
他人の臓器を
売り捌いたり出来るようになる訳だし…』

スキンヘッドの男の人がそこまで言いかけて
マシュマロヘアーの女の人が
『うわぁ…
なんて無法地帯…』と呟いた。

確かに…
想像したらすごく怖いかも…

『まぁ、
それ以外にも
この法律が無くなったらって思うと
いろいろな可能性が考えられる。
例えば、
臓器の販売により
臓器待ちの患者が助かるとか…』

スキンヘッドの男の人が言うと
眼鏡をかけた女の人が
『けど、
そうなったらお金持ちしか
助からなくなりそうですね』と言った。

『あぁ、
その通りだ。
人間の臓器の値段は
ドル計算だが
心臓が 30万ドル
すい臓が 5万ドル
肝臓が 15万ドル
肩と手がそれぞれ 500ドル
骨髄なんかは
1 g あたり 2万ドルと言われてる。
そうだな…
その他の臓器や血液を全部合わせると
3000万ドルを超えるらしい』

スキンヘッドの男の人が言い終えると
マシュマロヘアーの女の人が
『3000万ドルって…
なんか複雑かも…』と言った。

『人体の値段はさておき
彼の周りで囁かれた
彼への噂は本当なんでしょうか?』

眼鏡をかけた女の人が言うと
資料を読んでいた茶髪の女の人が
『ちょっと、
ここを見てください』と言って
持っていた資料を
全員に見えるように広げた。

『うん?
「かつて 救えなかった少女へ
花を手向ける◯◯医師。
どんな患者も必ず助ける
神の手は 
1人の少女の犠牲によって…」
なんだこれは…?』

資料のページには
雑誌の切り抜きが貼られていた。

『犠牲になった少女って?』

私が言うと
眼鏡をかけた女の人が
『関係あるかわかりませんが
10ページ目を見てください』と言い
私は持っていた資料を捲った。

そこには、
患者のカルテの一部が貼り付けてあった。

『花井 真依?誰だ?』

男の人が言うと
子供が『患者だろ?
歳は8歳で…うん?
医者記入欄の
執刀医名に彼の名前が書いてある。
えっと、
患者の病名は…』と言い
スキンヘッドの男の人が
『白血病…リンパ腫…神経芽腫って
これは小児がんだ』と言った。

『小児がんって
前までは 不治の病って呼ばれてたあの?』

私が言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
そんな風に呼ばれていた事もあったな。
俺が亡くなる前には
70%から80%の
確率で治る病って言われてたが…』と言った。

『カルテの患者が亡くなった少女なら
彼はこの少女の小児がんを
治すことが出来なかったことになるが
どうなんだ?』

男の人が言うと
眼鏡をかけた女の人が
『可能性は高いと思います』と言った。

『私も同じ意見。
この少女が記事の少女だと思う』

私がそう言うと
少女が立ち上がり
私の方を見て
『お姉ちゃん、
感じ方はわからないけど
1人の犠牲の上に
万人を助けられるのが英雄なの?』と
言った。

万人を助けられるのが英雄なの…違うと思う。

けど、
エリスは私に
何かを伝えようとして言ったと思う。

だから、
違うってだけじゃ
答えじゃないかも…。

そんな事を考えていると
マシュマロヘアーの女の人が
『わからないけど…
わからないけど 私は
彼が行ったことは
悪い事じゃないと思う』と言った。

『どう言う意味だ?』

スキンヘッドの男の人が言うと
マシュマロヘアーの女の人は
『わからないけど…
「人は沢山の犠牲の上に立つ動物だ」って
国語の溝口先生が言ってた。
犠牲になった少女には悪いことを言うけど
その償いとして
多くの人を助けてるとしたら…』と
そこまで言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
考え方はわからなくないな』と言った。

『俺はそう思わないけどな』

子供がそう言うと
持っていた資料を捲り
あるページを開いて
『本当に人助けがしたかったなら
なんでこんな法外な値段の治療費を
患者に請求してんだ?』と言い
開かれたページを全員に見せた。

『なっ!?これって…』

そのページには、
一度の治療で患者に
数千万近くの請求していたことが
書かれていた。

『保険適用外って…
患者は金持ちだけか?』

男の人が言うと
子供は『ちょうど
少女が亡くなった
5年後からこんな値段だ。
やっぱり、
彼は金を基準に
命の選別を行ったんだろう』と言った。

5年後からの治療費の増額…

少女を助けられなかったこと…

命の選別…

何かが噛み合う気がして
私は子供に『違う』と言った。

『出たな!!
生きて償え魔!!』

子供が私に言うと
私は『うん、
別に生きて償え魔で良いよ。
ただ、
彼は金持ちだけを助ける為に
治療費を増額して
命の選別を行った訳じゃない』と言った。

『はぁ?
じゃあ、
なんでこんな法外な金額なんだ?』

子供がそう言うと
私は『よく見て。
彼の病院は
法外な治療費の所為か
患者が1人もいない』と言った。

『そんな訳…なっ!?
ベッドがほとんど埋まっていないだと!?』

資料を見直し言う子供に
私が『病院のベッドは
慈善団体に貸し出していて
そのお金は恵まれない子供達に
寄付していたみたいだよ』と言った。

『バカな!?
そんな事をしたら
病院が運営出来ないだろ!!』

子供が言うと
私が『だからだよ。
彼は違法と知りながらも
様々な病院と繋がり
どんなに難しい手術も成功させてきた。
もちろん、
その思いの大部分は
小児がん手術を失敗してしまい
花井 真衣さんを死なせてしまったこと。
…彼はとても優しい人だよ』と言った。

『じゃ…じゃあ、
根も歯もない噂はなんなんだよ!?
それに彼が半死したのは
刺されたからだろ!?
それはどう説明する気だ?』

子供が言い終えるのを待ってたのか
スキンヘッドの男の人が立ち上がり
『噂の事だが
ここを見てほしい』と言って
持っていた資料のあるページを
全員に見えるように開いた。

『うん?
「N記者が語る
◯◯病院の噂」?』

男の人が言うと
スキンヘッドの男の人が
『あぁ、
根も歯もない彼の噂だが
どうもこのN記者と呼ばれてる
胡散臭い雑誌記者が書いたものらしい。
N記者の事だが
このページの下部に
芸能人の根も歯もない噂を書き
雑誌の信用を落としたり
スポーツ選手のインタビュー中に
事前に聞いてはいけないとされてる質問を
本人に言って 怒らせるなど
様々な問題を起こしてたようだ。
噂の信憑性は…0だな』と言った。

『なっ…じゃあ、
そんな良い人間のはずの医者が
どうして刺されて半死してんだよ?』

苦し紛れなのか子供がそう言うと
私が『それはわからない』と応えた。

『はぁ?
わからないってなんだよ?』

子供がそう言うと
私は『わからないけど…
どんな良い人も
黒い部分を持ってるし
悪い人だって
白い部分を持ってる事もある。
100%恨みを買わずに
人生を大往生する人はいない。
もしかしたら、
彼の考えを好かない人が
彼を刺したのかも…』と言った。

『そんなの…』

子供が言いかけて
眼鏡をかけた女の人が手を叩き
『そこまで。
後は、
採決で決めましょう』と言った。


それからしばらくして
通り魔に刺され
通りで蹲っていた彼は
たまたま通りかかった通行人に発見され
近くの病院に救急搬送された。


『お姉ちゃん、
お疲れ様』

その様子を見ていた少女が
私の方を向き言った。

『みんな 談話室に行ったから
誰も聞いてないよ?』

私がそう言うと
念の為と周りを見回し
『はぁ…お疲れ様 エステル。
ところで、
誰にも名前を教えてないわね?』と言った。

『うん。
あっ…1人だけ教えたかも』

私がそう言うと
少女が『はぁ?
あれだけ簡単に名前を教えないことって
言っておいたのに…誰に教えたの?』と
少し怒り口調で言った。

『えっと…
煉炭殺人の時に居た…えっと…
名前は…』

私がそこまで言うと
少女が
『レイナ…』と呟いた。


救急搬送された彼の腹部は
傷口から刃渡り
17cmくらいの刃物で刺されていて
出血が酷く すぐに緊急手術が行われ
なんとか一命を取り留めた。

「ここは…」

病室のベッドの上で目を覚ますと
お腹の手術痕を見て
なんとなくだが状況を理解した。

「そっか…やっぱりあの時のは
真衣さんのお父さんだったのか…」

かつて俺の最初に受け持った患者に
花井 真衣と言う少女がいた。

彼女は小児がんで
症例に見たことないほど
がんが全身転移しており
俺以外の医者はみんな
彼女は助からないって見捨ててた。

けど、
俺は…俺だけは
最初の患者という事もあって
見捨てることが出来ず
彼女と約束をした。

「大丈夫。
必ず 君を治すから…。
治ったら好きなだけ
絵を描くと良い」

彼女は嬉しそう笑ってた。

けど、
がんは俺の予測以上の速さで
彼女を苦しめ…彼女は助からなかった。

彼女の父親は、
俺の顔を見るなり頬を殴り
「1人娘だったんだぞ!!
どうしてくれる?」と
泣きながら首元を掴みかかり
同僚が止めに入り
その時に
「いつか、
おまえを殺してやる」と言っていた。

その時 彼女の母親は
泣きながらずっと娘の名前を呼んでいた。

俺は…ただ謝ることしか出来なかった。

同僚達は
『おまえが悪い訳じゃないから気にするな』
なんて言ったけど
それからもずっと俺は
救えなかった彼女が亡くなる直前に言った
「先生…ありがとう…」って声が耳に残り
一層無力な自分を恨み続け
ある時 彼女のお墓に行き
彼女に約束をした。

「2度と救えない命を作らない」と。

それから俺は
病院を改革し
医者のあり方を考え行動を起こした。

2度と救えない命を作らない…

腕が無力なら
それだけの技術を学べばいい。

法で救えない命なら
その法を破ればいい。

苦しむ患者のためなら
医者は時に
神にもならなければいけないんだ。

…だから、
父親に刺されたことは当然な報いだ。

彼女を救えなかった俺が全て悪い。

上半身を起こし
そんな事を考えていると
白衣を着た医者が入ってきた。

「おや?
神崎先生ではありませんか。
どうされたんですか?」

「あぁ…
ちょっと馬鹿やらかしちゃって…」

医者は傷を見るなり
俺の顔を見て
「無理しないでください」と言った。

「えっ…」

「根も歯もない噂は聞いていますが
私は 神崎先生が
そんな医者だとは思ってません。
それに、
神崎先生がうちの病院に
執刀医として来てくれた時に
あなたは私に言ってくれましたよね?
「医者は
最後まで諦めちゃダメなんだ」って。
何があったかは
神崎先生が話してくれるまで
無理に聞いたりしません。
けど、
もし私で力になれるなら
どうぞ 話してください。
主治医ではありませんが
あの時 神崎先生に教わった生徒として
私はあなたを諦めませんから」

そう言うと
医者は鼻歌混じりに
今朝の星座占いの話をして
ご機嫌に出て行った。

「はぁ…もっと頑張らないとな…」




~~~通り魔~~~

END
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