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「やっぱり美味しい、あの日と同じだ」

彼の作ったアクアパッツァは、優しい味がしていた。
合わせる白ワインも、高価なものじゃ無い。
あくまでも料理に、合った物を選んでいた。

「パスタを作ろうかなって思ったけど、君が焼いてきたパンと合わせる事にしたんだ」

さり気なく褒めてくれる。

「君といると、いつも美味しいものが食べられる」
畳み掛けてくる甘い言葉が、心地良い。

「佑樹さんが褒めてくれるから、頑張れる」
私は思ってることを口にした。
溜め込みと、録なことがない。
爆発するのも厭わない、そんな覚悟が出来ている。

「愛してる。ずっと一緒に居たいんだ」

「ありがとう、私だって一緒に居たいよ」
私が言うと、彼が私の手を取った。
立ち上がって、私の方に来た。
抱き寄せられて、キスをしてくる。
私は受け入れて、キスを返した。

「今のキスで、俺たちは婚約した。
ベッドで確認しよう」
いちいち言葉が大げさだ、でも今は溺れよう。

色気のないお散歩スタイル、トレーナーにスカートだった。
脱がされて、裸になる。
私も、彼のスポーツウェアを脱がせた。
黒のアンダーウェアになった彼は、肩や胸筋が盛り上がり精悍な男になっていた。

「随分、鍛えたのね」

「これぐらいが、ベストかな」
そう言って、抱きしめてキスされる。
ベッドに誘われて、横になった。

「綺麗だ、紗栄子ほど俺を刺激する女はいない」

「グラビアアイドルには、勝てないわ」

「スタイルが良いだけのお人形には、何の興味もない」

「でも抱いたんでしょう?」

「1回だけだ、あれで日本の女に興味が無くなった」

「じゃあ、何で私を抱いたの?」

「日本人とか、外人とか関係なく、俺の天使に出会ったからだ。
君が誰のものであろうと、奪うつもりだった。
それをやっと手にしたんだ。
俺がどれだけ嬉しいか、証明して見せるよ」
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