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「久しぶり、元気にしているみたいね」
到着ゲートから出てきた母は、大きなキャリーケースを引いていた。
私と祐樹さんで、出迎えた。
彼が母の荷物を引いて、品川に向かう。
夕食は、予約しておいた中華料理だった。
「二人は、仲良くしてる?」
母が真正面から聞いてきた。
「今、将来に向けて、お試し同棲中です」
祐樹さんが答える。
「ずいぶん慎重なのね。
前回が勢いだけだったから?」
辛辣に聞いてきた。
「2度目になれば、慎重になるわ。
真面目に、将来を考えてるの」
料理が、運ばれて来た。
食事をしながら、勉強会のスケジュールを確認する。
場所はベイリー夫妻が住むマンションで、和室のゲストルームを借りていた。
友人のアメリカ人女性二人とエヴァリン、通訳の亜紀が生徒だ。
母が指導して、私が助手を務める。
「紗栄子が書いた着付けのマニュアルを、英文にしました」
母がメンバーの身長と年齢を書いたメモを見ている。
多分、長身の外国人女性の着丈を考えているようだ。
「紗栄子の浴衣は、新しいのを作ってきた。
もうお嬢さんの着るようなものは、卒業でしょ」
母は着物の事になると、本気だ。
あの荷物も、明日からのイベントに備えてのものだろう。
「一度、紗栄子の地元にいらっしゃらない?」
母が彼を誘った。
「彼女が了解してくれたら、ご挨拶に伺いたいと思ってました」
彼は、母の質問にちゃんと向き合った答えをしていた。
食事が終わって、タクシーで母と私の部屋に帰った。
母をお風呂に入れて、お酒の用意をする。
鯖の水煮缶を使って、青ネギ、梅干し、生姜を乗せてポン酢をかけた。
ビールと一緒に、出す。
「これで、飲んでて」
そう言って、私は風呂に入った。
到着ゲートから出てきた母は、大きなキャリーケースを引いていた。
私と祐樹さんで、出迎えた。
彼が母の荷物を引いて、品川に向かう。
夕食は、予約しておいた中華料理だった。
「二人は、仲良くしてる?」
母が真正面から聞いてきた。
「今、将来に向けて、お試し同棲中です」
祐樹さんが答える。
「ずいぶん慎重なのね。
前回が勢いだけだったから?」
辛辣に聞いてきた。
「2度目になれば、慎重になるわ。
真面目に、将来を考えてるの」
料理が、運ばれて来た。
食事をしながら、勉強会のスケジュールを確認する。
場所はベイリー夫妻が住むマンションで、和室のゲストルームを借りていた。
友人のアメリカ人女性二人とエヴァリン、通訳の亜紀が生徒だ。
母が指導して、私が助手を務める。
「紗栄子が書いた着付けのマニュアルを、英文にしました」
母がメンバーの身長と年齢を書いたメモを見ている。
多分、長身の外国人女性の着丈を考えているようだ。
「紗栄子の浴衣は、新しいのを作ってきた。
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食事が終わって、タクシーで母と私の部屋に帰った。
母をお風呂に入れて、お酒の用意をする。
鯖の水煮缶を使って、青ネギ、梅干し、生姜を乗せてポン酢をかけた。
ビールと一緒に、出す。
「これで、飲んでて」
そう言って、私は風呂に入った。
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