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変化 1

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「お姉様、みんなに食器を差し上げたそうですね」

柊木麻未が、私に聞いてきた。
どうやら、自分も欲しかったらしい。

「自由が丘のお嬢様が、喜ぶようなものは無かったよ」

「お姉様から頂けるなら、何でも良かったんです」

「じゃあ、マグカップをあげる」

「ホントですか?」

「麻未が欲しがったらあげようと思って、取っておいた」
私を見て、眼をキラキラさせている。

「今回は、一人暮らしの子たちにあげたかったの」

「分かってます」
麻未は、強くなった。
私の目を真っ直ぐ見て、話すようになっている。

放課後、アルバイトをしているカフェのエリアマネージャーと面談した。
12月で、退職すると告げる。
今後、企業実習や学園祭、更に3月は一ヶ月の長期実習がある。
学校優先するためには、仕方が無い。
12月の何日に辞めるかは未定だが、年内で辞めることは了解してもらった。

火曜日の選択実習の後、高代佑樹のところに行った。
水曜日が祭日なので、お泊りする。
今週末は生理前なので、家でゆっくりしたい。
でも逢いたい気持ちが、今日ここへ足を向かわせた。

「たまには、贅沢な外食でもするか?」

「ちゃんとした服を着てないからいいよ。
スーパーで買い物しよう、私が作るから」

材料を見て回ると、ブランド鶏肉がある。
普通の2倍、いいお値段だ。

「水炊き、食べる?」

「多分、食べたことない」

「じゃあ、決まり」
手羽とモモ肉をカゴに入れて、野菜を選んでいく。
豆腐は、ちょっとお高めの品にした。
贅沢したつもりでも、3,000円でお釣りが来る。

彼の部屋にある一番大きい鍋で、手羽を炊く。
長ネギを入れて、沸騰している鍋を1時間火にかける。

やっと、白濁したスープが出来た。

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