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「今日の実習、どうだった?」

出来上がった丸パンと、家から持ってきたサラダでお昼ご飯にした。

「自習で一緒の連中だから、チームが選べなくても変わらない」
武尊は、普段通りだった。

「女の子3人に囲まれると、やり難い」
稜也は男子と組みたいようだ。
麻未の先行きは厳しい。

「伊桜君が黙々とやるから、静かだった」
麻未は、もっと和気あいあいとやりたいようだ。

「お姉様はどうでしたか?」

「柳田さんは最初から自習に来てたから、平気だったよ」

「彼女、姉さんに憧れてるから」
いきなりの発言にビックリだ。

「武尊、何で知ってるの?」

「麻未が羨ましいって、前に言ってた」
私は、年下女子にモテるらしい。

午後の講義が終わって、バイト先のカフェに出勤する。
控室で賄いを食べていると、今日のメンバーが集まって来た。
女子大生と専門学校に通う男子、私の3人でフロアを切り盛りする。
19時過ぎ、アルコールの提供時間が始まった。

「八神さん、お気に入りが来てますよ」
別に私のお気に入りでは無いが、向こうが私をお気に入りのようだ。

「いらっしゃいませ、注文はお決まりですか?」

「スパークリングワインと海老のアヒージョを、お願いします」
注文を繰り返して確認する。

「かしこまりました」
端末で、キッチンにオーダーを流した。

「あの人、私たちが注文取りに行っても、決まったら呼ぶって言うんですよ」

「お客様の噂話はしないの」
軽く注意する。

出来上がった料理とワインを運んだ。

「ありがとう」
一言、言葉を添えられるだけで、いい人に見える。
何をしている人なんだろう、気になってしまった。


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