女難の男、アメリカを行く

第２章 Freshman

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Welcome Week ２日目、2,500人の新入生を迎えたHelen Stephens Arenaでは学長の歓迎スピーチから始まった。
来賓の挨拶が続いた後にマーチングバンドの演奏があり、チアリーディングチームが登場して歓迎のパフォーマンスをした。
GO ! ELK、GO ! ELK のCall＆Responseで盛り上がる。

セレモニーが終わると、大会議室に移動してUniversity Policeから大学内の安全について説明がある。
麻薬やドラッグ、銃犯罪、その他の犯罪行為についてのレクチャーがあり、通報システムについて説明があった。
事件、事故、大学内への不法侵入の際には、学生専用アプリによって一斉通報される。
大学内は基本的に安全だが、夜間などは自分で危機管理することが強調された。
ここがアメリカだということを再認識させられる。

ランチは、屋外でバーベキューだ。
芝生広場に多くのテントが並び、グリルで焼かれる肉やソーセージを受け取る。
チームのシートが拡げられている場所に座ると、女性たちが隣に来た。

「Amato、楽しんでる？」

「ああ、本場のバーベキューを喜んでるよ」
他の学生も集まって来て、メンバーは揃ったようだ。

「今日は、キャンパスツアーをする。
トレーニングジムや図書館、国際センター、学生会館などを訪問して利用方法を学んでくれ」
オリエンテーション委員のJack先輩が、今日のスケジュールを発表した。
俺は３カ月前から居るので判っているが、引っ越してきたばかりの学生には大事な行事だ。

さっき声を掛けてくれたValerieヴァレリーとClariceクラリスに挟まれて歩く。
チームで1，2を争うくらいの美人二人に構われると、他の男子の眼が怖い。
エブリバディアップでキャプテンを務めたCarlyleカーライルを巻き込むことで、男の嫉妬をかわす。
４人でいると周りの男１人と女性２人が一緒になって、グループが出来上がる。
最初の訪問先、Bowman Athletic Centerに到着した。

「Amatoはスポーツしてたの？」

「日本では武道が必修だった、俺は剣道を選択してたよ。
ケガをしないように防具を着けて、竹刀で撃ち合うんだ」

「Japanese　Samurai？」Carlyleは興味深そうだ。

「自分の身は守れるよ、銃には勝てないけどな」
常駐トレーナーからトレーニングについて話を聞いた後、館内を回ってみんなが設備を確認をしていた。
Barbara Ann Cochran図書館では利用方法や開館時間、自習室の使用など説明を受ける。
Odin学生会館に行くと、学業、生活面、精神面のサポートがあることが強調されて、いつでも相談して欲しいとカウンセラーから念押しされた。