33 / 135
第2章 Freshman
8
しおりを挟む
実は、大学に入学する1カ月前にSexual Assault Prevention for Undergraduates(大学生向けの性的暴行防止)というオンライン講座の受講案内が着ていた。
SAPUは全米2,000以上の大学が使用しているオンライン講座で、JUWの新入生は2回の受講が義務づけられている。
内容は、キャンパスでの性差別、性的暴行、恋人関係の暴力、セクハラ、避妊方法、LGBTQへの偏見、ストーカー行為などの数々のシナリオを読む又は映像で視聴し、問題にどう対処するかを選択肢から選んでいく。
このコースを受けることによって自分の間違った性知識や認識が明らかになり、それがどう人を傷つけ、人との関係の影響が出るのか考えさせられる。
そして性差別や性的暴行に繋がるのかが学べ、健全な人間関係はどうやって築けるのか等の役立つ知識を知ることが出来るようになっていた。
****
Welcome Week 初日は、指定された会場に向かいプレースメントテストを受ける。
英語と数学の2科目で、結果が履修登録に反映されるので気が抜けない。
数学は拍子抜けするほど易しい、日本の高校で理系進学コースだったのが幸いした。
ただ英語はあれだけ語学学校で鍛えられても、やはり難しかった。
試験が終わるとID番号別に小グループに分けられる。
先輩学生2名と新入生15人でチームを組んで、ランチミーティングから始まった。
「今日から3日間、チームで行動して仲間を作って欲しい。
俺たちはその手助けをする為にいるんだ、何でも聞いてくれ」
オリエンテーション委員のJack先輩が挨拶をして、みんなに呼び名と出身地を言うように促した。
「Amatoと呼んでくれ。日本から来た、よろしく」
最初に挨拶をして、チームの仲間をチェックする。
15人のうち11人が白人だ、考えていた以上に多い。
残りは黒人の女とヒスパニックの男、アジア系の女性だった。
留学生は俺一人、もう開き直るしかない。
最初のアクテビティは、エブリバディアップ。
15人が輪になって座り、肩を組んで地面に手をつかずに立ち上がる競技だ。
20チームのトーナメント戦で、上位に入るとミールクーポン(学食で使える電子マネー)が貰える。
どんな競技でも熱くなるのがアメリカ人。
すぐにキャプテンに立候補した男 、Carlyleを中心にチームを纏める。
俺たちは順調に勝ち進み、順位決定戦まで進出して見事3位。
一人30ドルのミールクーポンを勝ち取った。
夕食もチームのみんなで食べる。
白人が多いのは近隣の州から来ているからで、南部の州ほど黒人や中南米の人間はいないようだ。
逆に、日本人が何でこんな所に留学して来たんだと聞かれる。
「日本人だけじゃなく、アジア人すら少ないからここに来た。
精一杯、偉大なアメリカの田舎を楽しむつもりだ」
自分が思っている事が、素直に言葉になった。
「田舎は間違いない」と誰かが言って、みんなが笑った。
SAPUは全米2,000以上の大学が使用しているオンライン講座で、JUWの新入生は2回の受講が義務づけられている。
内容は、キャンパスでの性差別、性的暴行、恋人関係の暴力、セクハラ、避妊方法、LGBTQへの偏見、ストーカー行為などの数々のシナリオを読む又は映像で視聴し、問題にどう対処するかを選択肢から選んでいく。
このコースを受けることによって自分の間違った性知識や認識が明らかになり、それがどう人を傷つけ、人との関係の影響が出るのか考えさせられる。
そして性差別や性的暴行に繋がるのかが学べ、健全な人間関係はどうやって築けるのか等の役立つ知識を知ることが出来るようになっていた。
****
Welcome Week 初日は、指定された会場に向かいプレースメントテストを受ける。
英語と数学の2科目で、結果が履修登録に反映されるので気が抜けない。
数学は拍子抜けするほど易しい、日本の高校で理系進学コースだったのが幸いした。
ただ英語はあれだけ語学学校で鍛えられても、やはり難しかった。
試験が終わるとID番号別に小グループに分けられる。
先輩学生2名と新入生15人でチームを組んで、ランチミーティングから始まった。
「今日から3日間、チームで行動して仲間を作って欲しい。
俺たちはその手助けをする為にいるんだ、何でも聞いてくれ」
オリエンテーション委員のJack先輩が挨拶をして、みんなに呼び名と出身地を言うように促した。
「Amatoと呼んでくれ。日本から来た、よろしく」
最初に挨拶をして、チームの仲間をチェックする。
15人のうち11人が白人だ、考えていた以上に多い。
残りは黒人の女とヒスパニックの男、アジア系の女性だった。
留学生は俺一人、もう開き直るしかない。
最初のアクテビティは、エブリバディアップ。
15人が輪になって座り、肩を組んで地面に手をつかずに立ち上がる競技だ。
20チームのトーナメント戦で、上位に入るとミールクーポン(学食で使える電子マネー)が貰える。
どんな競技でも熱くなるのがアメリカ人。
すぐにキャプテンに立候補した男 、Carlyleを中心にチームを纏める。
俺たちは順調に勝ち進み、順位決定戦まで進出して見事3位。
一人30ドルのミールクーポンを勝ち取った。
夕食もチームのみんなで食べる。
白人が多いのは近隣の州から来ているからで、南部の州ほど黒人や中南米の人間はいないようだ。
逆に、日本人が何でこんな所に留学して来たんだと聞かれる。
「日本人だけじゃなく、アジア人すら少ないからここに来た。
精一杯、偉大なアメリカの田舎を楽しむつもりだ」
自分が思っている事が、素直に言葉になった。
「田舎は間違いない」と誰かが言って、みんなが笑った。
3
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる