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prologue 1

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海人あまと、アメリカにはいつ行くの?」

Starbucksの2階席で向かい合わせに座ってる、幼なじみの佐倉 舞美さくら まみが聞いていた。

「5月の中旬に出発する。
12週間の語学研修を経て、8月末の入学を迎えるんだ」

「本当に、アメリカの大学に行くんだね」

「ああ、日本から出るのが目的だからな」

「出発する前に、抱いてよ」

「彼氏がいるんだろ、そいつに頼め」

「sexだけが目的じゃない。海人との思い出を作りたいの」

「考えとく」
俺は1年前に舞美に懇願されて、初体験の相手をしたことを後悔した。

****

俺は督木かしらぎ 家の三男で、末っ子故に小さい頃から母親のはなから溺愛されていた。
過干渉と言ってもいい、無意識に自立を阻害されていた。
それに気づいたのは、小学校高学年になって2次成長が始まってからだ。
反抗期をよそおって、母親から少しずつ距離を置きながら自立の道を探る。
高校生になってやっと親も諦めたのか、渋々俺を認めているようだ。

大学進学は、やっと訪れた家を出るチャンスだ。
高校進学の時からアメリカ留学を申し出て、両親と交渉をしていた。
反対する両親に俺が譲歩する形で、日本の高校からアメリカの大学に合格すれば留学を認めるという回答を引き出す。
高校の3年間は、ひたすら留学の準備に充てた。

3年生になって父親や兄たちと相談して、誘惑が多い大都会を避けてアメリカ中北部の大学を目指すことになった。
Wisconsin、Minnesota、Iowa、NorthDakota、SouthDakota州の大学に絞り込んで、願書を送る。
合格した中から選んだのが justitiaユースティティア University  Wisconsinウィスコンシンだった。
アメリカ北中部、カナダ国境を隔てる五大湖の最西端、Wisconsin州の田舎町Superiorシューピアリアに広大なキャンパスがある。

留学生が英語でつまずかないように大学内に語学学校が併設されており、入学前プログラムを受けることにした。
12週間で実力が認められたら、大学のサマースクールを体験することも出来る。
5月中旬に出発することになって、今は準備の真っ最中だった。

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