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第1部
梅雨明け
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「橘、頼む」
「ダメだ、自分で何とかしろ」
鈴木 晴斗は下村 若葉と付き合いたい。
もっと言えばSEXしたいと、もがいている。
下村から一緒に遊びに行く条件として、粟田がついてくることを出されたようだ。
鈴木にしてみれば、邪魔な粟田を俺に押し付けたい。
「親受けの良い粟田の名前を出すのは予想出来ただろう、そこまで考えて無いお前が悪い」
俺は冷たく言い放つ。
今の俺は、粟田と二人きりになりたくないんだ。
本音を言葉に出来ないのが、もどかしい。
気がつかないうちに大声になったのを聞かれたのか、
「へ~。晴斗をそこまで突き放すんだ」
粟田 璃乃に突っこまれる。
「晴斗と若葉、圭市と私のカップルで何が気に入らないの?」
「俺が付き合ってくれと言ったのに、お前がNOと言うからだろ」俺は言い返した。
「私はホテルに行こうと誘っただけで、付き合いたいって一度も言ってない」
粟田は、あえて二人に事情が判るように言う。
「お前ら、そういう関係だったんだ」晴斗と若葉が呆れている。
「言っとくけど、俺たちはキスしただけだぞ」
「情熱的だったよね、頭がクラクラしちゃった」
もう何を言ってもダメだ。
「俺は、7月25日から都内の受験予備校に行く。
丸々1カ月あるから、そっちでスケジュールは決めてくれ」
結局、行く羽目になった。
同じ頃、四葉女学院の生徒会室は静かだった。
書記長席の椅子に座って、川神 真希はため息をつく。
「兄にお姉様の印象を聞いたら、凛とした人だったと言ってました」
橘沙綾の言葉がずっと心から離れない。
あの雨の日、車を降りた私に橘圭市は傘をかざしてくれた。
門扉までの一瞬の間で、彼の上半身はびしょ濡れになっていた。
それでも平然としている姿が、頭に残っている。
彼は、私のどこに凛とした姿を見たのだろう。
3週間後、例年より1週間早く梅雨が明けた。
一学期末テストの最後の科目が終わって、チャイムが鳴った。
秀学館から爆発するように歓声があがる、 明日から気分は夏休みだ!!!!
「ダメだ、自分で何とかしろ」
鈴木 晴斗は下村 若葉と付き合いたい。
もっと言えばSEXしたいと、もがいている。
下村から一緒に遊びに行く条件として、粟田がついてくることを出されたようだ。
鈴木にしてみれば、邪魔な粟田を俺に押し付けたい。
「親受けの良い粟田の名前を出すのは予想出来ただろう、そこまで考えて無いお前が悪い」
俺は冷たく言い放つ。
今の俺は、粟田と二人きりになりたくないんだ。
本音を言葉に出来ないのが、もどかしい。
気がつかないうちに大声になったのを聞かれたのか、
「へ~。晴斗をそこまで突き放すんだ」
粟田 璃乃に突っこまれる。
「晴斗と若葉、圭市と私のカップルで何が気に入らないの?」
「俺が付き合ってくれと言ったのに、お前がNOと言うからだろ」俺は言い返した。
「私はホテルに行こうと誘っただけで、付き合いたいって一度も言ってない」
粟田は、あえて二人に事情が判るように言う。
「お前ら、そういう関係だったんだ」晴斗と若葉が呆れている。
「言っとくけど、俺たちはキスしただけだぞ」
「情熱的だったよね、頭がクラクラしちゃった」
もう何を言ってもダメだ。
「俺は、7月25日から都内の受験予備校に行く。
丸々1カ月あるから、そっちでスケジュールは決めてくれ」
結局、行く羽目になった。
同じ頃、四葉女学院の生徒会室は静かだった。
書記長席の椅子に座って、川神 真希はため息をつく。
「兄にお姉様の印象を聞いたら、凛とした人だったと言ってました」
橘沙綾の言葉がずっと心から離れない。
あの雨の日、車を降りた私に橘圭市は傘をかざしてくれた。
門扉までの一瞬の間で、彼の上半身はびしょ濡れになっていた。
それでも平然としている姿が、頭に残っている。
彼は、私のどこに凛とした姿を見たのだろう。
3週間後、例年より1週間早く梅雨が明けた。
一学期末テストの最後の科目が終わって、チャイムが鳴った。
秀学館から爆発するように歓声があがる、 明日から気分は夏休みだ!!!!
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