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第一四章 挑戦

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solemnityのブランド戦略について、自分の想いを企画書にした。
デザイナーの花鳥さんと何度も話していた内容を、具体化したものだ。
勿論、加山社長と話した内容も参考にした上に、自分の考えを盛り込んだ。

「面白い、すぐやった方が良い。真凛は、solemnityを良く分かってる」
会社を買うほどファンの聖苑が褒めてくれる。
これ程の応援は無い。

会議の前日に、社長が部長以上に配布した。
翌日の本会議で、企画書の内容を説明していく。

「花鳥デザイナーの服を、solemnityのAdore 、BritishとClassicという三つに集約したい。
現代風の服は、別のブランドでフィーデスから発売してはどうでしょう?」

「花鳥さんの下で、若手のデザイナーが育ってきている。
ただ、いきなりsolemnityのブランドデザインを任せるのはリスクがある。
それにsolemnityに縛られて、発想が窮屈になるのは避けたい。
新ブランドなら、テーマに従って自由な発想でデザインして欲しい。
企画、デザインは当社、製造、販売はフィーデスに移管します」

「セカンドライン、戦略だな」
田坂営業本部長は、判ってるようだ。

「今のsolemnityの服は、若い人には高い。
なかなか手が出ない。
若い人向けにリーズナブルな価格で売るには、フィーデスは最適だと考えてます」

「経営的にはsolemnity一本で行くより、セカンドラインを持っている方がリスクを分散できる。
そのうえフィーデスはグループ会社だ、協業のメリットは大きい」
加山社長は倒産を経験しただけに、リスクに敏感だ。

「フィーデスは海外で生産のノウハウもあるし、協力工場も持っています。
当社が作るより、コスト管理は経験豊富でしょう」
山下専務は、生産管理のメリットを判っていた。

「秋のJapan Ladys Fashion Weekは、新ブランドで行こうか?」
花鳥さんは、積極的だった。

「間に合いますか?」

「JLWの分だけ、当社が今準備しているスケジュールで進める。
フィーデスに移管する分は、向こうのスケジュールに合わせよう」

次のフィーデスとの会議には、こちらから提案することになった。
プロデューサーとして、初めての仕事が動き出した。

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