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第十三章 変革

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「真凜がラジオで話した会社訪問を、TV番組で取り上げたいと言ってきてる」

ラジオを聞いた東京のTV局が、番組で取り上げたいと企画を持ち込んできた。
田中社長が俺の希望を上手くねじ込んで、企画をまとめ上げてくれた。
Sunday Morning Bizというビジネス系情報番組で、真凛の会社訪問をコーナー企画で放送する予定だ。
全12回で、10社の訪問を予定している。
初回は番組に出演して、真凛自身がアピールすることになっていた。
最終回に10社の中から、インターンシップに行く会社を決める。

「10社も受け入れてくれるの?」

「30社ほど要請はあるようだ。ラジオ局には話がついている」

「じゃあ、やりたい」

テレビ局のスタジオで、初回の収録が行われた。

「今回、会社訪問をして頂くのは、出雲真凛ちゃんです」
番組の林キャスターが、紹介してくれる。

「こんにちは、出雲真凛です。
大学4年に上がる今、このようなチャンスを頂いた事に感謝しています」

「今日の衣装が、ミリタリー風で可愛いですね」

「これには、ちょっと訳がありまして」

「どんな訳が?」

「ラジオ番組の『スーツ着て就活したい』っていう発言から、今日に繋がっているんです。
ところが勘違いがありまして、私はsolemnityの専属モデルをしています。
専属だと公式時は、solemnityから提供されている衣装を着なければいけません。
就活スーツが着られないんです」

「それは、大変だ」

「見かねてデザイナーの花鳥さんが、就活スーツをイメージして出来たのが今日の衣装です。
シングルのジャケットが、英国空軍制服モチーフでお気に入りなんですよ。
パンツも用意されているので、男性の就活スタイルというリクエストにもお応え出来るんです」

「お美しいから、女性でというリクエスト殺到でしょう」
解説者のおじさまが言ってる。

「真凛さん、会社の社長ってどんなイメージですか?」
キャスターが聞いてきた。

「私が仕事でお会いした社長さんは、皆さん魅力的な方ばかりですね。
何より、大人としてカッコいいんです」

「人間的魅力があるって、ことですね」

「今回の会社訪問で、新しい出会いがあることが楽しみです」

「来週から会社訪問をして頂く、出雲真凛ちゃんでした」

何とか無事に、収録が終わった。

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