205 / 323
第十二章 新機軸
10
しおりを挟む
沙織が、fortunaの選抜メンバーに抜擢された。
月城美雪も一緒だ。
研究生の身分で選抜に入るのは、栗栖千鶴以来だった。
「全然、人気なんて無いのに」
沙織は、もっと研究生でやるべき事がある。
だが周りが、二人を待ってくれなかった。
「年末は、TVの仕事が多い。選抜メンバーで経験を積ませたい」
きれい事を言ってるが、ネームバリューを使いたい気持ちが透けて見える。
あのプロデューサーの悪い面が出ていた。
案の定、後一歩で選抜を逃したメンバーのファンが騒いでいた。
沙織は、家では気丈に振舞ってるが堪えている様子だった。
ところが、ある日を境に急に眼の色が変わった。
田中氏に確認すると、理由は明白だった。
「日曜日に、メトロポリスTVでアイドルパワーライブという番組がある。
加藤みさきは、cloud nineのNo3だ。
沙織はfortuna16人選抜の序列で11か12位だ。
そんな二人が同じ番組で共演する。
これで火がつかないようでは、植木遥の弟子って名乗れないぜ」
「端っこで踊ってたら、いつカメラが来るか分からない。
最高のパフォーマンスを見せたかったら、1曲全部どこを切り取られても見てる人に刺さるように踊れ。
遥先輩が教えてくれた」
流石に、パフォーマンスで選抜まで駆け上がったメンバーだ。
残してくれた言葉に、重みがある。
……
日曜日、TV局で番組収録が行われた。
メンバー控室の前で待ってると、リハーサルからcloud nineが戻ってきた。
「みさきちゃん」「沙織ちゃん」
二人が抱き合った。
「あっという間に、選抜まできたのね」
「お試し選抜よ、次は無い」
「次は真ん中目指して、私も頑張るから」
「やってみる」
「じゃあ、本番で会おうね」
二人が別々の控室に戻って行った。
「私たちがNo1アイドルってことを、見せつけましょう」
栗栖千鶴の激が飛んだ。
「「おー ! 」」
全員の気合いが入ったところで、歌収録になる。
一番の奥4列目、左端が沙織、右端が美雪だ。
序列よりポジションは、優遇されている。
選抜に入れた以上、使おうという運営サイドの意図が感じられた。
2曲収録して、トーク収録に入る。
沙織たちは、ひな壇2列目奥に座っていた。
同じひな壇の左側に、cloud nineが座っていた。
加藤みさきは、1列目の中央に座っている。
「アイドル界のトップを走るfortunaと、今人気急上昇中のcloud nineに来て頂きました」
月城美雪も一緒だ。
研究生の身分で選抜に入るのは、栗栖千鶴以来だった。
「全然、人気なんて無いのに」
沙織は、もっと研究生でやるべき事がある。
だが周りが、二人を待ってくれなかった。
「年末は、TVの仕事が多い。選抜メンバーで経験を積ませたい」
きれい事を言ってるが、ネームバリューを使いたい気持ちが透けて見える。
あのプロデューサーの悪い面が出ていた。
案の定、後一歩で選抜を逃したメンバーのファンが騒いでいた。
沙織は、家では気丈に振舞ってるが堪えている様子だった。
ところが、ある日を境に急に眼の色が変わった。
田中氏に確認すると、理由は明白だった。
「日曜日に、メトロポリスTVでアイドルパワーライブという番組がある。
加藤みさきは、cloud nineのNo3だ。
沙織はfortuna16人選抜の序列で11か12位だ。
そんな二人が同じ番組で共演する。
これで火がつかないようでは、植木遥の弟子って名乗れないぜ」
「端っこで踊ってたら、いつカメラが来るか分からない。
最高のパフォーマンスを見せたかったら、1曲全部どこを切り取られても見てる人に刺さるように踊れ。
遥先輩が教えてくれた」
流石に、パフォーマンスで選抜まで駆け上がったメンバーだ。
残してくれた言葉に、重みがある。
……
日曜日、TV局で番組収録が行われた。
メンバー控室の前で待ってると、リハーサルからcloud nineが戻ってきた。
「みさきちゃん」「沙織ちゃん」
二人が抱き合った。
「あっという間に、選抜まできたのね」
「お試し選抜よ、次は無い」
「次は真ん中目指して、私も頑張るから」
「やってみる」
「じゃあ、本番で会おうね」
二人が別々の控室に戻って行った。
「私たちがNo1アイドルってことを、見せつけましょう」
栗栖千鶴の激が飛んだ。
「「おー ! 」」
全員の気合いが入ったところで、歌収録になる。
一番の奥4列目、左端が沙織、右端が美雪だ。
序列よりポジションは、優遇されている。
選抜に入れた以上、使おうという運営サイドの意図が感じられた。
2曲収録して、トーク収録に入る。
沙織たちは、ひな壇2列目奥に座っていた。
同じひな壇の左側に、cloud nineが座っていた。
加藤みさきは、1列目の中央に座っている。
「アイドル界のトップを走るfortunaと、今人気急上昇中のcloud nineに来て頂きました」
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる