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第十一章 激震

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「今日からレッスン、レッスン、またレッスンだ」

出雲沙織と月城美雪、古田美那が集められ、田中社長が指定したレッスンスタジオで特訓が開始された。
徹底して、ウォーキングを叩き込まれる。
基礎からじっくりとやらされる、ハイヒールが辛い。
俺も泣きたいくらいやらされた。

「真凛ちゃんは男性だったから、もっと大変だったの。
出来るまでやるから、覚悟してね」
俺を特訓した講師が、釘を刺した。
JLWまで、地獄の3週間が始まった。

「美那先輩が休まないから、必死でついてってる」

「美那はfortunaを辞めてまでやるから、覚悟が違う」

「絶対、負けない」
聖苑にマッサージをさせながら、沙織は口だけは達者だった。

仕事がオフの日には、加藤みさきも参加してきた。
田中社長の話では、みさき、沙織、美雪はバチバチやってるようだ。

「みさきが来ると集中力が上がるんだ、見られてるって大事だ。
真凛も様子を見に行ってくれ」

アポ無しで訪問してみた。
ちょうど来ていたみさきが、飛びついてくる。

「真凛ちゃん、一緒に歩こう」

「お手本を見せてあげて」
俺を鍛えた講師が煽ってくる。
レッスン着に着替えて、ストレッチ、アップをしたらハイヒールを履いた。
美那と一緒に、並んでウォーキングする。
続けて、みさき、沙織、美雪と並んで歩く。

「みんな歩幅が小さい、もっと広く」
「普段より、膝を曲げない」
出来てないところを指摘したが、講師にも言われているだろう。
敢えて言われることで、意識してくれればいい。

「真凛ちゃん、やっぱり上手」みさきが、感心している。

「私もこの人に虐められたの。でも言うことを聞いてれば絶対出来る」
沙織も真面目に聞いていた。
妹は筋肉痛と戦いながら、悪夢の2週間が過ぎた。

後1週間になり、名古屋の野原美穂、博多の宮本陽菜がやって来た。
solemnity本社で、JLWで着るドレスを試着した。
沙織、美雪、みさきも参加して、賑やかだ。
最終チェックをして、スタジオに移動。

5人で、ウォーキングレッスンをしてみる。
さすがに5人とも、様になってきた。
プロのモデルには及ばないが、ゲストとしてはレベルが高くなっている。

「ここからが勝負だ。1回のゲストで終わるか、次も呼ばれるか」
田中社長の声が響いた。

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