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第十章 成長

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Fortunaアンダーライブは、拍手とコールに包まれて始まった。

冒頭は、20人全員でのパフォーマンス、16人用のフォーメーションが20人に変更されていた。
沙織は左奥、美雪は右奥に配置されている。
二人共に、メンバーと変わらない動きだ。

「沙織、あんなに踊れるんだね」
聖苑が驚いている。

「ライブハウスの時より、もっと上手くなってる」
4曲が終わり、簡単な自己紹介があった。

「西の空に輝く一等星になります。出雲沙織です」

「北の空に輝く一等星になります。月城美雪です」
二人で話し合ったのだろう、キャッチーな自己紹介だ。
これだけで、仲の良さもアピールが出来る。

自己紹介後は、2人から5人のユニットで曲を披露する。
少人数ゆえに目立つ分、ミスすると悪目立ちしてしまう。
沙織のユニットは、センター河本茉里奈に美雪の3人だ。
茉里奈は、ライブハウスで沙織に代役されたので今回は気合が入っている。
ダイナミックな歌声で激しく踊っていた。
沙織は静かに正確なダンスで、美雪は柔らかなダンスだった。
間奏で10秒ぐらいのソロダンスがある。

沙織は突然、派手なジャンプからダブルキックを見せた。
回転しながらのキックに観客から、どよめきが起きた。
美雪も負けずに、バレエ仕込みのピルエット(回転)を綺麗に決めた。

「あんなこと、出来るんだ」

「俺もビックリした。遥が教えたんだろう」
家に帰って、居眠りするはずだ。

ユニットが全て終わって、着替えたメンバーが出てきた。
渡辺由里香、杉村莉緒、山本詠美、出雲沙織と月城美雪の5人がMCをするようだ。
司会役の山本詠美が沙織に話を振った。
「沙織ちゃん、キレイなダブルキックだった。豪快に決まったね」

「遥先輩から、10秒に全てをかけろって言われました。
練習をずっと付き合って頂いたので、決まってよかったです」

「美雪ちゃんも、ピルエット綺麗だった」

「美那先輩が美雪は美しい動きで勝負しなさいって言われて、バレエの動きを取り入れました」

「二人のキャッチフレーズが可愛かった」由理香が褒めてくれた。

「ファンの皆さんが、二人は仲が悪いんじゃないかって噂してるんですよ。
仲良しだと証明したくて、二人で考えました」
沙織が答えた。

「沙織は、普段から凄くイケメンなんですよ。
私に気を使ってくれて、優しいんです」

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