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第九章 沙保里
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3月25日、水無瀬結の卒業コンサートが決まった。
前日のグループコンサートと一緒に、首都湾岸スタジアムで2daysのお祭りだ。
妹は、東京の芸能コースがある高校に転校してきた。
今は俺と同じマンションで別の部屋に住んでいて、食事は俺たちの部屋で食べている。
学校終わりに、ダンスレッスンと歌のレッスンを受けている。
田舎の山道を学校まで30分以上の自転車通学だったので、体力だけはあった。
学校が休みの日は、朝から夕方までレッスン場に行っている。
俺は、春のJapan Ladys Fashion Weekの準備に追われていた。
新生solemnityとして、完璧な準備で参加出来る初めてのビッグイベントだ。
専属モデルとして、重要な役割を任されている。
ゲストには、足利プロデューサーのcloud nineから加藤みさき、宮本春香たち5人が呼ばれていた。
今日は、JLWの公開リハーサルだ。
楽屋で、準備をしているとメンバーが入ってきた。
「真凛ちゃん、お久しぶりです」
「みさきちゃん、今日も可愛いね」
「何で沙織ちゃんを、cloud nineに入れてくれなかったんですか?」
「いや、まだ決まったわけじゃないから」
「向こうに入ったら、同い年のライバルになっちゃう」
「いやいや、駆け出しの新人だからライバルなんて言えない」
スタンバイ、お願いしますの声でみんな準備に入った。
新生solemnityは、以前より高級路線にシフトしていた。
品質を重視して、デザインはよりclassicな方向に原点回帰している。
当然値段は跳ね上がり、平均単価が以前の2倍弱になった。
そのうえ新宿の本店か、ECサイトでしか買えなくなった。
地方デパートの倒産に巻き込まれた反省で、直販にこだわった結果だ。
「お客様に理解されるまでは、苦戦するかもしれない。
ただ、中途半端はしたくない。
最高の商品を直接届ける、ここにこだわりたい」
加山副社長の方針は明確だった。
JLWが開幕した。
冬のゲストで震えていた加藤みさきは、JLW限定のワンピースを着て嬉しそうだ。
他の4人も、自信に溢れた顔をしていた。
solemnityの番が来た。
「さあ、いくよ」
俺は先頭を切って、ランウェイに出た。
前日のグループコンサートと一緒に、首都湾岸スタジアムで2daysのお祭りだ。
妹は、東京の芸能コースがある高校に転校してきた。
今は俺と同じマンションで別の部屋に住んでいて、食事は俺たちの部屋で食べている。
学校終わりに、ダンスレッスンと歌のレッスンを受けている。
田舎の山道を学校まで30分以上の自転車通学だったので、体力だけはあった。
学校が休みの日は、朝から夕方までレッスン場に行っている。
俺は、春のJapan Ladys Fashion Weekの準備に追われていた。
新生solemnityとして、完璧な準備で参加出来る初めてのビッグイベントだ。
専属モデルとして、重要な役割を任されている。
ゲストには、足利プロデューサーのcloud nineから加藤みさき、宮本春香たち5人が呼ばれていた。
今日は、JLWの公開リハーサルだ。
楽屋で、準備をしているとメンバーが入ってきた。
「真凛ちゃん、お久しぶりです」
「みさきちゃん、今日も可愛いね」
「何で沙織ちゃんを、cloud nineに入れてくれなかったんですか?」
「いや、まだ決まったわけじゃないから」
「向こうに入ったら、同い年のライバルになっちゃう」
「いやいや、駆け出しの新人だからライバルなんて言えない」
スタンバイ、お願いしますの声でみんな準備に入った。
新生solemnityは、以前より高級路線にシフトしていた。
品質を重視して、デザインはよりclassicな方向に原点回帰している。
当然値段は跳ね上がり、平均単価が以前の2倍弱になった。
そのうえ新宿の本店か、ECサイトでしか買えなくなった。
地方デパートの倒産に巻き込まれた反省で、直販にこだわった結果だ。
「お客様に理解されるまでは、苦戦するかもしれない。
ただ、中途半端はしたくない。
最高の商品を直接届ける、ここにこだわりたい」
加山副社長の方針は明確だった。
JLWが開幕した。
冬のゲストで震えていた加藤みさきは、JLW限定のワンピースを着て嬉しそうだ。
他の4人も、自信に溢れた顔をしていた。
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「さあ、いくよ」
俺は先頭を切って、ランウェイに出た。
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