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第八章 研究生

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コンサート2日目。
今日は企画のコーナーに急遽参加のために、リハーサルから参加した。

開演まで、差し入れを頂く。
レコード会社が出していた稲荷寿司のお弁当と玉子スープを食べた。
solemnityが用意してくてた衣装に着替えて、楽屋で待機する。
水無瀬結が楽屋に来て、挨拶した。

「今日は卒業発表しないけど、私を見ててね」
彼女の決心を聞いて、身が引き締まる。

オープニングから、物凄い歓声とコールが響き渡る。
冒頭から16曲連続で披露、選抜メンバーが一人ずつセンターを務めた。
センターで歌うメンバー以外は、正規メンバー、研究生が入れ替わり立ち代わり着替えと休憩で交代していく。
16曲目でちょうど1周して、選抜メンバーだけで歌い終わった。

ステージにTシャツ姿の研究生10人が登場して、整列した。
派手な効果音が鳴り響いて、スクリーンに映像が流れる。

「fortuna研究生バレンタイン公演決定! 次世代センターは誰だ」
なかなか刺激的なキャッチコピーだ。
ファンのメンバーコールが響き、ペンライトが揺れる。
そこに、solemnityの専属モデル出雲真凛として登場した。

「こんにちは。出雲真凛です。今日はファンの皆さんに喜んで頂ける報告でやってきました」
ファンの皆さんが、拍手で答えてくれる。

「私が専属モデルを務めるsolemnityが、研究生公演の衣装をサポートさせて頂きます。
メインのドレスはオーダーメイドブランドAdoreで、12人全てデザイン違いで提供します。
昨日、正規メンバーに昇格した二人に着てもらいました。
どうぞ」

二人がセンターステージに、セリで登場した。
オフショルダーで胸を強調した黒のドレスを着た杉村莉緒、黒いレースの4段フリルスカートが豪華な渡辺由里香がメインステージにウォーキングしてきた。
おめでとうコールとペンライトが美しく揺れている。

「どうですか、この衣装は?」
莉緒に聞いた。

「自分で選んだデザインが素敵で、サイズがぴったりで嬉しいです」

「由里香ちゃんは?」

「カタログにレース3段までしかなかったんですが、無理を言って4段にしてもらいました。
自分の名前が入った衣装が、嬉しいです」

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