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第三章 チャンス
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「大学はちゃんと行ってるの?」
母親が口を開いた。
「前期の成績表が送って来てるはずだけど」
「成績は良かった」
「大学は休まないように、わが社が管理しております」
中園氏が、一ノ瀬グループの企業冊子を渡す。
母親が俺の顔をまじまじと見る。
「小さい時から可愛い子だったけど、こんなに綺麗になるなんて」
「中身は全然変わってない、おふくろの息子さ」
「乾杯」
親父とおふくろ、姉貴がビールを飲んでいる。
部屋には、洋食の懐石料理が運ばれていた。
姉と妹に、撮影で貰った化粧品やTシャツをあげた。
弟には、ゲームのノベルティグッズを渡した。
「親父、今回のギャラで今年の授業料は払えそうだ。
来年以降も授業料や生活費は稼げそうなので、一旦このお金は受け取ってくれ」
そういって、小切手を渡した。
「わかった。ただし無茶はするなよ」
「親父やおふくろに顔向けできないような事はしない」
翌朝、朝食のバイキングをみんなで食べて、家族の帰りを見送った。
お昼に、中園氏、聖苑と3人で長崎ちゃんぽんを食べた。
お土産に練り物を買い込み、東京に戻った。
……
「おっ、練り物とは珍しい」田中氏が嬉しそうだ。
「いつも世話になってるから、地元長崎の人間が貰って嬉しいものを買ってきた」
「今晩は、美味い酒が飲めそうだ。ありがとう。
ところで、撮影で水無瀬結と話したか?」
「ああ、MVに自分が出たかったって言ってた」
「先週、彼女がラジオでその話をして、MVの再生回数が伸びている」
「それは良かった」
「そうはいかない、真凛が彼女のファンのヘイトを集めてる。
真凛の過去を探って、男疑惑とか騒いでる」
「スポンサーは何と言ってる?」
「一応、黙認だ。元々男だと知ってるからな。
ただし、完成発表までに、何とかしたい。
記者会見で主役より目立つことは避けたいから」
「どうすればいい?」
「先に男だと発表したほうがいい」
「記者会見は嫌だ」
「俺もしたくない。こっちにとって何の得もない」
「ラジオに出たい。
シーホークのラジオは、高校時代ずっと聞いてた。
プロモーションで鷹山さんと一緒だし、何とかならないかな」
シーホークは関西のお笑いコンビだ。
海野、鷹山のコンビで、今回のプロモーションビデオで鷹山さんと共演した。
どうせ話すなら、笑いとばしたい。
「それは、いいアイデアだ。
ゲームのスポンサー経由で、ラジオ局に売り込んでみよう」
母親が口を開いた。
「前期の成績表が送って来てるはずだけど」
「成績は良かった」
「大学は休まないように、わが社が管理しております」
中園氏が、一ノ瀬グループの企業冊子を渡す。
母親が俺の顔をまじまじと見る。
「小さい時から可愛い子だったけど、こんなに綺麗になるなんて」
「中身は全然変わってない、おふくろの息子さ」
「乾杯」
親父とおふくろ、姉貴がビールを飲んでいる。
部屋には、洋食の懐石料理が運ばれていた。
姉と妹に、撮影で貰った化粧品やTシャツをあげた。
弟には、ゲームのノベルティグッズを渡した。
「親父、今回のギャラで今年の授業料は払えそうだ。
来年以降も授業料や生活費は稼げそうなので、一旦このお金は受け取ってくれ」
そういって、小切手を渡した。
「わかった。ただし無茶はするなよ」
「親父やおふくろに顔向けできないような事はしない」
翌朝、朝食のバイキングをみんなで食べて、家族の帰りを見送った。
お昼に、中園氏、聖苑と3人で長崎ちゃんぽんを食べた。
お土産に練り物を買い込み、東京に戻った。
……
「おっ、練り物とは珍しい」田中氏が嬉しそうだ。
「いつも世話になってるから、地元長崎の人間が貰って嬉しいものを買ってきた」
「今晩は、美味い酒が飲めそうだ。ありがとう。
ところで、撮影で水無瀬結と話したか?」
「ああ、MVに自分が出たかったって言ってた」
「先週、彼女がラジオでその話をして、MVの再生回数が伸びている」
「それは良かった」
「そうはいかない、真凛が彼女のファンのヘイトを集めてる。
真凛の過去を探って、男疑惑とか騒いでる」
「スポンサーは何と言ってる?」
「一応、黙認だ。元々男だと知ってるからな。
ただし、完成発表までに、何とかしたい。
記者会見で主役より目立つことは避けたいから」
「どうすればいい?」
「先に男だと発表したほうがいい」
「記者会見は嫌だ」
「俺もしたくない。こっちにとって何の得もない」
「ラジオに出たい。
シーホークのラジオは、高校時代ずっと聞いてた。
プロモーションで鷹山さんと一緒だし、何とかならないかな」
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