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そして、離婚届は受理され、慰謝料と領地をデニスへ渡した。

そして、デニスと愛人は結婚し慰謝料の領地で暮らすことにした。

しかし、

「なんだここは!?セッ、セリア!!騙したなっ!!!!」


すぐさま帝都に戻り、セリアの邸宅へ向かった。

「セリア!!!お前っ、あの領地はなんだ!1面荒地では無いか!」

セリアは友人と茶会をしていたが、急な来客のデニスに対し予想通りといった表情で

「まあ、これはこれは元夫のデニス様では無いですか。噂をすれば来るなんてタイミングがいいですわね」

「なに!?」

「彼女達と貴方に差し上げた領地について話してたのですよ。あんな田舎の荒地を差し上げたのに喜んでいたと」

そう、セリアがデニスにあげた領地は荒地で水も少なく大地は荒れ草木は育たなかった。そしてデニスが見ていない場所は砂漠だった。

「慰謝料として不適切だ!」

「そうでしょうか?貴方は私と結婚生活も送らず、ずっと愛人から他の女と遊んでいて、私が逆に慰謝料を頂きたいですのに貴方の望みの領地と金を渡したでは無いですか」

セリアの友人達は笑いをこらえるのに必死だった。

「ろくに領地の事を知らず、広大な土地と喜んでいたですのにどの口が仰るんだか」


「よくも俺を騙したな!!!あんな土地をどうすれというのだ!?」

「知りませんわよ。私もあの土地には手を焼いていましたので」

「慰謝料として相応しくない!!いますぐ違う土地にしろ!!」

「貴方と契約書で貴方があの土地を治めると書いてあるではないですか。それに金も渡しましたわよね。その金でなるべく都会に近い場所に家を建てればいいのでは?」

「話にならん!!」



「デニス様ーーー!!!私の家がなくなっています!!」

家とはかつて愛人であったデニスの新しい妻が愛人の時に住んでいた家のことだった。

「あぁ、あの家ですか。あれは私の金でデニス様が建てられた家です。家の所有者は私でしたので壊しておきました」

「デニス様!?あの家は私に下さったのではなかったのですか?!」

「いや......それは」

「嘘つき!!貴方が慰謝料でいい土地を貰って売却すれば一生働かなくても生きていけるって言ってたのにっ」

「全部嘘だったようですね。ということで帰ってください。もう用は済んだのでしょう?あの砂漠は昔、黄金が出るという噂がありました。それを探し当てれば一生働くても大丈夫ですわ。精々、頑張って下さいませ」

言い切ると、警備員達を呼び2人を追い出した。

「それにしても、あの砂漠からもし、金が出ればあの2人は大金持ちですね」

「ですが....あの広大な土地に払う税金が高いですから難しいでしょうね」

茶会に招かれたセリアの友人達が2人を見ながら嘲笑っていた。

「それにしても、あの土地を買い取ってそれを慰謝料にするなんて、酷いことをしますわね」

セリアは微笑みながら、

「だって、あの男に不幸しなって欲しいんですもの。それに一時の夢を半年見せて差しあげたのですよ。十分でしょう?」

確かに、デニスはセリアとの結婚によりギャンブルに女に酒になんでも好きなだけしていた。

「あの男の両親も慌てているでしょうね」

「えぇ、やっと私の両親が渡した金で借金を返済したところでしたからね。

まあ知った事ではありませんけど」




その後、デニスとその妻は金を求め採掘を始めたそうだが、上手くいかず、金を無駄に消費し、セリアと結婚していた頃の感覚が忘れられず残りの金を使い、借金を背負ったそうだ。









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