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第一章 Sランク冒険者のヤンデレ幼馴染、再起のロクデナシ編
第三十二話 落ちた先で、少年は魔王と出会う【過去編3】
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ダンジョン内部は緑色に輝く鉱石で照らされていた。
そのせいか不気味さよりも綺麗という感想が先に来る。
ダンジョン内を散策し、一時間が経過。
一層にモンスターはいなかったため、スパーダはすぐに二層の探索をしていた。
「っ!?」
その時だ。
スパーダの身体にゾワリ―――と悪寒が走る。
まるで何かに見られているような。
原因はすぐに分かった。
距離にして三十メートル以上先、ゆったりとした足取りで四本の足を使い歩いているモンスターがいる。
「あれは……!!」
ブラキガルド。
足は短く、巨大なトカゲといった見た目ではあるが、立派なAランクモンスターである。
肌が異様に発達しており、獲物が移動した際の空気の流れを的確に感知することが出来るのだ。
つまり、
「っ!!」
「ギヤァァァァァァァァァ!!!!」
スパーダは既に捕捉されていた。
「アァァァァァァァァァァ!!!!」
ブラキガルドは凄まじい速度でスパーダに向かって走り出す。
「くっそマジかよ!! まだ二層目だぞ!! それなのにこんなモンスターがいるなんて!!」
……だけど、これでいい!!
スパーダは剣を構え向き合う。
元々、死ぬ気で強くなるためにここに来たんだ。
なら、これくらいなんとか出来なきゃ意味がない!!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
雄たけびを上げる。
「ギュアァァァァァァァァァァ!!!」
それに呼応するようにブラキガルドも叫ぶ。
始まるのだ。
命を懸けた……限界を超えるための修業が。
「っ!!」
まず前に出てフェイントを入れ、攻撃を避ける。そして跳躍して背中《うえ》に乗るんだ!
自分の動きを頭で反芻したスパーダは、意を決したように目を見開く。
まずは出ろ!! 前に……!! 前に……!!
自分を鼓舞した俺は、足を前に出そうとする。
だが、
「……え?」
足は、前に出なかった。
すくんでしまっていた。
震えた彼の足は、まるで地面と同化するように固定されている。
嘘だろ……? 何やってんだよ俺。
今、覚悟を決めたじゃないか……なのに、なんで動かないんだよ……!!
必死に足を動かそうとするが、動かない。
いくら声を上げ、覚悟を決めたようでも……彼の内心は恐怖に屈していたのだ。
最後の最後で、恐怖を乗り越えられていなかった。
「くそ……!! くそくそくそくそ!!! 動け、動けよぉ!!!」
「アァァァァァァァァァァ!!!」
制止しているスパーダとは対照的に、ブラキガルドは巨大な口を開け、真っすぐに彼へと向かってくる。
―――捕食するために。
何だよ……こんな無様に、終わるのかよ……俺の人生……。
あぁそうか……師匠は分かっていたんだ。
自分に慢心して、師匠から逃げて。
劣等感にいたたまれなくなって、リュードたちから逃げて。
それでも何とか強くなろうと思ったのに、このザマだ。
魔法の才能とかの問題じゃない……俺は、心も弱かった。
……くだらねぇな、俺。
瞬間、スパーダの中で何かヒビが入るような音がした。
覚悟のできていない死が訪れようとした時、
「え……?」
足場が、崩壊した。
恐らく地盤が弱くなっており、そこにブラキガルドの激しい地面を抉るような走りが加わったのが原因だ。
「ちょ、おぉ……!? 冗談だろ……!! う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
スパーダは絶叫と共にダンジョンの下層へと落下していった。
まるで、奈落に吸い込まれるように。
過去話は冒頭に戻る。
骨折や体中の傷は落下によってできたものだ。
落下の最中、身体強化と防御魔法を最大出力で使い、落下の際の衝撃を極限まで減少させたが、それでも負傷は免れなかった。
だが考えてみればこの程度で済んで幸運である。
少しでも運が悪ければ……間違いなく死んでいたのだから。
「回復魔法……は、駄目か。魔力が足りない……」
落下の際に全開で魔力を消費したため、スパーダには負傷を治療するだけの回復魔法が使えなかった。
「な、何か……無いか……?」
頭を打ったのか、朦朧とする意識の中で俺は周囲を見渡す。
壁に青白く輝く鉱石が露出していることで、地面には見た事も無い植物がそこら中に生えているのが分かる。
しかしどれが傷に効くのか全く以て分からない。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
や、やばい……。このままじゃ……。
死が足音を立ててこちらへと近づいてくるのを、彼は感じた。
「まだ……何も、してないのに……」
誰よりも、強くて……カッコいい冒険者になるどころか……こんな三流以下の冒険者で、終わるのか……俺が?
「くくく……ははははははははは!!!」
スパーダから思わず、笑いが出た。
あまりの自分の滑稽さに、無力さに、笑いが止まらない。
「はは……」
やがてそれは乾いた笑いへと変化し、彼の体中に劣等感を擦り付けた。
「……あ?」
だからそれは奇跡だった。
注意力が散漫し、おぼつかない足で歩き続けていた彼がソレに気付けたのは。
「何だ……あの穴……」
半眼で見詰める先にあるのは穴だ。
それも、壁に不自然に空いている。
「……」
スパーダは足を進める方向を変え、その穴に向かった。
何か、引き寄せられるような、何かが……そこにある。
そんな気がした。
人一人が通れる程度の大きさの通路を、壁に手を当てながら進む。
そして暫く歩くと、そこには開けた空間が広がっていた。
「あの穴は……ここまでのか、隠し通路……だった、のか……? ここは……なんだ……?」
スパーダは周囲を確かめるが、先ほどまでの場所と大して変化はない。
他に何処か別の場所に繋がっているという訳でもなく、この空間だけで完結していた。
何故こんな空間が先ほどまでの場所と隔絶されたようになっていたのか、甚《はなは》だ疑問でしかない。
「ん……?」
だが、気付いた。
先ほどまでの場所と、ここの決定的な違いを。
「何だ……あれ」
ポツリとそう呟いた俺は、それに向かって足を進める。
そして辿り着いた。
「……剣?」
違いというのはこの剣のことだ。
広がる空間の中心部に剣が鞘に収まったまま、無造作に地面に突き立てられている。
「何で、こんなところに……誰か、ここに来たのか……?」
しかし、そうは言ってもあまりにも人の形跡や痕跡が存在しない。
スパーダはその選択肢をすぐに排除する。
『おい』
一体どうなってるんだ……?
『おぉい』
ていうかそんなことよりも、ここから抜け出す方法を考えないと……。
『おぉぉぉぉぉぉい』
いや……無理か。
ここはSランクダンジョンの下も下、どう考えてもここから上がれる訳がない。
今ここにモンスターがいないのが奇跡なんだ。
『おい!!!』
「おわぁっ!?」
突然の自分以外の大声、満身創痍だったスパーダだが肩をビクつかせるほど驚いた。
「だ、誰だ!! ていうかどこから……!?」
倦怠感に苛まれながらも、首を回してあたりを見回す。
しかし、いくら周囲を確認しても人という人は誰一人として存在していない。
『ここじゃここ!!』
「ここって……」
声の聞こえる方向、声の大きさからどの辺りにいるのか……驚いていた先程とは異なり、今度はその情報を正確に捉えることができた。
そして得た情報から、スパーダは声の主の位置を特定する。
「……まさか、この剣か……?」
目の前に突き刺さっている剣。
それが自分に呼び掛けていると判断した。
『うむ! その通りじゃ!! お前、名は?』
「ス、スパーダ……」
鈴の音のように可愛らしい声、そして快活な口調に乗せられるように、スパーダは自身の名を名乗る。
『スパーダか。悪くない名じゃ。気に入った!! 儂の名はゼノ!! 魔王である!!』
これが、スパーダとゼノの出会いだった。
そのせいか不気味さよりも綺麗という感想が先に来る。
ダンジョン内を散策し、一時間が経過。
一層にモンスターはいなかったため、スパーダはすぐに二層の探索をしていた。
「っ!?」
その時だ。
スパーダの身体にゾワリ―――と悪寒が走る。
まるで何かに見られているような。
原因はすぐに分かった。
距離にして三十メートル以上先、ゆったりとした足取りで四本の足を使い歩いているモンスターがいる。
「あれは……!!」
ブラキガルド。
足は短く、巨大なトカゲといった見た目ではあるが、立派なAランクモンスターである。
肌が異様に発達しており、獲物が移動した際の空気の流れを的確に感知することが出来るのだ。
つまり、
「っ!!」
「ギヤァァァァァァァァァ!!!!」
スパーダは既に捕捉されていた。
「アァァァァァァァァァァ!!!!」
ブラキガルドは凄まじい速度でスパーダに向かって走り出す。
「くっそマジかよ!! まだ二層目だぞ!! それなのにこんなモンスターがいるなんて!!」
……だけど、これでいい!!
スパーダは剣を構え向き合う。
元々、死ぬ気で強くなるためにここに来たんだ。
なら、これくらいなんとか出来なきゃ意味がない!!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
雄たけびを上げる。
「ギュアァァァァァァァァァァ!!!」
それに呼応するようにブラキガルドも叫ぶ。
始まるのだ。
命を懸けた……限界を超えるための修業が。
「っ!!」
まず前に出てフェイントを入れ、攻撃を避ける。そして跳躍して背中《うえ》に乗るんだ!
自分の動きを頭で反芻したスパーダは、意を決したように目を見開く。
まずは出ろ!! 前に……!! 前に……!!
自分を鼓舞した俺は、足を前に出そうとする。
だが、
「……え?」
足は、前に出なかった。
すくんでしまっていた。
震えた彼の足は、まるで地面と同化するように固定されている。
嘘だろ……? 何やってんだよ俺。
今、覚悟を決めたじゃないか……なのに、なんで動かないんだよ……!!
必死に足を動かそうとするが、動かない。
いくら声を上げ、覚悟を決めたようでも……彼の内心は恐怖に屈していたのだ。
最後の最後で、恐怖を乗り越えられていなかった。
「くそ……!! くそくそくそくそ!!! 動け、動けよぉ!!!」
「アァァァァァァァァァァ!!!」
制止しているスパーダとは対照的に、ブラキガルドは巨大な口を開け、真っすぐに彼へと向かってくる。
―――捕食するために。
何だよ……こんな無様に、終わるのかよ……俺の人生……。
あぁそうか……師匠は分かっていたんだ。
自分に慢心して、師匠から逃げて。
劣等感にいたたまれなくなって、リュードたちから逃げて。
それでも何とか強くなろうと思ったのに、このザマだ。
魔法の才能とかの問題じゃない……俺は、心も弱かった。
……くだらねぇな、俺。
瞬間、スパーダの中で何かヒビが入るような音がした。
覚悟のできていない死が訪れようとした時、
「え……?」
足場が、崩壊した。
恐らく地盤が弱くなっており、そこにブラキガルドの激しい地面を抉るような走りが加わったのが原因だ。
「ちょ、おぉ……!? 冗談だろ……!! う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
スパーダは絶叫と共にダンジョンの下層へと落下していった。
まるで、奈落に吸い込まれるように。
過去話は冒頭に戻る。
骨折や体中の傷は落下によってできたものだ。
落下の最中、身体強化と防御魔法を最大出力で使い、落下の際の衝撃を極限まで減少させたが、それでも負傷は免れなかった。
だが考えてみればこの程度で済んで幸運である。
少しでも運が悪ければ……間違いなく死んでいたのだから。
「回復魔法……は、駄目か。魔力が足りない……」
落下の際に全開で魔力を消費したため、スパーダには負傷を治療するだけの回復魔法が使えなかった。
「な、何か……無いか……?」
頭を打ったのか、朦朧とする意識の中で俺は周囲を見渡す。
壁に青白く輝く鉱石が露出していることで、地面には見た事も無い植物がそこら中に生えているのが分かる。
しかしどれが傷に効くのか全く以て分からない。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
や、やばい……。このままじゃ……。
死が足音を立ててこちらへと近づいてくるのを、彼は感じた。
「まだ……何も、してないのに……」
誰よりも、強くて……カッコいい冒険者になるどころか……こんな三流以下の冒険者で、終わるのか……俺が?
「くくく……ははははははははは!!!」
スパーダから思わず、笑いが出た。
あまりの自分の滑稽さに、無力さに、笑いが止まらない。
「はは……」
やがてそれは乾いた笑いへと変化し、彼の体中に劣等感を擦り付けた。
「……あ?」
だからそれは奇跡だった。
注意力が散漫し、おぼつかない足で歩き続けていた彼がソレに気付けたのは。
「何だ……あの穴……」
半眼で見詰める先にあるのは穴だ。
それも、壁に不自然に空いている。
「……」
スパーダは足を進める方向を変え、その穴に向かった。
何か、引き寄せられるような、何かが……そこにある。
そんな気がした。
人一人が通れる程度の大きさの通路を、壁に手を当てながら進む。
そして暫く歩くと、そこには開けた空間が広がっていた。
「あの穴は……ここまでのか、隠し通路……だった、のか……? ここは……なんだ……?」
スパーダは周囲を確かめるが、先ほどまでの場所と大して変化はない。
他に何処か別の場所に繋がっているという訳でもなく、この空間だけで完結していた。
何故こんな空間が先ほどまでの場所と隔絶されたようになっていたのか、甚《はなは》だ疑問でしかない。
「ん……?」
だが、気付いた。
先ほどまでの場所と、ここの決定的な違いを。
「何だ……あれ」
ポツリとそう呟いた俺は、それに向かって足を進める。
そして辿り着いた。
「……剣?」
違いというのはこの剣のことだ。
広がる空間の中心部に剣が鞘に収まったまま、無造作に地面に突き立てられている。
「何で、こんなところに……誰か、ここに来たのか……?」
しかし、そうは言ってもあまりにも人の形跡や痕跡が存在しない。
スパーダはその選択肢をすぐに排除する。
『おい』
一体どうなってるんだ……?
『おぉい』
ていうかそんなことよりも、ここから抜け出す方法を考えないと……。
『おぉぉぉぉぉぉい』
いや……無理か。
ここはSランクダンジョンの下も下、どう考えてもここから上がれる訳がない。
今ここにモンスターがいないのが奇跡なんだ。
『おい!!!』
「おわぁっ!?」
突然の自分以外の大声、満身創痍だったスパーダだが肩をビクつかせるほど驚いた。
「だ、誰だ!! ていうかどこから……!?」
倦怠感に苛まれながらも、首を回してあたりを見回す。
しかし、いくら周囲を確認しても人という人は誰一人として存在していない。
『ここじゃここ!!』
「ここって……」
声の聞こえる方向、声の大きさからどの辺りにいるのか……驚いていた先程とは異なり、今度はその情報を正確に捉えることができた。
そして得た情報から、スパーダは声の主の位置を特定する。
「……まさか、この剣か……?」
目の前に突き刺さっている剣。
それが自分に呼び掛けていると判断した。
『うむ! その通りじゃ!! お前、名は?』
「ス、スパーダ……」
鈴の音のように可愛らしい声、そして快活な口調に乗せられるように、スパーダは自身の名を名乗る。
『スパーダか。悪くない名じゃ。気に入った!! 儂の名はゼノ!! 魔王である!!』
これが、スパーダとゼノの出会いだった。
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