ネコの創り方

ネコの創り方

　ネコ型の受話器を開発した。電話口が必ずネコの滑舌のようになるイメージだ。

　6丁目の早朝、ビジネスホテルの受付にスーパーで盗んだサラダ用のハムをかじりながら駆けずり回る男児が忍び込んできた。

「飲むヨーグルトください！紙パックの！」
「通報したほうが良いですよね、チーフ」
「え？チーフじゃなくて枝さんて読んでください」
「え・だ・さ・ん！補導案件です！」
「え、何歳の子なの？」
「たぶん1歳半の…」
「5歳です！！！」
「帰らせろ」
「おうち、どこかな？」
「油売らないでさっさと帰らせろっつってんの」
「分かった！諦めて帰る」

　男児本人は、制服の隙間から胸が見えて満足すぎて鼻血を出していた。

　何度も繰り返した男児は、親の連絡先をホテルのオーナーに控えられた。

　ひょんなことから事実を知った職業人たちは、その子をなんとか躾たいと集結した。
「廻すか殺すか」
「食べるか殺すか」
「会うか話すか殺すかだ」
ということでド田舎で会った。ガソリン代他が異様に消耗した。


「おはようございます！5歳です！」
　半永久的に心配かけるとも知らず…