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しおりを挟むその時、自分はどんな表情をしていたのか……。
「なんてね、冗談……、って、美花ちゃん? 」
半身を起こして見つめれば、気付いた浩峨の瞳が、いつも絶やさないうっすらとした微笑みはそのままに、一瞬、困惑して揺らめくのが分かった。
「……何て顔、してんの? 」
苦笑交じりに、糸を引きながら抜かれる指。
取り上げられた途端、くちの中が淋しくてたまらなくなる。
「やだ、ま…… 」
「やだじゃない、欲しいんでしょ? 」
身体を起こして、ベッドの上に膝立ちになった浩峨が美花を見下ろす。
視線を感じながら、美花は引き寄せられるように彼の前に手を付いた。
彼の脚の間で緩やかに立ち上がるそれを目の前にして、あまやかな痺れが身体を走る。
この人が自分にちゃんと欲情してくれていることが嬉しかった。
固まっている美花を見て、くっくっ……と浩峨が喉奥を鳴らす。
「どうしたの? 男の……なんて、初めて見るもんでもないだろうに 」
確かに男のそれを見るのは、初めてではない。だけど、この人のは今まで見たどれとも違った。
大きくて、スラリとしたそれに、嫌悪感は少しも感じない。
それどころか、ツルリとしたなめらかな先端に早く触れたいと思ってしまっている。
……触れたらこの人は、余裕綽々な表情を少しは変えるのだろうか?
躊躇いがちに手を伸ばせば、浩峨が自分で洗った美花の髪を、促すように後ろに梳いた。
「美花ちゃん、おくち開けて。 あーん、て出来る? 」
したい、ように……。
そっと、重量感のあるそれに手を添えて、張り出した括れに舌を這わせる。
すると、髪を撫でる手がぴくん……と反応した。
腰の内部がきゅうっ……と、切なく疼く。
それが引き金となった。
美花は、思いきりそれをほうばると、口いっぱいに舐めしゃぶる。
それでも足りなくて、全ては収まりきらないそれを、えづきそうになるまで喉奥に入れた。
当たったそれが苦しくて、こほこほと咳き込むと、「だから、僕はどこにも逃げないよ? 落ち着いて 」と、四つん這いになった背中をさすられる。
どうしてだろう。
先端から滲む先走りの苦味さえ、愛しい。私は、朔耶さんが好きな筈なのに……。
けれど、ふと思う。 果たして自分は、朔耶さんにこんなふうになるだろうか?
「どうしたの? スイッチ入っちゃった? 」
しかし、悪戯めいた指先に背中の窪みを伝わされ、ゾクゾクとした快感にまた思考が散らばる。
身体を巻いていたタオルが、ハラッ……と縒れたシーツに落ちた。
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