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誘惑 ー大和視点ー
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「ッハァ、ハァ…」
美姫の荒い息遣いが聞こえ、大和はハッとし、立ち上がった。そして、ベッドの下に脱ぎ捨てられていた美姫の服を拾い出した。
「美姫……服、自分で着られるか?」
どうして、大和がここにいるの? どうやって、ここに来たの? なんで、私が危ないって分かったの?
もし冷静だったら、美姫は直ぐにでも大和を問い詰めていたかもしれない。だが、媚薬の熱に侵された美姫は、大和の言葉に頷くだけで精一杯だった。美姫は、大和が脇に置いてくれた服の中からブラジャーを掴もうとした。
「……っっ!!ハァッハァッ…」
手足が痺れて、指先さえうまく動かせない。躰全体が熱くて、呼吸をすることさえも苦しい……
「美姫っ……お、まえっ……!!……っクソ!!」
美姫のその普通ではない様子に、礼音が何かしたのだと気づいた大和が、ラグの上でのびている礼音の脇腹を蹴飛ばした。礼音は蹴られた勢いでゴロンとラグの上を転がった。
大和は苦しそうに息を吐く美姫をじっと凝視しながら、右の人差し指で脚をコツコツと叩いた。それは、考えている時の大和の癖だった。
そして……決意したように、美姫の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「美姫、悪い……けど、外寒いからこのまま連れ出すわけにいかない……」
大和が、美姫のブラジャーを掴んだ。
「ごめん……」
先程躰の上に掛けたロングコートをゆっくりと外す。
「ん…ハァッ、ハァ…」
コートの衣擦れで、美姫の躰がゾワゾワと震える。白い肌は熱の為に全身が紅潮してピンクに染まり、礼音によって開かされた脚は自分で元に戻すことも出来ず、大和の目の前に秘部を曝け出す形になっていた。蜜が滴り落ち、先程絶頂のギリギリで止められてしまった花芽がドクンドクンと脈を打ち、蠢いている。
淫らな部分を見られたくなくても、美姫は指先ひとつ動かすことが出来ず、恥ずかしさでますます熱と呼吸が上がる……
高校生の時に付き合っていたとはいえ、こんな明るい中で大和に裸を見られるのは初めてだった。大和はいつも美姫に気遣い、行為の際は照明を消してくれていた。それに、今はもうその時とは状況が違う……
秀一への罪悪感でいっぱいになり、美姫は耐え切れず目をギュッと瞑った。
秀一さん……ごめんなさい……
「……あいつから、聞いたんだ……」
大和がボソッと小声で言った。
「え…?」
その声に、美姫が瞼を開けた。
「来栖……秀一……」
秀一、さんが?
美姫の荒い息遣いが聞こえ、大和はハッとし、立ち上がった。そして、ベッドの下に脱ぎ捨てられていた美姫の服を拾い出した。
「美姫……服、自分で着られるか?」
どうして、大和がここにいるの? どうやって、ここに来たの? なんで、私が危ないって分かったの?
もし冷静だったら、美姫は直ぐにでも大和を問い詰めていたかもしれない。だが、媚薬の熱に侵された美姫は、大和の言葉に頷くだけで精一杯だった。美姫は、大和が脇に置いてくれた服の中からブラジャーを掴もうとした。
「……っっ!!ハァッハァッ…」
手足が痺れて、指先さえうまく動かせない。躰全体が熱くて、呼吸をすることさえも苦しい……
「美姫っ……お、まえっ……!!……っクソ!!」
美姫のその普通ではない様子に、礼音が何かしたのだと気づいた大和が、ラグの上でのびている礼音の脇腹を蹴飛ばした。礼音は蹴られた勢いでゴロンとラグの上を転がった。
大和は苦しそうに息を吐く美姫をじっと凝視しながら、右の人差し指で脚をコツコツと叩いた。それは、考えている時の大和の癖だった。
そして……決意したように、美姫の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「美姫、悪い……けど、外寒いからこのまま連れ出すわけにいかない……」
大和が、美姫のブラジャーを掴んだ。
「ごめん……」
先程躰の上に掛けたロングコートをゆっくりと外す。
「ん…ハァッ、ハァ…」
コートの衣擦れで、美姫の躰がゾワゾワと震える。白い肌は熱の為に全身が紅潮してピンクに染まり、礼音によって開かされた脚は自分で元に戻すことも出来ず、大和の目の前に秘部を曝け出す形になっていた。蜜が滴り落ち、先程絶頂のギリギリで止められてしまった花芽がドクンドクンと脈を打ち、蠢いている。
淫らな部分を見られたくなくても、美姫は指先ひとつ動かすことが出来ず、恥ずかしさでますます熱と呼吸が上がる……
高校生の時に付き合っていたとはいえ、こんな明るい中で大和に裸を見られるのは初めてだった。大和はいつも美姫に気遣い、行為の際は照明を消してくれていた。それに、今はもうその時とは状況が違う……
秀一への罪悪感でいっぱいになり、美姫は耐え切れず目をギュッと瞑った。
秀一さん……ごめんなさい……
「……あいつから、聞いたんだ……」
大和がボソッと小声で言った。
「え…?」
その声に、美姫が瞼を開けた。
「来栖……秀一……」
秀一、さんが?
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