＜本編完結！AS開始＞【R１８】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

上昇気流

１

　新ロゴ発表後、制作が開始されたCMは吉岡メディアが急ピッチで作業を進め、驚異の１ヶ月という短さで放映にこぎつけた。

　だが、放映するにあたり一波乱あった。

　一番視聴者の多い「プライムタイム」と呼ばれる１９時から２３時の時間帯枠にCMを流す予定でいたのだが、それを電報堂によって妨害されたのだ。彼らは自分たちの権限を使い、吉岡メディアがその時間帯にCMを入れられないよう、圧力をかけたのだった。そのせいで来栖財閥のCMは全国ネットの放送では視聴者の少ない時間帯、あとは地方局のCMでしか流せなかったのだが、それでもその反響は思いの外大きかった。

　それは、美姫と大和をCMに起用したことが大きな鍵となった。

　二人が新婚夫婦として新たなライフスタイルの中で来栖財閥の新ロゴのデザインされた商品を使っているという、現実とリンクしているかのようなこのCM。まるで芸能人のような美男美女カップルであることと、来栖秀一と噂のあった美姫が結婚したばかりの夫と共演しているということで、たちまち口コミで話題となった。you tubeでもアップされ、投稿されてから僅か１ヶ月で再生回数が10万回を超える程だった。

　当初このCMは、来栖秀一のファンや美姫のことをよく思わない人々からは大きな反感を買った。

『秀一様をスキャンダルに引き込んでおきながら、自分ひとりだけ幸せになるとか許せない！！』

『次から次に男を変える淫乱女でしょ、あいつ？』

『てか、あの女のすべて計算なんでしょ？　旦那になった男も騙されてかわいそう！！』

　ネット上で悪口や暴言などを吐かれたり、叩かれたりし、炎上までおこした。

　だが逆にそれがメディアで話題となって世間の注目が更に集まり、批判の声を聞いた人々が今度は美姫に対して同情的な声を多く寄せるようになったのだった。

　そして、大学や仕事等で美姫が大和と一緒にいる姿がメディアを通じて度々触れられるにつれ、世間の目が次第に変わっていった。

　雑誌やTVのインタビューの仕事の場でもそうだが、大学の構内やプライベートの時間でも、手を繋ぎ、笑い合い、時には軽口を叩き合いながら寄り添う姿は、ふたりが本当にお互いを好き合っているのだということが伝わってきた。

　それは演技ではなく、実際に美姫と大和の仲はどんどん深まっていた。

　大和と過ごす時間はいつも楽しく、穏やかで、幸せに溢れている。一緒にいると笑顔になれるし、からかい合える気さくな関係でいられるのも嬉しかったし、彼の優しさや思いやりに触れて胸がキュンとなることもある。そんな日々を美姫は愛おしく、大切に感じていた。

　だからと言って秀一とのことを忘れたわけではないし、彼のことを思い出すと今でも胸が痛み、苦しくなる。それでも美姫は、秀一を思い出す時間が少しずつ減っているのを感じていた。

　それは、あの日から躰を重ねるようになったことが、ふたりの仲をより深めるきっかけとなっていた。

　真奈美への嫉妬をきっかけに躰を重ねたあの日から、大和は美姫を求めるようになり、美姫もそれに応えるようになった。あの日は突然のことに心の準備がなく、ずっと抱いていた欲望が暴走した為に感情に突き動かされるようにして繋がったが、それ以降の大和は美姫を優しく抱くようになった。

　大和のセックスは、まるで彼そのものだ。温かい布団に優しく包くるまれているような気持ちになる。
　
　熱の籠もった視線、愛おしく触れる指先、美姫の息遣いを聞きながら、交わされる優しい肌の感触……言葉を交わさなくても、大和の想いが彼の視線から、唇から、指先から、熱く滾る彼自身から伝わって来る。

　大和に抱かれる時、美姫は彼が自分を大切に思い、愛されているのだと実感する。美姫はそれを幸せに思い、抱かれる毎に彼への愛情が深まっていくのを感じていた。

　---本当に、来栖秀一との間には何もなかったのかもしれない。

　美姫と大和の仲の良さから、世間ではそんな考えが浸透するほどにまでなり、ふたりの好感度が上がるにつれ、来栖財閥への好感度も上がっていった。

　美姫のファッションは常に注目の的となり、それを真似しようとする若い女性たちまで現れた。大和は来栖財閥の後継者として、今最も注目されている若手実業家のランキングに入り、雑誌やTV等でも話題になった。
　　
　京香の思惑通り、ふたりはまさに来栖財閥の広告塔となったのだった。