＜本編完結！AS開始＞【R１８】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

脱走

６

　リビングの扉のすぐ右傍には洗面所があり、扉の横の壁に立っていれば美姫が視界に入ることはない。

　美姫は壁に凭もたれ、耳を当てた。そこから聞こえる音に集中していると、秀一の声がくぐもって聞こえてきた。


「私は、美姫を愛しています。
　姪としてではなく、ひとりの女性として」


　エ……ナ、ニ？

　頭が、一瞬で真っ白になる。

　すると、怒りを押し殺したような父の声が続いて聞こえてきた。

「では秀一……
　お前は、美姫と恋仲にあることを認めると、いうのだな？」

　その言葉に、美姫はまた冷水を浴びせられたかのように全身が凍りついた。

　私たちの仲を、知られてしまった……
　でも、なぜ！？

「知られたくはありませんでしたが、証拠を見せつけられて、白を切る方が難しいでしょう」

　証拠！？
　嘘……お父様が、私たちの仲を疑って調べさせてたってことなの！？

「分かっているのか！？
　美姫は私の娘。お前と血が繋がった、姪なんだぞ！」

　普段穏やかで、決して声を荒げることのない父の激しい怒りを含んだ声音に、美姫は肩を大きく震わせた。

　膝がガクガクと大きく震え、壁伝いに床にへなりこむ。口に両手を当て、ガチガチと打ち鳴らす歯を抑え込んだ。

　こんな日が……いつか、来るんじゃないかって恐れてた。


　お父様に知られてしまった以上、私たちはもう......別れるしかないんだ。


　美姫はあまりのショックに、涙すら出なかった。