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羞恥という名の快楽

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 秀一はそんな美姫の姿にゾクリと背筋を震わせた。

 何度肌を合わせても、いつも貴女は初めての時のように恥じらいを見せる。だが、一度快楽に溺れてしまえば、淫女のように求めてくる。
 本当に、貴女には翻弄されてばかりです......

 秀一の指先が美姫のパンティーへと伸ばされる。

「や、そこ...は......」

 焦った声を上げる美姫が愛おしくて仕方ない。

「どうしました?」

 そんな質問にまともに美姫が答えられる筈もなく。

「い、いえ...
 あ、の...自分で脱ぎますから、大丈夫です」

 真っ赤にさせた顔を俯かせ、小さな声で言った。

「では、どうぞ」

 素直に応じた秀一の言葉に美姫は安堵した。

 秀一の手が離れ、捲れ上がっていたドレスが風を孕みながら下へ下りると、その感触ですら、ゾクゾクとした快感となった。

 美姫は慎重に後ろに手を伸ばした。ドレスの裾を掴もうとするが、手が届かない。プリンセスラインになっているドレスの裾がふんわりとしているため、背を屈めるほど裾が広がってしまい、遠くに離れてしまう。

「時間切れですね」

 秀一はにっこりと笑い、美姫の腰をぐっと抱えて持ち上げると、両手を窓ガラスへとつかせた。

「ちょっ、ちょっと待ってくださいっ!!!出来ます!自分でやれますっっ!!!」

 焦る美姫の耳元に、秀一の尖った声が落とされた。

「...時間切れだと、お伝えしましたが?」
「......はい」

 美姫は大人しく頷いた。

 秀一の指先が再びドレスに掛かり、後ろから捲り上げた。純白のドレスからは美姫のしなやかな細い脚が伸びているのが見え、ドレスの裾のレース越しに中途半端に下ろされたストッキングが艶かしく覗いている。

 純潔を表すその穢れなきドレスを着た美しい花嫁を、これから自分の欲で染めていくのかと思うと、秀一は興奮を隠しきれずにはいられなかった。

「ッハァ...」

 心臓がドクドクと高鳴り、息苦しそうな表情を見せる色香に見ちた美姫の表情に、秀一の胸もギュッと絞られるように苦しくなった。

 純白の貴女を、今宵、私の色で染めて差し上げましょう......

 パンティーに指先を掛けると、直接触れる肌の滑らかさが伝わり、秀一の興奮を更に煽る。双丘の肉感的な膨らみを愛でながら、ゆっくりと下に下ろしていく。

 美姫のガラス窓についた両手が僅かに震えている。俯いた顔から表情を伺うことは出来ないが、相当の欲に耐えているのだろうと思うと、秀一の支配欲が満たされていく。

 脚の付け根まで下ろすと、じっとりと濡れそぼったそことパンティーの布地を引き剥がすようにして下ろしてやる。

「ッフ、ゥゥッ......」

 ビクビクっと震えながら、美姫が小さく声を漏らした。

 あぁ、美姫......
 指先を伸ばし、花弁を広げ、蜜の滴る稜線をなぞり……どれだけそこが昂ぶる欲情で濡れているのか確かめ、花弁を結んだ先にあるプックリと膨らんだ花芽に触れて、愛欲で濡れた柔らかな温かい襞に包まれ、光り輝くその透明な蜜で唇を濡らし、芳醇な香りを堪能し、淫美な蜜を味わいたい......
 
 だが......その行為こそが、美姫のフラッシュバックを呼び覚まし、再び悪夢へと貶めることになるのだと思うと、指を伸ばすことなど、出来るはずない......

 その刹那、苦しそうに歪めた秀一の眉は、前を向いている美姫に気づかれることはなかった。
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