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女の子同士の恋愛って難しいけど、女性としてやよいのこと愛したい
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「あのさぁ、ほんと嫌だったら付き合わなくてもいいからね」
「えっ、嫌だなんてこと、あるはずないですよ。美来さんに誘ってもらえて、とても嬉しいです」
ようやく1ヶ月のインターンが終わり、コンペの結果、私たちのチームが一番良い結果を出すことができた。最後は追い込みかけて、毎晩のように遅くまで詰めてたから、ほんと優勝できて嬉しかったし、充実感でいっぱいになった。
最初から最終日は打ち上げやろうって言ってたけど、そこにチーム優勝の祝勝会も加わることになった。
そこで……川平くん始め、モテないメンズに頼まれたんだよね。
『美来、頼むっっ!! やよいちゃんも打ち上げに連れてきてくれ!!』
もちろん、嫌だよ。可愛いやよいをゲスな男どもと一緒に飲ませたいわけないじゃん。
だから、のらりくらりとかわしてたのに……
帰りに川平くんと一緒の電車に乗ってる時に、やよいと会っちゃったんだよね。
そしたら、川平くんが
『今度インターンの打ち上げやるんだけど、やよいちゃんもおいでよ』
なんて誘ってさ。
『え。私がお邪魔してもいいんですか?』
『もちろん! 美来もその方が楽しいだろ?』
え。楽しいわけないじゃん。何が楽しくて自分の彼女を野獣たちの巣に送り込まないといけないのよ。
ムッとしたけど、やよいは行きたそうにしてるのが、表情からして伝わってきた。
もし、私が『やよいに来て欲しくない』なんて言ったら……誤解されちゃうかな。
まぁ、最後の打ち上げになるわけだし……いっか。
『やよいも……よかったら、来る?』
小さい声で尋ねると、やよいの瞳がキラキラと輝いた。
『はいっ』
そんなわけで、仕事が終わってからやよいを駅まで迎えに行って、ふたりで居酒屋に向かってるところだった。
あーあ、男どもの反応が目に見えて憂鬱だわ。
そう考えてると、やよいが不安そうに私を見上げた。
「美来さん……やっぱり私、行かない方がいいですか?」
「やよいに来て欲しくないっていうか……川平くん、めっちゃやよいのこと気に入ってるし、中野くんと西田くんもやよいのこと見たら間違いなく可愛い、可愛いって騒ぎ出すの分かってるからさ。
私としてはおもしろくないじゃない? やよいは私の彼女なのに、って」
やよいが頬を染めて、口に手を当てた。
「ふふっ。美来さんにやきもちやいてもらえるなんて、嬉しいです」
「笑い事じゃないよ。ほんっと、やだ」
だからって、やよいのこと『私の彼女です』って紹介するわけにもいかないし。
そのことは、打ち上げ行く前に話してた。
世の中にはいろんな考えの人がいて、自分とは異なるセクシュアリティを理解できない人もいる。
だから、自分たちが心から信頼できる人、伝えたい人意外には私たちが付き合っていることは言わないでおこうって。
ほんとは……そういうのすごく嫌だし、犯罪をしてるわけでもないのになんで? って思っちゃうけど。
これは、私だけの問題じゃない。やよいを守るためにも必要なこと、だから。
仕方ないんだよね……
「えっ、嫌だなんてこと、あるはずないですよ。美来さんに誘ってもらえて、とても嬉しいです」
ようやく1ヶ月のインターンが終わり、コンペの結果、私たちのチームが一番良い結果を出すことができた。最後は追い込みかけて、毎晩のように遅くまで詰めてたから、ほんと優勝できて嬉しかったし、充実感でいっぱいになった。
最初から最終日は打ち上げやろうって言ってたけど、そこにチーム優勝の祝勝会も加わることになった。
そこで……川平くん始め、モテないメンズに頼まれたんだよね。
『美来、頼むっっ!! やよいちゃんも打ち上げに連れてきてくれ!!』
もちろん、嫌だよ。可愛いやよいをゲスな男どもと一緒に飲ませたいわけないじゃん。
だから、のらりくらりとかわしてたのに……
帰りに川平くんと一緒の電車に乗ってる時に、やよいと会っちゃったんだよね。
そしたら、川平くんが
『今度インターンの打ち上げやるんだけど、やよいちゃんもおいでよ』
なんて誘ってさ。
『え。私がお邪魔してもいいんですか?』
『もちろん! 美来もその方が楽しいだろ?』
え。楽しいわけないじゃん。何が楽しくて自分の彼女を野獣たちの巣に送り込まないといけないのよ。
ムッとしたけど、やよいは行きたそうにしてるのが、表情からして伝わってきた。
もし、私が『やよいに来て欲しくない』なんて言ったら……誤解されちゃうかな。
まぁ、最後の打ち上げになるわけだし……いっか。
『やよいも……よかったら、来る?』
小さい声で尋ねると、やよいの瞳がキラキラと輝いた。
『はいっ』
そんなわけで、仕事が終わってからやよいを駅まで迎えに行って、ふたりで居酒屋に向かってるところだった。
あーあ、男どもの反応が目に見えて憂鬱だわ。
そう考えてると、やよいが不安そうに私を見上げた。
「美来さん……やっぱり私、行かない方がいいですか?」
「やよいに来て欲しくないっていうか……川平くん、めっちゃやよいのこと気に入ってるし、中野くんと西田くんもやよいのこと見たら間違いなく可愛い、可愛いって騒ぎ出すの分かってるからさ。
私としてはおもしろくないじゃない? やよいは私の彼女なのに、って」
やよいが頬を染めて、口に手を当てた。
「ふふっ。美来さんにやきもちやいてもらえるなんて、嬉しいです」
「笑い事じゃないよ。ほんっと、やだ」
だからって、やよいのこと『私の彼女です』って紹介するわけにもいかないし。
そのことは、打ち上げ行く前に話してた。
世の中にはいろんな考えの人がいて、自分とは異なるセクシュアリティを理解できない人もいる。
だから、自分たちが心から信頼できる人、伝えたい人意外には私たちが付き合っていることは言わないでおこうって。
ほんとは……そういうのすごく嫌だし、犯罪をしてるわけでもないのになんで? って思っちゃうけど。
これは、私だけの問題じゃない。やよいを守るためにも必要なこと、だから。
仕方ないんだよね……
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