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女の子同士の恋愛って難しいけど、女性としてやよいのこと愛したい
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あの後、すぐに始業のベルが鳴って救われたけど、男どもは落ち着かない様子だったな。
この後飲みに行こうってみんなに誘われたけど、断っちゃった。また、やよいの話題になるのが恐くて。
ふぅ、疲れたー。今日が金曜で良かったわ……しばらく、あいつらの顔見ないですむもんね。
だからと言って、昨日のやよいの態度を考えたら、そのまま家に帰りたくもなかった。
こういう時の光頼みだな。
スマホを手に取ると、履歴から検索して光に電話した。
光の会社から私がインターンで働いてる会社は電車で1駅しか離れてなくて、すぐに光と落ち合うことができた。
「落ち込んでる美来のために、今日はいいとこ連れてってあげる」
そこから更に電車に乗り、目的地へ向かう。どこに行くのか聞いても、光は一向に教えてくれなかった。
駅を降りると、そこは繁華街が広がってた。小さな居酒屋やスナック、バー、クラブなんかがたくさん軒をつらねてる。
光はあるビルの前で足を止めた。
「ここよ」
狭いエレベーターで3階に上がると、人一人通るのがやっとの狭い廊下が見えた。その両脇には茶色の扉がいくつも並び、幾つかの扉の横には店名の書かれたネオン看板が置かれていた。
扉の前を通るたび、その奥から賑やかな笑い声や歌声が響いてくる。スナックやバーなんかもあるけど、ゲイバーもいくつかあった。
わぁ、こんなとこ来た事ないよ……
ビビりながら緊張してると、光が突き当たりとなる一番奥の茶色の扉の前に立った。
扉のすぐ脇には『会員制レズビアンバー のどか』と看板が掛けられている。
レ、レズビアンバー!?
驚いて目を見開く私に、光がクスッと笑った。
「そんなビビんなくても大丈夫。ここは出会い目的のガツガツしたとこじゃなくて、情報交換したり、友達を作ることがメインの、優しい人たちばっかでまったりした雰囲気だから」
レズビアンバーにそんな違いがあることも知らなかったんだけど!?
「てかこれ、『会員制』って書いてあるけど、私入れるの?」
「大丈夫♪ 初回は会員にならなくてもお試しで入れるし、会員である私の紹介で来るんだから、問題なしよ」
そう言って、光は会員証をチラつかせた。
えぇっ、光って会員なんだ!! ってことは、何回もここに来てるってこと?
床に置かれた黒板には、
『19:00~0:00(土曜は2:00)
ドリンク 700円~ フード 600円~
チャージなし
ノンケの男性は女性同伴ならOK』
と書かれてた。
ノンケの男性ってなに?
毛がない男性、脱毛してる男性ってこと??
それがなんで、女性同伴だとOKなの??
いろんなことが次々に頭の中に入ってきてぐるぐる回り、整理ができてないうちに光に背中を押された。
「ほらほら、入る入るー」
「ちょっ、押さないでよ!」
扉が開かれ、未知の世界へと踏み出した。
この後飲みに行こうってみんなに誘われたけど、断っちゃった。また、やよいの話題になるのが恐くて。
ふぅ、疲れたー。今日が金曜で良かったわ……しばらく、あいつらの顔見ないですむもんね。
だからと言って、昨日のやよいの態度を考えたら、そのまま家に帰りたくもなかった。
こういう時の光頼みだな。
スマホを手に取ると、履歴から検索して光に電話した。
光の会社から私がインターンで働いてる会社は電車で1駅しか離れてなくて、すぐに光と落ち合うことができた。
「落ち込んでる美来のために、今日はいいとこ連れてってあげる」
そこから更に電車に乗り、目的地へ向かう。どこに行くのか聞いても、光は一向に教えてくれなかった。
駅を降りると、そこは繁華街が広がってた。小さな居酒屋やスナック、バー、クラブなんかがたくさん軒をつらねてる。
光はあるビルの前で足を止めた。
「ここよ」
狭いエレベーターで3階に上がると、人一人通るのがやっとの狭い廊下が見えた。その両脇には茶色の扉がいくつも並び、幾つかの扉の横には店名の書かれたネオン看板が置かれていた。
扉の前を通るたび、その奥から賑やかな笑い声や歌声が響いてくる。スナックやバーなんかもあるけど、ゲイバーもいくつかあった。
わぁ、こんなとこ来た事ないよ……
ビビりながら緊張してると、光が突き当たりとなる一番奥の茶色の扉の前に立った。
扉のすぐ脇には『会員制レズビアンバー のどか』と看板が掛けられている。
レ、レズビアンバー!?
驚いて目を見開く私に、光がクスッと笑った。
「そんなビビんなくても大丈夫。ここは出会い目的のガツガツしたとこじゃなくて、情報交換したり、友達を作ることがメインの、優しい人たちばっかでまったりした雰囲気だから」
レズビアンバーにそんな違いがあることも知らなかったんだけど!?
「てかこれ、『会員制』って書いてあるけど、私入れるの?」
「大丈夫♪ 初回は会員にならなくてもお試しで入れるし、会員である私の紹介で来るんだから、問題なしよ」
そう言って、光は会員証をチラつかせた。
えぇっ、光って会員なんだ!! ってことは、何回もここに来てるってこと?
床に置かれた黒板には、
『19:00~0:00(土曜は2:00)
ドリンク 700円~ フード 600円~
チャージなし
ノンケの男性は女性同伴ならOK』
と書かれてた。
ノンケの男性ってなに?
毛がない男性、脱毛してる男性ってこと??
それがなんで、女性同伴だとOKなの??
いろんなことが次々に頭の中に入ってきてぐるぐる回り、整理ができてないうちに光に背中を押された。
「ほらほら、入る入るー」
「ちょっ、押さないでよ!」
扉が開かれ、未知の世界へと踏み出した。
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