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同性で付き合うってどういうこと??
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扉に手をかけて出て行こうとし、鍵はどうしようかと考える。
隣の部屋だし、何かあればすぐ気付くよね。
そのまま扉を閉めて、やよいの家を出ると自分の家へと戻った。
すると、暫くして階段を静かに上る音が聞こえて来る。それから、ゆっくり慎重に扉に手をかける音。
ギィーッ……パタン
やよい、家に戻ったんだ。
「プッ」
勢いで家を飛び出したものの、お金もスマホもなくて行くあてもなく、仕方ないから私が出て行くまで階段の下で待ってたってとこかな。ほんともう、可愛すぎ。
やよいが無事に家に戻ったことが分かって安心し、ベッドにどさりと躰を預けた。
明日から、どうなるんだろう。
やよいの気持ちは分かったけど、私の気持ちは分からない。
キスにはドキドキしたし、やよいは可愛いと思うけど、それが恋愛感情なのかってのは疑問だ。突然のことでビックリしただけかもしれないし。
なんだっけ、『吊り橋効果』ってやつ?
それに友達の延長線上とはいえ、付き合っていた湊と別れたばっかりだという、後ろめたさみたいなのもなんとなくあるし。
出来れば私は、今までの心地いい関係を続けたい。そう思うのは、私のワガママなのかな。
ま、私だけうだうだ考えたって仕方ないよね。やっぱり明日、もう一度ちゃんとやよいと話してみよう。
そう思ってたわけなんだけど……
あれから、明らかにやよいに避けられるようになった。
朝家を出る時間をずらされたり、同じ講義の授業の時も後から来て離れた席に座ったり、ランチもどこか別の場所で食べてるらしく、顔を合わさない。
「やよいー!」
呼びかけても、こちらを見て焦ったように顔を真っ赤にし、逃げるように走り去っていく。
ハァ。これじゃ、話をしたくてもまともに顔すら合わせてもらえないし。どうしたらいいんだろ。
最近はほぼ毎日居酒屋のバイトが入ってて、帰ってからやよいと話をしようと思っても遅すぎて訪ねることは出来なかった。
まったく、隣に住んでるってのに、いつまで続けるつもりだろ。
シャワーを浴びてリビングに戻ると、外の方でカタンと音がした。
なんだろ。
扉を開けると、ドアノブに可愛らしい花模様の紙袋がかかっている。
これ……
紙袋を開けると、そこには栄養価の高そうなお弁当と1枚のメモが入っていた。
『もしよかったら、食べて下さい』
連日バイトで、朝食はまともに食べず、お昼もテキトーな私を心配しての配慮、ってことか。名前は書かれてないけど、字を見ればやよいからってことは一目瞭然だ。
あんだけ私のこと避けておきながら、なんでこういうことするかな。気になるなら、ちゃんと話すればいいのに。
そのまま家を出ると、やよいの家のインターホンを鳴らした。
当然、居留守。
それは私も分かってたわけで……
バンバンバンバン!
「やよいー! いるんでしょー!開けてくれないと近所からうるさいって警察呼ばれて困るんだけどー!!
しかもパジャマだしー! 変質者扱いされたらどうしてくれんの!!」
警察という言葉が効いたのか、内側から扉がガチャリと開いた。
困ったようにやよいが私を見上げる。
「中、入れてくれる? ここに立ってたら、また怪しまれちゃうかも」
やよいは、「は、はいっ!」と言いながらピョンと後ろへ仰け反った。
ピョンって……うさぎみたい。
私じゃ、こうはいかないよね。
隣の部屋だし、何かあればすぐ気付くよね。
そのまま扉を閉めて、やよいの家を出ると自分の家へと戻った。
すると、暫くして階段を静かに上る音が聞こえて来る。それから、ゆっくり慎重に扉に手をかける音。
ギィーッ……パタン
やよい、家に戻ったんだ。
「プッ」
勢いで家を飛び出したものの、お金もスマホもなくて行くあてもなく、仕方ないから私が出て行くまで階段の下で待ってたってとこかな。ほんともう、可愛すぎ。
やよいが無事に家に戻ったことが分かって安心し、ベッドにどさりと躰を預けた。
明日から、どうなるんだろう。
やよいの気持ちは分かったけど、私の気持ちは分からない。
キスにはドキドキしたし、やよいは可愛いと思うけど、それが恋愛感情なのかってのは疑問だ。突然のことでビックリしただけかもしれないし。
なんだっけ、『吊り橋効果』ってやつ?
それに友達の延長線上とはいえ、付き合っていた湊と別れたばっかりだという、後ろめたさみたいなのもなんとなくあるし。
出来れば私は、今までの心地いい関係を続けたい。そう思うのは、私のワガママなのかな。
ま、私だけうだうだ考えたって仕方ないよね。やっぱり明日、もう一度ちゃんとやよいと話してみよう。
そう思ってたわけなんだけど……
あれから、明らかにやよいに避けられるようになった。
朝家を出る時間をずらされたり、同じ講義の授業の時も後から来て離れた席に座ったり、ランチもどこか別の場所で食べてるらしく、顔を合わさない。
「やよいー!」
呼びかけても、こちらを見て焦ったように顔を真っ赤にし、逃げるように走り去っていく。
ハァ。これじゃ、話をしたくてもまともに顔すら合わせてもらえないし。どうしたらいいんだろ。
最近はほぼ毎日居酒屋のバイトが入ってて、帰ってからやよいと話をしようと思っても遅すぎて訪ねることは出来なかった。
まったく、隣に住んでるってのに、いつまで続けるつもりだろ。
シャワーを浴びてリビングに戻ると、外の方でカタンと音がした。
なんだろ。
扉を開けると、ドアノブに可愛らしい花模様の紙袋がかかっている。
これ……
紙袋を開けると、そこには栄養価の高そうなお弁当と1枚のメモが入っていた。
『もしよかったら、食べて下さい』
連日バイトで、朝食はまともに食べず、お昼もテキトーな私を心配しての配慮、ってことか。名前は書かれてないけど、字を見ればやよいからってことは一目瞭然だ。
あんだけ私のこと避けておきながら、なんでこういうことするかな。気になるなら、ちゃんと話すればいいのに。
そのまま家を出ると、やよいの家のインターホンを鳴らした。
当然、居留守。
それは私も分かってたわけで……
バンバンバンバン!
「やよいー! いるんでしょー!開けてくれないと近所からうるさいって警察呼ばれて困るんだけどー!!
しかもパジャマだしー! 変質者扱いされたらどうしてくれんの!!」
警察という言葉が効いたのか、内側から扉がガチャリと開いた。
困ったようにやよいが私を見上げる。
「中、入れてくれる? ここに立ってたら、また怪しまれちゃうかも」
やよいは、「は、はいっ!」と言いながらピョンと後ろへ仰け反った。
ピョンって……うさぎみたい。
私じゃ、こうはいかないよね。
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