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413.残酷な告白

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 肩を押し付けられる感触に、マットレスが沈み込む。濡羽色の髪が、艶かしく揺れた。

「ンック!!」

 下半身の中心に、愛蜜で濡れそぼったそこに、熱い感触が押し当てられる。

 ゆ、許して……

 震える唇をきつく噛み、瞳を閉じると涙が溢れた。

『あぁ……可愛いよ』

 狭い穴が押し広げられていく。柔らかい襞がギュウギュウと締めつけながら包み込み、奥へ奥へと引き込んでいく。

 い、嫌っっ!! 嫌だっっ!!
 類、もう……もう……ッッ

「ッフ……ぁ、ぁ、ぁあああっっ!!」



『全部、入った』



 自分の上で、汗を滲ませ、愛おしく微笑みかける類が、浮かび上がる。

 幻なのに、躰に埋め込まれた感触が、それを否定してくれない。現実なのだと、知らしめてくる。

 絶望の波が、押し寄せてくる。

『動くよ……』

 その言葉を合図に、躰が縦に揺さぶられる。最奥が突かれる度に、快楽が脳天へと突き抜ける。めくるめくエクスタシーの波に、呑み込まれていく。

「ゃ、ゃ、ゃ……」

 瞳を閉じたまま、美羽は激しく首を振った。

「ック!!」

 胸の尖りに痛みが走る。歯を当てられた。腰が浮き上がり、最奥が震慄わなないている。

 ドクン、ドクンと大きな脈が畝る。欲への渇望がせり上がり、絶頂へと一気に引き上げられていく。

「ウゥッ……ハッ、ハッ、ハッ……ぁっっ」

 だ、ダメ……イッちゃ……ッッ!!

 抽挿がだんだん力強く、激しくなり、絶頂へと駆け上っていくのが伝わってくる。

 更に力強く脈打つそこが急激に血液が流れ込んだように感じた途端、一気に爆ぜた。

「ッッ!! ックゥ!!」

 脳髄が痺れ、花芯がドクドクと脈を打ち、真っ白な快感の激流に押し流される。

 ふたり一緒に達した絶頂……けれど、類が触れていたのは、抱いているのは、美羽ではない。

 類は、完全に香織の恋人となったのだ。

 もう、これ以上……無理。耐え切れない。心が、壊れちゃう……

 絶望に打ち拉がれる美羽の胸に、類の声がこだまする。



『ミュー、愛しいミュー。
 愛してるよ……』



 その言葉に、全身が脱力する。躰が、マットレスに張り付けられたように動けない。

 類、は……私のことを想いながら、かおりんを抱いてたってこと?
 現実で私を抱くことができないから、かおりんを身代わりにして、その感覚を伝えてきた、の?

「ッッ……ッグ……ウゥ」

 美羽は枕に顔を押し付け、肩を震わせた。

 たとえ心が私にあったからって、こんなことされて嬉しいわけないっっ!!
 何を考えてるの、類!?

 私、だけじゃない。かおりんにだって、残酷すぎる……
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