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美麗な年下国王は、アイスクリームよりも甘く淫らに妻の女王に溶かされる
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視界の先に、人混みが綺麗に掃けているところがあった。その中心には大国、シュテンスタイン王国の国王であるベルゼウスと彼の臣下であるシルベスタインとユリウスが控えていた。
ベルゼウスはルノーとアンジェリーナに気づくと、目で挨拶した。
ルノーがベルゼウスに近づき、軽く膝を曲げて腰を下げる。
「ベルゼウス殿、本日はご来訪くださり、ありがとうございます」
「こちらこそ、招待をありがとう」
ベルゼウスはアンジェリーナと同じく、国王であった父から王位を継承した、生まれながらの王族だ。漆黒の髪に鋭い漆黒の瞳、王となるべくして生まれた凛とした佇まいに、圧倒的なオーラが漂っている。
「先日の訪問では、色々と勉強させていただきました。また、シュテンスタイン王国からの心からのもてなしに感謝いたします」
先日、ルノーとアンジェリーナはシュテンスタイン王国に赴き、ベルゼウスと会談し、両国の平和友好条約を締結した。また、工業、産業共に進んでいるシュテンスタイン王国の工場や市場、道路、水路などを視察し、これからシャルール公国が発展していくための助言をもらった。
「私たちも、シャルール公国との会談で新たに得るものがあった。これからもよろしく頼む」
ルノーとベルゼウスは固い握手を交わした。
シルベスタインが会話の終わった完璧なタイミングで前へ出ると、手にしていた白布をバサっと取り払った。そこには、大きな額縁に飾られた絵が表れた。
ベルゼウスが説明を添える。
「こちらは、我が国最高の絵師が描いたふたりの肖像画だ」
「まぁ、素敵!」
思わず、アンジェリーナが感嘆の声を漏らした。まるで現実を切りとったかのように描かれた写実的な肖像画で、二人は寄り添い、微笑み合っていた。
ルノーもあまりの素晴らしさに目を奪われ、それからベルゼウスに会釈した。
「このような素晴らしい贈り物をありがとうございます。早速、王宮に飾らせていただきます」
「あぁ、友好の証だ。
今回の訪問でふたりの仲の良さを見るにつれ、婚姻して生涯の伴侶を得るのも悪くないと感じた」
ベルゼウスがフッと微笑んだ。こんな彼の表情を見るのは初めてだった。独裁者として君臨してきた父親と夫に蔑まれてきた母親の元に生まれ育ち、ずっと独身主義を貫いてきたベルゼウスだったが、彼の心境に変化を起こす出会いがあったのかもしれない。
ルノーもまた、微笑み返した。
「えぇ、いいものですよ」
そんなふたりを見て、周囲が騒めいた。『氷の公爵』として知られていたルノーと『鉄の国王』として知られるベルゼウスが微笑み合う姿など、誰も想像しえなかった。
たくさんの来賓達に祝福され、アンジェリーナの明るく、細やかな対応のお陰でつつがなくパーティーを終えることができた。
その後……アンジェリーナとはそれぞれ着替えと湯浴みのために、一旦別れた。
ルノーはソファに横たえながら、再びハァッと短く息を吐いた。
アンジェ、早く戻って来ないかな……
今日は朝からずっとアンジェリーナが隣に立っていたものの、さすがに公務中に彼女の躰に触れるわけにもいかず、焦れったい気持ちに苛まれた。
アンジェが足りない……
一緒にいても……もっと、もっと、アンジェが欲しくてたまらなくなる。
ベルゼウスはルノーとアンジェリーナに気づくと、目で挨拶した。
ルノーがベルゼウスに近づき、軽く膝を曲げて腰を下げる。
「ベルゼウス殿、本日はご来訪くださり、ありがとうございます」
「こちらこそ、招待をありがとう」
ベルゼウスはアンジェリーナと同じく、国王であった父から王位を継承した、生まれながらの王族だ。漆黒の髪に鋭い漆黒の瞳、王となるべくして生まれた凛とした佇まいに、圧倒的なオーラが漂っている。
「先日の訪問では、色々と勉強させていただきました。また、シュテンスタイン王国からの心からのもてなしに感謝いたします」
先日、ルノーとアンジェリーナはシュテンスタイン王国に赴き、ベルゼウスと会談し、両国の平和友好条約を締結した。また、工業、産業共に進んでいるシュテンスタイン王国の工場や市場、道路、水路などを視察し、これからシャルール公国が発展していくための助言をもらった。
「私たちも、シャルール公国との会談で新たに得るものがあった。これからもよろしく頼む」
ルノーとベルゼウスは固い握手を交わした。
シルベスタインが会話の終わった完璧なタイミングで前へ出ると、手にしていた白布をバサっと取り払った。そこには、大きな額縁に飾られた絵が表れた。
ベルゼウスが説明を添える。
「こちらは、我が国最高の絵師が描いたふたりの肖像画だ」
「まぁ、素敵!」
思わず、アンジェリーナが感嘆の声を漏らした。まるで現実を切りとったかのように描かれた写実的な肖像画で、二人は寄り添い、微笑み合っていた。
ルノーもあまりの素晴らしさに目を奪われ、それからベルゼウスに会釈した。
「このような素晴らしい贈り物をありがとうございます。早速、王宮に飾らせていただきます」
「あぁ、友好の証だ。
今回の訪問でふたりの仲の良さを見るにつれ、婚姻して生涯の伴侶を得るのも悪くないと感じた」
ベルゼウスがフッと微笑んだ。こんな彼の表情を見るのは初めてだった。独裁者として君臨してきた父親と夫に蔑まれてきた母親の元に生まれ育ち、ずっと独身主義を貫いてきたベルゼウスだったが、彼の心境に変化を起こす出会いがあったのかもしれない。
ルノーもまた、微笑み返した。
「えぇ、いいものですよ」
そんなふたりを見て、周囲が騒めいた。『氷の公爵』として知られていたルノーと『鉄の国王』として知られるベルゼウスが微笑み合う姿など、誰も想像しえなかった。
たくさんの来賓達に祝福され、アンジェリーナの明るく、細やかな対応のお陰でつつがなくパーティーを終えることができた。
その後……アンジェリーナとはそれぞれ着替えと湯浴みのために、一旦別れた。
ルノーはソファに横たえながら、再びハァッと短く息を吐いた。
アンジェ、早く戻って来ないかな……
今日は朝からずっとアンジェリーナが隣に立っていたものの、さすがに公務中に彼女の躰に触れるわけにもいかず、焦れったい気持ちに苛まれた。
アンジェが足りない……
一緒にいても……もっと、もっと、アンジェが欲しくてたまらなくなる。
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