2 / 13
美麗な年下国王は、アイスクリームよりも甘く淫らに妻の女王に溶かされる
2
しおりを挟む
今日はルノーの18歳の誕生日だった。
朝早くからシャルール公国の国王の誕生日を祝おうと城門へと集まった国民に向けて、バルコニーでルノーと妻である女王のアンジェリーナは顔見せをした。若き美しい国王に国民は歓声を上げ、一様に誕生日の祝いの言葉を叫んでいた。
元々、ルノーは王位継承者ではなかった。シャルール公国の女王であるアンジェリーナと婚姻し、王配という女王の配偶者に与えられる称号となったが、それでは政治や軍に対する権限は一切ない。アンジェリーナはルノーに、共にシャルール公国を支えてほしいと願ったため、元老院との話し合いの末、王位を受けることが決まり、戴冠式を経てこの国の国王となったのだった。
それまで、ソノワール公爵として広大な領地を所有し、上級貴族だったルノーだったが、出自は貴族出身ではなく、孤児院で養子として引き取られた上で養父から公爵の爵位を授けられた経緯があったため、多くの元老院の者たちから反発があり、説得は容易ではなかった。
そこで、ルノーは自身の政治的手腕を見せた上で、隣国のアルル王国から侵攻された際には自ら戦地へと赴いて軍を率い、騎士団を率いるリーダーシップと統率力、軍略に長けた実力を見せ、元老院を納得させた。
隣に立つ2歳年上である20歳のアンジェリーナは、ブロンドがハイライトのように混ざったブルネットの細く柔らかな巻き毛をしており、長い睫毛に縁取られた優しさの溢れたブラウンの瞳、白くて陶器のような肌に映えるピンクに染まった頬、柔らかく曲線を描く顎のラインで、華奢な躰つきも相まって20歳を超えても未だ少女のようなあどけなさを残していた。
だが、17歳で愛する両親をクルーズ事故で失い、18歳で女王として即位してからルノーが国王として即位するまでの2年間、アンジェリーナはシャルール公国を統べるトップとして、国を、国民を導いてきた。賢く、決断力も備えながら慈悲深く愛情に満ちたアンジェリーナは国民から愛され、崇拝されている。
そんなアンジェリーナと共に生きられる喜びを噛みしめながら、ルノーは国民たちに手を振り、挨拶をした。
それが終わると、特別に事前に今日だけ許可を取り、招待をしていた孤児院の子供達に城内の案内をした。ルノーが幼少時代を過ごした孤児院だ。
ルノーがいた頃は十分な食事が与えられず、過酷な労働を強いられ、まるで奴隷のように扱われる劣悪な環境だったが、ルノーがソノワール公爵となってから孤児院の院長を解雇して信用のおける新たな院長を引き入れ、栄養のある十分な食事が行き渡り、教育が受けられ、温かなベッドで眠れるようにと改善をした。また、他の孤児院に対してもそういった働きかけをした。
ここにいる子供たちは皆、肌艶が良く、希望に満ちた瞳をしている。孤児院にいた頃のルノーとは、まるで違う。そんな子供たちの表情に、ルノーは心からの笑みを見せた。それは、『氷の公爵』と呼ばれていた公爵時代のルノーからは、考えられないことだった。
子供達はルノーに会うと、一斉にお祝いの言葉を述べた。
「お誕生日、おめでとうございます!!」
子供たちは、ルノーとアンジェリーナの似顔絵やみんなで焼いたというクッキーを得意満面に渡した。
公爵時代から訪れていた孤児院の子供達は、眩しいほどに逞しく成長していた。出会った頃はよちよち歩きだった子が、今では幼い子供の手を引き面倒をみるまでになっている。その成長ぶりに目を見開くと同時に、心が温かくなるのを感じた。
朝早くからシャルール公国の国王の誕生日を祝おうと城門へと集まった国民に向けて、バルコニーでルノーと妻である女王のアンジェリーナは顔見せをした。若き美しい国王に国民は歓声を上げ、一様に誕生日の祝いの言葉を叫んでいた。
元々、ルノーは王位継承者ではなかった。シャルール公国の女王であるアンジェリーナと婚姻し、王配という女王の配偶者に与えられる称号となったが、それでは政治や軍に対する権限は一切ない。アンジェリーナはルノーに、共にシャルール公国を支えてほしいと願ったため、元老院との話し合いの末、王位を受けることが決まり、戴冠式を経てこの国の国王となったのだった。
それまで、ソノワール公爵として広大な領地を所有し、上級貴族だったルノーだったが、出自は貴族出身ではなく、孤児院で養子として引き取られた上で養父から公爵の爵位を授けられた経緯があったため、多くの元老院の者たちから反発があり、説得は容易ではなかった。
そこで、ルノーは自身の政治的手腕を見せた上で、隣国のアルル王国から侵攻された際には自ら戦地へと赴いて軍を率い、騎士団を率いるリーダーシップと統率力、軍略に長けた実力を見せ、元老院を納得させた。
隣に立つ2歳年上である20歳のアンジェリーナは、ブロンドがハイライトのように混ざったブルネットの細く柔らかな巻き毛をしており、長い睫毛に縁取られた優しさの溢れたブラウンの瞳、白くて陶器のような肌に映えるピンクに染まった頬、柔らかく曲線を描く顎のラインで、華奢な躰つきも相まって20歳を超えても未だ少女のようなあどけなさを残していた。
だが、17歳で愛する両親をクルーズ事故で失い、18歳で女王として即位してからルノーが国王として即位するまでの2年間、アンジェリーナはシャルール公国を統べるトップとして、国を、国民を導いてきた。賢く、決断力も備えながら慈悲深く愛情に満ちたアンジェリーナは国民から愛され、崇拝されている。
そんなアンジェリーナと共に生きられる喜びを噛みしめながら、ルノーは国民たちに手を振り、挨拶をした。
それが終わると、特別に事前に今日だけ許可を取り、招待をしていた孤児院の子供達に城内の案内をした。ルノーが幼少時代を過ごした孤児院だ。
ルノーがいた頃は十分な食事が与えられず、過酷な労働を強いられ、まるで奴隷のように扱われる劣悪な環境だったが、ルノーがソノワール公爵となってから孤児院の院長を解雇して信用のおける新たな院長を引き入れ、栄養のある十分な食事が行き渡り、教育が受けられ、温かなベッドで眠れるようにと改善をした。また、他の孤児院に対してもそういった働きかけをした。
ここにいる子供たちは皆、肌艶が良く、希望に満ちた瞳をしている。孤児院にいた頃のルノーとは、まるで違う。そんな子供たちの表情に、ルノーは心からの笑みを見せた。それは、『氷の公爵』と呼ばれていた公爵時代のルノーからは、考えられないことだった。
子供達はルノーに会うと、一斉にお祝いの言葉を述べた。
「お誕生日、おめでとうございます!!」
子供たちは、ルノーとアンジェリーナの似顔絵やみんなで焼いたというクッキーを得意満面に渡した。
公爵時代から訪れていた孤児院の子供達は、眩しいほどに逞しく成長していた。出会った頃はよちよち歩きだった子が、今では幼い子供の手を引き面倒をみるまでになっている。その成長ぶりに目を見開くと同時に、心が温かくなるのを感じた。
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
【R18】鬼上司は今日も私に甘くない
白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。
逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー
法人営業部メンバー
鈴木梨沙:28歳
高濱暁人:35歳、法人営業部部長
相良くん:25歳、唯一の年下くん
久野さん:29歳、一個上の優しい先輩
藍沢さん:31歳、チーフ
武田さん:36歳、課長
加藤さん:30歳、法人営業部事務
若妻シリーズ
笹椰かな
恋愛
とある事情により中年男性・飛龍(ひりゅう)の妻となった18歳の愛実(めぐみ)。
気の進まない結婚だったが、優しく接してくれる夫に愛実の気持ちは傾いていく。これはそんな二人の夜(または昼)の営みの話。
乳首責め/クリ責め/潮吹き
※表紙の作成/かんたん表紙メーカー様
※使用画像/SplitShire様
【R18】野獣なヤクザはストーカー
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
清龍組組長の孫・美弥子(女子大生)は、次期若頭・貴彬に恋をしていたが、子ども扱いしかされない。
そんなある日、敵対する虎狼組に美弥子が拐われる事件が起こり、祖父が貴彬に「責任取って、美弥子と結婚しろ」と命じたため、美弥子と貴彬は結婚することになってしまい――?
※12/5ムーンライト様にも投稿してます
※R18に※、全8話完結
【R18】これってお仕事ですよね?
コーヒー牛乳
恋愛
モデル仲間に紹介してもらったバイトは怪しげな仕事だった。え?これって仕事ですよね?
________________________
即席エロシリーズ第1弾!
新しい派遣先の上司が私のことを好きすぎた件 他
rpmカンパニー
恋愛
新しい派遣先の上司が私のことを好きすぎた件
新しい派遣先の上司は、いつも私の面倒を見てくれる。でも他の人に言われて挙動の一つ一つを見てみると私のこと好きだよね。というか好きすぎるよね!?そんな状態でお別れになったらどうなるの?(食べられます)(ムーンライトノベルズに投稿したものから一部文言を修正しています)
人には人の考え方がある
みんなに怒鳴られて上手くいかない。
仕事が嫌になり始めた時に助けてくれたのは彼だった。
彼と一緒に仕事をこなすうちに大事なことに気づいていく。
受け取り方の違い
奈美は部下に熱心に教育をしていたが、
当の部下から教育内容を全否定される。
ショックを受けてやけ酒を煽っていた時、
昔教えていた後輩がやってきた。
「先輩は愛が重すぎるんですよ」
「先輩の愛は僕一人が受け取ればいいんです」
そう言って唇を奪うと……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる